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家具えらびを楽にする、プロのすすめかた

住まいをつくる過程は、選択の連続です。

壁は珪藻土?それとも塗装?ビニルクロス?
クロスなら無地?柄物もおすすめですよ。
色は何色にしますか?柄はカーテンで取り入れるのもありです。
ダイニングの照明はシーリングやペンダントから選べます。ペンダントなら最近小ぶりのペンダントを複数吊るすのがおしゃれに見えます。
などなど…

延々と答えをもとめられる、なかなかにハードな日々です。

インテリアコーディネーターはその選択を容易にするために存在しているといっても過言ではありません。

そこで今日は、選択しやすくするために私がどんなアプローチをしているのかをお話します。

まずはいろいろなボールを投げ、反応をみる

「こうしたい」という理想があるなら別ですが、「どうしていいかわからないし、イメージもない」という場合は、とにかくいろいろと見ていただき反応をみます。

今流行っているインテリアスタイル、数種類の雑誌や本、メーカーのカタログ、自分や人の施工例など。

とにかく具体的なものがないとイメージがふくらまないし、そこから「そういえば今のダイニングテーブルが狭くて…」とか、「昔からウッドブラインドに憧れがあって…」など具体的なお話が出てきたら、そこから話をひろげていきます。

これをひとりでやる場合は、いろいろなものを見て「どうしてこれがいいと思ったのか」を自問自答してください。そこから「次のお部屋はどうしたいのか」が見えてきます。

ちょっといいものをみてもらう

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いくつか足がかりができたら、私は普通のものの他に、ちょっといいものを見てもらいます。例えば「カーテンはできればこだわりたい」といわれれば、まずは自分がおすすめしたい質のいいものを実物サンプルと共に、予算があえば輸入のカーテンなどもみてみます。

くらべると価格の意味もわかるし、その違いが自分にとって重要かどうかもわかってきます。

興味があるものでいいものをみておくと、部屋全体にメリハリがでてきます。そしてそこが中途半端になってしまうと、後悔が残ります。いいものを選ばなくても、納得の上の決断であればいいのです。

高い家具や安い家具の違いは、以下の記事でもまとめてみました。


決めるまでには段階を踏む必要がある

インテリアは冒頭で書いたとおり、バリエーションが豊富で数も多い。工務店さんが壁紙の分厚いサンプル帳をもってきて「好きなものをお選びください」なんて言っても、そもそも決め手がない。

何かを選ぶ決断をするためには、気持ちの階段をのぼる必要があります

すべてが並列状態だったものからまず、「この系統が好きかも」とジャンル分けができるようになる。

その中からなんとなく順位をつけられるようになってくるのが、第二段階です。そして第三段階では「これかこれがいいんじゃないか」と、ようやく候補を決めることができます。

図面、サンプル、イメージボード、パース、すべては決断するため

設計者やコーディネーターが作成するこれらの材料は、すべてこの階段をのぼるために準備するものです。

他のものとの色合わせだったり、部屋に対してのサイズ感だったり、手触りを確認したりすることで、「これでなければならない!」という最終段階に到達することができます。そして材料が多ければ多いほど、決断に必然性が増してきます

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でも実は第三段階から最終段階にいくまでがとても険しい道程だと感じています。たくさんある中からジャンルを絞り、優先順位をつけ、候補をしぼるまでは割とさくさく進むんですが、「絶対にこれ以外ありえない」というものはそう簡単には見つかりません。

この壁を乗り越えるために必要なのは、やはり粘り強さでしょうか。一度全体に目を通してみたけど、もう一度新しい視座で見直してみる。今までいったことのない家具屋さんまで、足をのばしてみる。ちょっと予算をあげてみる、など、かならずや「これ以外ありえない」というものに出会えると信じて、探しつづけるしかありません。

仕事でやっていると、自分でもトリッキーすぎるんじゃないか、とか、もうちょっと楽な道はなかったのか、と心が挫けそうになりますが、肩がばきばきになるまで検索をつづけるとちゃんと見つかるんです。

インテリアはトライアンドエラーとは言いますが、高い買い物だしかんたんには捨てられないので、できれば失敗したくないですよね。だからこそ買う理由をしっかり揃えて、必然性のあるお買い物を目指しましょう!

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