癌サバイバーとの生活③
少しずつ、がん患者になった母との暮らしについて書いていこうと思います。周囲の方に言われて嫌だった言葉やこの時にこうすれば良かった…というエピソードを書くことで、がん患者やその家族への関わり方の参考にしていただければと思います。
《注意》今現在、癌を患っている方とその方を支えている家族の方にとっては、もしかしたら不安やストレスを感じるかもしれません。心配な方は、ここから先は読まない方が良いかもしれません。
* * *
(前回からの続きです。)
通院で、抗がん剤を投与してもらったり、定期的に検査をしたりしながら母はパートで働き始めました。
抗がん剤の種類が変わってからは、最初のよりは副作用がマシだったそうです。
負担限度額申請をすれば、通常より支払う金額は抑えられるけど、それでも月に何万も支払わなければいけません。我が家では働くしか選択肢がありませんでした。
けれど、がん患者になった母を受け入れてくれる職場はなかなかありませんでした。
働けなくなった時に備えて保険を見直すのも大事だと思いました。
それから、お家で過ごしている時は、たまに外食したり、旅行をしたりして楽しみをつくりました。
そうしているうちに、手術や入退院を繰り返していますが、5年以上生きています。
肝臓とリンパにも転移していますし、はじめて受診した時に既に誰が見ても癌だと分かる状態だったにも関わらず、これだけ生きられるのは奇跡だと思いました。
でも、今年、脳転移していることがわかりました。
はじめに、あれ?って思ったのは、ベランダに行った母が戻ってこなかった時。
様子を見に行くと、意味不明な事を言っているし、洗濯物も上手く干せないようで…
私はもしかして脳転移?!と疑いました。
勘違いであってほしいと思いながら…
下に連れて行くと、ドアを開けようとするけど、ドアノブを見つけられない様子。吐き気もあるようでした。
明らかに異変があり、すぐに病院へ行きました。
途中、ひきつった笑みを浮かべたり、体の硬直があるようでした。
病院の先生からは、「また、詳しく検査してみるけど、おそらく脳転移しています。あとは、自然の流れに任せるしかないんだろうなと思います。まだ、声は聞こえるみたいだから、話しかけてあげて下さい。」とお話がありました。
その後、緩和ケアの看護師からお話がありました。
職場にも母の事を伝えると、ある職員から「お母さん入院した方が安心でしょ?」と言われました。
心の中で「は?」と怒りが…それ言うかな。失礼にも程が…ありえない。言っちゃいけないでしょ。こっちは入院させたくて入院させているわけじゃないし。
絶対言ってはいけませんよ!大概の人は怒ると思います。
そんなこんなで、
もう、話をできなくなるだろうかと思っていたが、奇跡が起こり、話や歩行ができるように回復して退院することができました。
後で話を聞くと、脳転移がわかる前は、頭痛がしたそうです。あと、目の見え方が変わるのも要注意!
※これは、あくまで母と私の経験です。
がん患者全ての人が母のようになるとも限りません。
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