2024年9月4日(水)にMONOEYESの新作『The Unforgettables E.P.』がリリースされた。
前回のフルアルバム『Between the Black and Gray』は2020年リリースなので、約4年ぶりの新作となる。
また、2024年9月24日(火) 金沢EIGHT HALLでの公演を皮切りに【The Unforgettables Tour 2024】がスタートする。
今回はフルアルバムではなく4曲入りのEPだが、いずれも最高に楽しくてかっこいい楽曲だったのでそれぞれレビューしていきます!
01. The Unforgettables
▼MUSIC VIDEO①(通常Ver.)
▼MUSIC VIDEO②(The Documentary Cut)
まず、歌詞が良すぎる!!!!!
細美さんは直近のライブのMCで「結婚してからはカミさんに向けての曲ばかり書いてる」という旨のことを仰ってたそうなので、歌詞の"君"は奥様のことをイメージされているのかもしれない。
「大切な人と一緒ならどこだって天国だ」という歌詞は多いが、この曲では「たとえ奈落の底に落ちてでも君と一緒にいることを選ぶ」という意思が歌われていて、かけがえのない相手に対する気持ちの強さが読み取れる。
アウトロが無く、細美さんの声を絞った「We’re the unforgettables」で締めるラストがかっこよすぎて、ここだけでも何度でもリピートできてしまう。
MVはリアルタイムでスタジオレコーディングするメンバーとともに、モニターにはレコーディング期間のドキュメンタリー風映像が映し出されている。
このドキュメンタリーを見ていると「MONOEYSってやっぱり”バンド”だなぁ」と実感できる。
ともに車で移動し、買い出しに出かけ、食事をして、同じ空を見上げ、アレンジを組み立て、音を鳴らす。(そしてちょっとふざける)
こんなの良い曲に、良いバンドになるに決まっている。
02. Ladybird
サビで繰り返される「I can only be this way」というフレーズは、非常に頑固なようで信念を貫いて真っ直ぐに駆け抜けるMONOEYESの姿を体現している。
実に細美さんらしい歌詞だと思う。
ちなみに、タイトルの『Ladybird』とはテントウムシのこと。
テントウムシは枝や葉の先端まで進み行き場が無くなると上に向かって飛び立つ習性があるそうで「お天道様に飛んでいった」というところからテントウムシ(天道虫)と名付けられたとのこと。
常に上に飛び立つテントウムシと「こうしかなれない」という自分たち、両者の習性を重ねた素晴らしいタイトルだ。
また、相変わらずMONOEYESはMVがかっこよくもオシャレだと感じた。
地図、スマホ、シャッター、Tシャツ、タバコなど、様々な身近な物に歌詞を映し出すアイデアは新鮮で、映像を楽しみながら歌詞を追いかけることができる。
03. Adrenaline
タイトル、メロディ、歌詞、MV、何から何までイカしているキラーチューン。
細美さんがMONOEYESで手掛ける曲は、淡々としていてどこか影があるクールな印象だが、スコットが手掛ける曲は底抜けに明るくて楽しい雰囲気を持っている。
自らを「アドレナリン中毒さ」と語る歌詞はスコットがライブで味わう感情を言葉にしているのかな?とも思うが、MONOEYESのライブに対して僕らが抱く感情にも通ずるものがある。
日常を抜け出してライブハウスに飛び込み、アドレナリン全開でモッシュダイブの波に飲まれる…そしてライブが終わり家に帰ったそばからまたライブに行きたくなっている。
ツアーが控えている現在も、この曲をリピートするたびに早くツアー開始を待ち切れない気持ちになってしまう。アドレナリン中毒だ。
MVはサムネを見た瞬間に「これは最高だな」と確信した(笑)
普段はめちゃくちゃかっこいいメンバーのこんなふざけた姿が見られるとは思ってもみなかった…。
これもスコットのキャラクター、ひいてはMONOEYESというバンドならではの魅力だと思う。
04. Atmosphere
3曲目の『Adrenaline』は初期衝動全開の歌詞を携えたライブハウスにぴったりの曲だったが、逆にこの曲の歌詞はライブハウスの屋根を突き抜けて大気圏を旅する壮大な世界観を持っている。
「Chasing after shooting stars reaching for new heights…(流れ星を追いかける 新たな高みを目指して…)」というフレーズを見ていると、来る10周年に向けてMONOEYESというバンドがこれから更にスケールアップしていくのだという予感がする。
一方、大気圏を浮遊する壮大なスケールの歌詞とは反対に、メロディは地に足が付いたどっしりとした迫力がある。
また、同じくスコット作の過去曲『Moth to Flame』にも通じるエモーショナルな空気感があり、どことなく切なさが感じられる曲調でもある。
細美さんは大きな会場でライブをするたびに「今度は小さいとこでやろう」「また汚ぇライブハウスで会いましょう」と仰っているし、MONOEYES自体がそれを念頭にできたバンドなので方向性は変わらないだろう。
しかし、遥か高みを夢想して心のやり場を大気圏に移した本作を聴くと、今後も躊躇無く新しい世界に踏み込んでいくMONOEYESの姿が容易に想像できる。
9年目のツアーの看板、そして10周年に向けた狼煙である本EPを締めくくるに相応しい、バンドの未来が楽しみで仕方なくなる楽曲だ。
【The Unforgettables Tour 2024】に向けて
いよいよ今月下旬から【The Unforgettables Tour 2024】がスタートする。
フェスへの出演等はコンスタントにあったものの、新作は約4年ぶり、ツアーは約3年ぶりということで久々の本格稼働だ。
ツインボーカル色を前面に押し出しつつ、トディーのギターとイッセさんのドラムも緻密なアレンジとともにかっこよくまとまっている新曲たち。
ツアーの中でこの4曲がどのようにできあがっていくのか、今から楽しみで仕方がない!
『The Unforgettables』は本ツアーでは開幕を飾ることになりそうだが、ライブの締めにも似合う曲だろうなぁという妄想も湧いてくる…今後の立ち位置の変化にも注目。
余談だが、筆者は11月12日(火) Zepp Nagoyaでの公演に参加予定。
現時点だとこの公演がツアーファイナルとなる予定で、名古屋がファイナルに当たることは珍しいので、いつも以上にワクワクしている。
拙いレビューとなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございます。
それではまた、忘れられない旅のどこかでお会いしましょう!