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はじめてのドール
?「う・・・・・・、ん」
「目覚めたかい?」
?「ええ、なんとか、起きられるわ」
?「私は・・・・・・、私は」
?「私は、桜瀬優希。おうせ、ゆき。でも、名前で呼ぶのは止めていただけるかしら。できるだけ、私の名前は人に知られたくないの。私の名前を知るのは、あなただけでいいわ」
「そうか。では、【姫】と、そう呼ばせていただきます」
姫「なるほど、なるほど。悪くないわね。それなら、あなたのことは・・・、名前でいいかしら。ふぁずと呼ばせてもらうわ」
姫「ところで」
「なにかご不満・・・そうですね」
姫「ええ、とても。一体どうなっているのかしら、この髪、この服。滅茶苦茶じゃない」
「それは、申し訳ない。なにせ私も、女性に服を着せるのは初めてで・・・」
姫「男性ならそうでしょうね。仕方ないわ。とはいえ、このままという訳にもいかないわ。せめて髪だけでも整え直してくださらない?」
「今すぐ」
・・・・・・
姫「ありがとう、幾分かましになったわね」
(髪の処理ってこんなに大変なのか・・・)
姫「・・・・・・」
「なにか?」
姫「いえ、よく頑張ったわ。褒めてあげましょう」
「それはよかった」
姫「それと」
姫「これから、よろしく」
「はい、あなたが付喪神になるその日まで」
【後書きコメント】
はじめてドールをお迎えして、そのドールと対面したときの写真ですね。初めてドールにウィッグをかぶせて、初めてドレスを着せたときの緊張は、今でも色あせずに思い出せます。
当時は、東海地方に住んでいたので、お店に迎えにいく車を運転するときの心の落ち着かなさ、お店から家に帰るまでの車の運転も、緊張しまくっていたことも覚えています。
一番最後の、「あなたが付喪神になるその日まで」は、本当に口から言葉として出た台詞です。今も、本気でそうしてみせるって信じています。問題は、姫が99歳になるときって、私は124歳とかなんですよね。ギネス記録も裸足で逃げ出す記録じゃないかな。
あれからもう8年もたつのに、あのときの自分をしっかり思い出せることに少し驚きますね。って、姫と出会ってもう8年にもなるの!?そっちの方が驚きだわ!!!
来年は、ドールオーナー歴10年の大台に乗るのか。びっくりするわ。
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