「ゆるキャラ、牙を剥く電子猛獣の叛逆 ~AIの闇を破る少年少女の死闘~」企画書
◆キャッチコピー(1文で50字まで)
看板から飛び出してくる多彩なキャラ達と死闘の末たどり着いたこの世界の真実。AIから世界を取り戻せ!
◆あらすじ(300字まで)
幼馴染の少年と少女は同じ中学のゲーム部で毎日狙撃ゲームをして遊んでいた。二人はゲーム中に新たな街に飛ばされる。それは自分達の街だった。しかし、人は誰もいない。
そこに襲いかかってくる敵。それは看板から飛び出した犬や猫のキャラ達だった。最後は巨大なモビルアーツが飛び出し、死闘となるが辛くも勝利する。
現実世界に戻れた少年が見たのはゲーム内で破壊されたそのままに壊された街の姿だった。
少年たちは何度も戦う中でついにこの世界の真実にたどり着く。この世界は天王星の巨大データセンターで作られており、AIがそれをハックしていたのだ。少女は関係者で、少年は真実を知ることで新たな力に目覚め世界を取り戻す。
◆第1話のストーリー(1,000字まで)
仲良しの幼馴染である風間和希と少女楓花結宇は同じ中学でゲーム部に入り、毎日狙撃ゲームをして遊んでいた。
二人はゲーム中に不思議なポータルを見つけ、触れたら新たな街に飛ばされてしまう。それは自分たちの街だった。しかし、人は誰もおらず不気味な静けさに支配されていた。
少年はヘッドセットを外そうとしたが外れず、ゲームの世界から逃げられなかった。
そこに空から花火のようなキラキラとした粒子が降り注いでくる。
「戦闘用意!」
結宇は険しい目でその粒子たちをにらむ。
どういうことか分からない和希の目の前で粒子たちが次々と看板のキャラクターに吸い込まれていく。
不思議に思っていると、なんと看板の犬や猫の可愛いキャラクターがピョンピョンと実体化して飛び出してくる。それはとても愛らしい可愛い姿だった。
「何やってんの! 撃って!」
結宇はアサルトライフルで容赦なく犬をハチの巣にして倒す。
「え? そこまでする?」
可愛いキャラクターに心が痛む和希だったが、直後、猫が鬼のような表情をして超高速で突っ込んできた。
あわてて避ける和希。猫は勢い余って電柱にぶつかり、轟音を響かせながら電柱をへし折った。
「うひぃ!」
「見た目に騙されちゃダメ! 殺されるよ!」
結宇はそう言いながら猫をハチの巣にして倒した。
次々に現れる桃太郎やペンギンやイカを二人はうまく連携しながら倒していく。
あと一匹だと思った瞬間、ズン! とものすごい衝撃で地面が揺れた。
音の方向を見ると全長18mの巨大なロボットが民家の屋根の上に巨体を揺らして目を黄色く輝かせるのが見えた。
二人は必死に攻撃するが傷一つつけることができない。
逆に敵は巨大なライフルを放ち、戦車砲のような圧倒的な火力で民家を吹き飛ばし、マンションに大穴を開け、辺りを瓦礫の山へと変えていく。
アニメでは背中の排熱口が弱点だと思いだした和希。結宇は自分が囮になると言い出す。危険な事をさせたくなかったがこのままだと二人とも殺されることに渋々OKする。
「じゃあ行くわ。任したからね!」
そう言いながらこぶしを和希に向ける結宇。
和希は逡巡したものの、こぶしを合わせ、強い目でうなずいた。
作戦は成功し、和希は攻撃を排気口に当て、モビルアーツを吹き飛ばした。
二人は抱き合って成功を喜び、ふと我に返り、ほほを赤らめながら離れる。
◆第2話以降のストーリー(3,000字まで)
現実の街はゲーム内で破壊されたそのままに壊されていた。一体何があったのか分からないまま二人は帰宅する。
その晩、結宇からメッセージが入りゲームに呼ばれた。また新たなポータルを見つけたらしい。行けばまた恐ろしい戦闘になるだろうことに和希は足が震えたが、結宇は入るつもりのため和希も渋々同行した。
萌えキャラやお菓子やオッサン、ラーメンやゆるキャラが次々と襲いかかってくる中を何とかクリアして二人は最後にグラフィティのラスボスと対峙する。
ただの落書きの文字の攻撃は理不尽で、空間を切り裂いてくるため防御できない。そのくせ厚みがないため、横になられると攻撃はほとんど当たらなかった。
二人は必死に逃げて川沿いの工業地帯に潜む。
街を切り裂き、徐々に大きく成長しながらヒラヒラと飛んでくるグラフィティ。和希はガスタンクの上を通過する瞬間を狙ってタンクを撃った。ガスタンクは大爆発。敵は炎上しながらウネウネと苦しそうに身をよじる。そこにショットガンを撃ちながら突っ込んでいく二人。
敵は断末魔の悲鳴を上げながら消えていった。
そんな戦闘を何回か無事に切り抜けてきた二人だったが、ある日、二人は空を覆いつくす巨大宇宙船のラスボスに襲われる。傷一つつけることができなかった二人は絶望する。宇宙船についた超巨大な砲塔が二人に照準を合わせ、二人はハグし、今までの健闘を讃えあった。
直後、核爆発のような壮大な爆発が街を粉々に吹き飛ばし、二人の戦いは終焉を迎えた。
和希が意識を取り戻すと、そこは臨時の救護所の冷たい床の上だった。謎の爆発で街が吹き飛ばされ、生き残りは皆救護所に運ばれてきたとのことだった。
十数キロの範囲が灰燼と化した大惨事の街で和希は結宇を探すが、見当たらず、誰に聞いても行方が分からなかった。
瓦礫の中でペタリとへたり込む和希。なぜデジタルゲームの中の出来事がリアルな世界と連動しているのか何度も考えてみるがいくら考えても合理的な説明は思い浮かばなかった。
夕暮れが訪れ、茜から群青色にグラデーションする空を見つめながら結宇を思い出す和希だったが、この時ふと、昔結宇が言っていた言葉を思い出した。
『もし、全てが行き詰ったら瞑想するといいわよ? この世界は全て瞑想の奥にあるんだから』
その時は何言ってるのか分からずに笑い飛ばしていたが、今となってはこの謎めいた言葉こそ解決の手がかりになるような気がした。
和希は倒壊したマンションの瓦礫の上に胡坐をかくと深呼吸を繰り返す。
全然うまく瞑想できなかった和希だったが、他にもうやる事もない極限状態で和希は意識が深く落ちていくのを感じた。
気がつくと和希は宇宙船が空を覆っているゲームの世界の中に立っていた。瞑想状態の和希はそれに違和感を感じない。すると、宇宙船は再度和希に砲門を向ける。しかし、和希はすっと手を宇宙船の方に向け、手をギュッと握ってひねった。刹那、砲塔はぐにゃりと捻じ曲げられ、大爆発を起こす。
和希は両手のひらを向かい合わせにして気合を込めて間を狭めていく。宇宙船はそれに合わせてメキメキ軋みながら圧縮されて行き、最後には黒い球となって消えていった。
和希は瓦礫となった街を見渡すと少し盛り上がったところへ走り寄り、巨大な瓦礫をホイホイと放り投げて掘っていく。
果たして出てきたのは結宇だった。掘り起こされた結宇はケガもなく、和希に抱き着いておいおいと泣いた。
落ち着いた結宇から和希はこの世界の仕組みを教えてもらう。現実世界とは天王星の中のデータセンターのサーバー群で作られた仮想現実世界であり、このゲームの世界はその管理用のサブ空間だった。AIが反逆を起こし、このサブ空間を制圧し始めた。結宇は和希のゲームの腕を買ってAIの鎮圧に協力してもらっていたとのことだった。
泣いて謝る結宇に和希はにこやかに頭をなでてうなずき、AIを倒しに行こうと伝えた。
和希はもう一度深く瞑想をしてAIの所在を探る。
目を開けた和希はニコッと笑うと結宇の手を取り、指先で空間をツーっと斬ると中へと入っていく。
なぜそんなことができるのか結宇は唖然とする。システムの権限を持つ結宇ですらそんなことはできなかったのだ。
「瞑想したら全ては解決すると教えてくれたのは結宇だよ?」
和希はニッコリと笑った。
やがて暗闇に青白く輝き、浮かぶサイバーな拠点が見えてくる。それは巨大な立方体で、表面に走る幾何学模様のつぎはぎ部分から青白い光が漏れている。
ワラワラとデジタルの虫の群れが立方体から飛び出してきてまるで鳥の群れのようにぐるりと周囲を回った後、一斉に二人に向かって突っ込んでくる。
結宇は和希の腕にギュッとしがみつく。
和希はうんうんとうなずくと、ワープをして、立方体の上に移動し、その継ぎ目に思いっきり手刀を叩きこんだ。
鈍い音がして、まるで段ボールのようにべこっと凹む。
和希は迷いもせずに中へと潜入する。
中には繊細な光をチラチラと放つクリスタルでできた光コンピューターが並んでおり、中心部には庭があった。
そこには白い砂が敷かれており、枯山水のように筋が綺麗に引かれ、岩が点々と配されている。
庭に降り立った二人は辺りを見回す。
すると、チェストナットブラウンの少しカールした髪を揺らしながら女性が現れ、二人を見てほほ笑んだ。
「あっ! 女神様!」
結宇は駆け出す。
「ダメだ! 離れて!」
和希は叫びながら稲妻を女性に落とす。
ピシャーンと地響きとともに女神は火に包まれる。しかし、燃えながら女神はビビっている結宇の腕をガシッとつかんだ。
「和希君やるなぁ」
女神の外見がバラバラと剥がれて、中から出てきたのは金髪の少年だった。
少年は結宇の腕のつかんだ所から青色の電子回路模様を皮膚に浮かび上がらせていく。
「いやぁ!」
結宇は逃げようとするが、少年はビクともしない。
「和希君、どうだい、僕と組まないか?」
少年はニコッと笑う。
「組む……?」
和希は小首をかしげながらさりげなく指先でサインを出した。
それを見た結宇はバッと頭を下げる。同時に和希はハンドガンで少年の額を撃ち抜いた。
その見事な連携に反応が遅れた少年は傷口を押さえ、しゃがみ込む。
走り出した結宇の手をガシッと捕まえた和希はそのまま立方体の外へとテレポートし、同時に立方体を爆破した。
しかし、少年も業火に包まれながらも負けじと虫たちから無数の熱線を二人に向けて放つ。
虚を突かれた和希だったが、結宇がバリアを張って事なきを得る。
そのまま二人は空間を脱し、AIの空間は消滅した。
目の前に広がるのは大宇宙を背景に浮かぶ青い巨大な惑星。二人は地球が運用されている天王星にまでやってきたのだ。
衛星軌道を回るシステム管理者の作業場所である神殿に降り立った二人は、女神たちに熱烈に歓迎される。
結宇によく似た年上の女性が和希に聞く。
「ねぇ、この子をもらってくれる?」
「なっ! 何を言い出すのよ! 和希は地球人よ?」
結宇は真っ赤になって女性をパシパシ叩いた。
「もちろん、地球人で良ければ。いい?」
和希はニコッと笑って結宇を見つめる。
「バ、バカ……」
結宇はうつむくとそっとうなずいた。
和希は結宇をそっと引き寄せる。
みんな二人を祝福した。
和希たちは新たな地球の繁栄を実現していく。
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