(Don't Fear) The Reaper
『スノー・ロワイヤル』予告。キャッチコピーは「タランティーノが『96時間』を撮ったらこうなる』(The Mercury News) 「『ファーゴのキレ味とセンスあり!」(VARIETY)
ノルウェー出身であるハンス・ペテル・モランドが監督した 「ファイティング・ダディ 怒りの除雪車」をリーアム・ニーソン主演でリメイクされた『スノー・ロワイヤル』(原題「Cold Pursuit」)。
この邦題って"雪の王" って事でいいのかな?
リメイクの中でも監督自らが自作を撮るというセルフリメイクというパターンがあるけれども 有名どころで 巨匠セシルBデミルが「十誡」 (1923)を「十誡」(1956) として白黒→カラー版へとセルフリメイク、アルフレッド・ヒッチコックは『暗殺者の家』 (1934)を『知りすぎていた男』 (1956)として白黒→カラー版リメイクしています。
市川崑にいたっては「ビルマの竪琴」白黒(1956)→カラー版(1985)リメイクとさらに「犬神家の一族」もリメイクと、二度もセルフリメイクをかましております。最近ではジョン・ウーの香港映画「狼/男たちの挽歌・最終章」(1989)がハリウッドリメイクされるとか (30年周期でもあるのか...?)。
と白黒からカラーへという映画の様式の変換と共にリメイクしちゃうというケースもあるけれど、米国以外の諸外国で評価された映画を その監督ごと呼んでハリウッドリメイクさせるというケースもあって(ジョン・ウーはそっちのパターンかな) 往々にしてそれはハリウッドナイズされちゃうわけですが...
実は『スノー・ロワイヤル』は 「ファイティング・ダディ 怒りの除雪車」を撮った本人 ハンス・ペテル・モランド監督がハリウッドに呼ばれて自らリメイクというパターン。
蘭・仏 映画「ザ・バニシング−消失−」(1988)→ 「失踪」(1993)
デンマーク映画「モルグ」(1994) →「ナイトウォッチ」(1998)
ハネケ監督の「ファニーゲーム」(1997) →「ファニーゲームU.S.A.」(2008)
私の知っている ハリウッドに呼ばれ同監督がリメイクしたというパターン(他にあればぜひ教えてください)
一目瞭然、リメイクの方は笑っちゃうぐらい役者が豪華!ってのが分かりますね。一応この3種のオリジナル、リメイク両方全部観ておるのですが、やはりどれもオリジナルの方が長けてるんじゃないでしょうかね(リメイクを先に観てからオリジナルを観るという順だとまた違った印象になるとは思うのですが)。ハリウッドリメイクとは何ぞ!?
(ネタバレするのでここから先は読まないでください)
ただ「ファニーゲームU.S.A.」は例外的な評価が入ってきますけど...ですよね?笑。サクッと言うと、「ファニーゲーム」(1997)がハリウッドリメイクされるとなった時 誰もが「あのシーンはどうなるんじゃい!?」と思ったわけで......例のあのシーン↓
当然、セオリーから言えばオリジナルにあるこのリモートシーン(今ならデッドプールが使ってもおかしくない手法ね) ハリウッドナイズであればリモートシーンは無しでここから家族の逆襲が始まって見事侵入者を退治し、最後は家族の絆を確かめるかのように抱きしめ合うのだったという見事ハッピーエンドになる...
と思わせておいてリメイクも全く同じ結末にしたという鬼ハネケ監督...。これはオリジナルを利用したリメイクというトリックを使っているわけで、(役者が違うだけで脚本も同じだし)「ファニーゲーム」(1997) と「ファニーゲームU.S.A.」(2008) は比べる意味がほぼないので例外!
『スノー・ロワイヤル』予告に使われていた曲 ブルー・オイスター・カルト/(Don't Fear) The Reaper
http://oyogetaiyakukun.blogspot.com/2016/08/dont-fear-reaper-blue-oyster-cult.html
ではまた。
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