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【実験結果②オフ・ザ・ボール】『Decomposing the Immeasurable Sport: A deep learning expected possession value framework for soccer』【リーガ・エスパニョーラ】

MIT Sloan Sports Conference2019で発表された 『Decomposing the Immeasurable Sport: A deep learning expected possession value framework for soccer』という論文の実験結果を紹介するシリーズ第2弾はオフ・ザ・ボール(5. Distilling off-ball value creation)です。

1. ポジションごとに需要が異なるオフ・ザ・ボールの動き

カーネル密度推定により算出された各指標の分布を、青:DF、赤:MF、緑:FWとして示した図が以下になっています。各評価指標は左からボールを受ける時のEPVの増分、受け取るパスの成功と失敗の期待値の差分、そして右がパスを受ける確率となっています。

ここで特筆すべきは左のEPVの増分で、DFとMFに比べてFWはボールを受ける際にEPVが向上することが多いことがこの分布からわかります。(緑の分布の右側の裾が広いことから)
FWのパスを受ける確率が低いオフ・ザ・ボールが多いこと(右の図の左の裾が広い)も踏まえて考えると、他のポジションと比べてFWは受ける回数が少ないもののEPVの増分は大きいため、オフ・ザ・ボールの動きが非常に重要であるといえる。

2. オフ・ザ・ボール時のEPVのヒートマップ

ここでは両クラブのFWとMFのEPVのヒートマップを示しており、上段がパスを出した後、下段はパスを受ける前のものになっています。

両クラブのFWはサイドに流れたときはEPVを下げる結果になっています。また、クロースは左ハーフスペースからEPVを向上させるパスを多く出しているが、ビダルはあまり立ち位置を動かさずボール関与も多くないことが分かりました。

次回は「実験結果③意思決定の分析」です。乞うご期待ください。

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