さえないが選ぶ2023年ベストブックス11

年間まとめ系で1番腰が重たいこちらは、毎年宣言先行でやらせてもらっています。2022年はfukuさん、2023年はゼロファジさんに、頭を下げた上での執筆としたいと思います。


◼️ 技術書

 - 評価指標入門〜データサイエンスとビジネスをつなぐ架け橋

毎年、自分のTLからAmazonへのリンクを貼っているつぶやきを絞り込んで振り返っていくのですが、データサイエンティストをやっていたな〜という感想を持ったこの本を、最初にリストアップ。前職にて兼務で携わっていたグループ会社でのお仕事で、必要だった整理ができた意味で、とてもありがたがっています。現職でもデータサイエンスのモデルを使った業務改善のネタが動き出す可能性があるので、そのときにまた引っ張り出してこようと思います。メルカリで売却済みだったけれど。

- Ruby on Rails 7ポケットリファレンス

前職でインターン時代からお世話になった上司に、転職祝いでいただいたこの本は、RoRとはなんぞや、そもそもフレームワークとは、というジュニアすぎるエンジニアだった自分のレベルを、0から1に引き上げるに匹敵の一冊でした。転職が決まってから、いまの会社には業務委託でサポートさせてもらっていたのですが、そのときに与えられたモデリングのissueに対してのhowがちんぷんかんぷんで、欧州でのサッカー観戦旅行中に歩きながら何度この本を開いては閉じるをしたことか。いまでは当たり前な`belongs_to, has_many`とそれに関連したメソッドも、手探りにmigrationファイルを作ってはmigrateし〜を、大英図書館で繰り返していたことが懐かしいです。開くことはないけれど、いまもデスクの傍に常備しています。

- Web APIの設計

欧州遠征にKindleで連れていったこちらの本も、Web APIとは?を学ぶに最適な本でした。そもそも、APIに対する理解が疎かった自分のジュニアさが情けなくもなりますが、その成長を褒めるしかいまはありません。こちらも今では当たり前なRESTのメソッドの使い分けやURL設計や、前提となるクライアントとサーバの責務の境界など、これからのお仕事にワクワクしながらカタール航空の機内で読んだいい思い出です。まだ、レスポンスコードの設計で迷うことがあるので、そのときにまた立ち戻れたらなと思います。

- SOFT SKILLS ソフトウェア開発者の人生マニュアル 第2版

データサイエンティストとは、20何世紀で最もセクシーな仕事である〜という言葉に釣られて、データ解析技術を研究し始めたわけではありませんが、そこそこ早めに給料を引き上げてもらったスキルがデータサイエンスでした。ただ今回の転職に伴い、その牙が研がれ、市場からの評価が毀損する可能性はゼロではありません。ただ、図書館でゆるっと本を探していたときに見つけたSOFT SKILLSで、SWEという仕事のそもそも魅力や働く上での誇りのようなものを整理できた記憶が強くあります。帯のFIREという言葉を嫌がらずに、手に取ってほしい一冊です。自分もいつか手元に残しておきたいなと思います。

- 絵で見てわかるITインフラの仕組み 新装版

入社時点では既存のフレームワークに則った機能の新規開発が多かった自分ですが、徐々にクライアント側を見出したり、加えてクラウドで管理されたインフラの状況も読み取る必要が出てきたときに、ちょうどTLで流れてきて図書館で予約したのがこの本でした。絵で見てわかる〜のようなファストちっくな本は避けがちなのですが、なんだかんだ仕事ではタイパが大事なので、こういう本も悪くないなと思えました。ずっとメルカリの検索条件に含めている気がするので、早めに買って手元に置いておきたいです。

◾️ 古本

- お洒落博物誌

いきなりの余談ですが、神保町でカレーを食べて古本屋にいくつか立ち寄って、喫茶店で読んで帰るというOFFが好きです。そんなデートのときにサイン入り8,000円という価格で手が出なかった『お洒落博物誌』をあげさせてください。古本っていうカテゴリに強いこだわりを感じます。なんつったって、この本、Amazonにもメルカリにも売り出されていないレアリティの持ち主。英国をよく知るファション評論家の林氏が、日本は心の優雅さが足りん!というメインメッセージのもと、ファッションのみならず日常生活のあれこれを、英国と対比させたりさせなかったりしながら、短くまとめ並べた本になっています。この本を読んでから、流行に囚われてアメカジ!軍モノ!ばかり攻めていては、なりたいおっさんになれんな〜と思い、キレイ目でかつ似合うジャパニーズブランドを買うようになった次第です。これが、オンリーワンな本との出会いだと思います。

- この愛いつまでも

こちらは実際に神保町の古本屋でノリで買った一冊で、あの加山雄三の古来的で男性的な教育方針がつらつらと書かれています。ただ、ここまで「トキシック・マスキュリニティ: 有害な男らしさ(男性性)」を学んできた自分ならという過信とフィルターを持って、読み進めると今見逃されがちな要素が点々とあったりして面白かったです。「妻子を愛していれば、育児は妻だけに任せられない」という加山雄三っぽいだけでなく現代にも通用するパートや、「子どもとの遊びには、どんなに他愛がなくても夢中になる」という忘れてはならない至言など、今後この観点で迷った際には、本屋さんに平置きされている本でなくこちらに戻ってきたいなと、今は思います。

◾️ その他

- 完本 1976年のアントニオ猪木

書くのに少し疲れてきたので、ここからはサクッといきたいなと。猪木さんが亡くなり、アメトーーク!で回が組まれたあとに、前職のエグゼクティブ層のオススメとしてあがってきた、アントニオ本は、アゴでモノマネされやすい人というイメージしかなかった自分にとっては、彼を理解するにとてもよい一冊でした。要注意はここで語られた部分も一面でしかないということで、カッコいいと思う瞬間もありましたが、常に森達也的な視点を忘れないようにします。

- 僕の心臓は右にある

こちらはアメトーーク!の本屋大好き芸人?で紹介されたチャンス大城の面白エピソードの数々が短くまとめられた『僕の心臓は右にある』をリストアップ。本当に嘘のような笑い話ばかりで、特に好きだったのは意外にも、のちにこの女性は椎名林檎であったことを知る〜というお話かな。同期芸人たちが腹を抱えて笑って、愛されるのも頷けるし、これ以降にチャンス大城さんが出演する水曜日のダウンタウンの企画は楽しく見ることができました。軽くオススメ

- 本へのとびら――岩波少年文庫を語る

2023年に最も話題となった映画といえば、宮崎駿の引退作である『君たちはどう生きるか』ではないでしょうか。違うという意見もあるかと思いますが、話を続けます。まずは、映画に対してはめちゃくちゃエンタメだったなという感想です。子どもじゃないと面白がれないなと。そういう作品のオリジンはどこにあるんだろう、という疑問を解き明かせた記憶があるのが、この一冊でした。とくかく、少年文庫が好きだった駿少年の生い立ちと、童話との向き合い方を知れて、宮崎駿論を語るには下手なインタビューより良い材料だと思います。絵本とか童話って、本当に良いので

- 会社という迷宮 経営者の眠れぬ夜のために

最後は、渾身のベストブックスである『会社という迷宮』をピックアップ。ここまで読み進めてくれた企業人にはぜひ読んでいただきたい。著者はコンサルだけれど、コンサル嫌いでも手に取ってほしい。世は資本主義。今やっている仕事はブルシット・ジョブだなという気持ちが少しでも湧いた人には特に。図書館で借りて胸を打たれただけで、キラーフレーズは特に覚えていないので、当時の感想ツイで2023年を締めたいと思います。

2024年は、もう少しセンスのいい本を読めたらいいな。2023年は、相変わらず乱読で頭に残っている本は少なかった。余裕で70はオーバーしていたと思うし、絵本を含めたら100いった自信がある。引き出しを増やせている感覚はもうないので、大切に本をこれからは選んでいきたい。あとは、要らぬ本をガンガン売っていかなければ

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