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“You are not alone”

『ジャスティス・リーグ:スナイダーカット』観賞。

2017年公開の劇場版であるジョス・ウェドン監督の「ジャスティス・リーグ」120分に対し追加撮影もされたという『ジャスティス・リーグ:スナイダーカット』 全6章(+エピローグ)は、なんと242分4時間!!劇場版の倍っ!劇場観賞だったらほぼ失禁間違いなしの膀胱必殺ムービー。配信でホンマ感謝。

ザック・スナイダー監督がなぜ『スナイダーカット』版なるものを作ることになったのか、それはーーーーーーという理由です。

なぜか日本と中国を除く全世界で2021年3月18日に配信。なぜか日本では2021年5月26日にデジタル配信開始、Blu-ray、Ultra HD Blu-rayで同年6月25日にリリース予定

●雑感

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●監督ジョス・ウェドンがおそらく上からの命令で、劇場版にむりやり盛り込んだであろう、マーベル・メソッド ユーモア描写……全カット!冒頭のスーパーマンの語りやバリー・アレンのおっさんへの落書き、真実の縄に座るアクアマンの告白、ロシアでの家族救出シーンに

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スーパーマン vs バリー・アレンのスピード競争…等々バッサリ全力でカット!ザック・スナイダーの強い意思を感じる。

※デメリット:クスッと笑えるシーンが皆無の4時間。

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劇場版には大好きな俳優 ホルト・マッキャラニーがチンピラ窃盗犯役で出ていたのに『スナイダーカット』版では丸ごと無くなり(バットマンの単独・ソロ活動シーン)、個人的には ショック 哀しい。つまりは、いくら劇場版で良かったなと思えるシーンであってもジョス・ウェドンの息のかかったシーン(120分に納めるための工夫されたシーンでもあるのだが)は全力消去。

『スナイダーカット』版 ではヒーローたちの人助けソロ活動=“孤独” (孤高) という意味になっている。かつてのスーパーマン(「マン・オブ・スティール」)と同じ。


●「ジャスティス・リーグ」においてのラスボスだと思っていた将軍ステッペンウルフだけれども、大ボス ダークサイドさんが早々に登場 (本来なら「ジャスティス・リーグ2」とかで登場?) なかなかのサプライズ。将軍ステッペンウルフの背景も描かれ、彼が幹部入りのために必死こいてるという悲哀が加味された。どこの世界も大変ね。

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※デメリット:将軍ステッペンウルフが ダークサイドさんにペコペコで飛車角どころか 桂馬レベルに成り下がり参った。お前は『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』のラドンか!

● ザック・スナイダー特有のスローモーション演出を4時間たっぷり全編に渡って使っておるので、せっかくのバリー・アレンの高速《スローモーション》演出が死んでる気がしたぞ。でもまぁそれでもバリーが女の子を助ける所は突出した良いシーン。最後の伏線にもなってるし、クライマックス、全てを救うバリーの姿に正直 涙ね。

※デメリット:ソーセージがチン子のメタファーとか言う奴がいる。それはあなたの心が汚れているのですよ。今すぐ清めなさい。

Song to the Siren” - Rose Betts

Long afloat on shipless oceans
I did all my best to smile
'Til your singing eyes and fingers
Drew me loving to your isle

And you sang
Sail to me Sail to me
Let me enfold you
Here I am Here I am Waiting to hold you

Did I dream you dreamed about me?
Were you here when I was forced out
Now my foolish boat is leaning
Broken lovelorn on your rocks

For you sing, "Touch me not, touch me not, come back tomorrow
Oh my heart, Oh my heart shies from the sorrow"

Well I'm as puzzled as the newborn child
I'm as riddled as the tide
Should I stand amid the breakers?
Or should I lie with death, my bride?
Hear me sing, "Swim to me, swim to me, let me enfold you
Here I am, here I am, waiting to hold you"

※太文字が映画で使われている歌詞。泣。

● 「ワンダーウーマン」に「アクアマン」と単独映画があるゆえ、二人の深堀りエピソードは無用に。その分スナイダー版ではバリービクター(サイボーグ)に多くの時間が割かれてる

《 就活するバリー→ 何やかんやあって→ 就職先が決まるバリー

《 ビクターと父親との関係→ 何やかんやあって→ 父親との和解 

という話の流れがきちんとあるので、この二人にはより感情移入できるような形に。スーパーマン復活&最後のクライマックスでは この若いバリービクターこの二人が活躍。

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※デメリット:驚くような展開や、特にサプライズもないので(クライマックスで失敗したのにはびっくりしたけど) 物語に起伏がなく何だかんだ言って予定調和。というのも今回じっくり観て思ったのは、同じことの繰り返しが多い 多すぎ!(このシリーズにずっと参加してるのは「アルゴ」の脚本家)

・ジャスティス・リーグ入りを断る→何やかんやあって→助けにやってくる という流れを サイボーグ、アクアマン、スーパーマン で三回見せられる。

・バリーの指先で押すという高速演出、4回ぐらいあった…。

・将軍ステッペンウルフダークサイドさんにペコペコするシーンが毎回同じ場所で毎回同じ構図で謝る デジャヴる (最後ぐらいはダークサイドさんに楯突いて爪痕ぐらい残して欲しかった)。

それにしても「エンドゲーム」や「ジャスティス・リーグ」にしろ最後のクライマックスでの戦いを一般人が現場を括目するシーンが無いってどういうこと? 戦いを見ている一般人のリアクションが欲しいな。


● 明確になったテーマ。バリービクター、(アクアマンもかな) 父親との関係で“孤独” になり悩んでいる。

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ザック・スナイダー自身が2017年に20歳の娘さんを亡くしてしまった事が全世界に報じられてしまったわけで…その事を切り離して『スナイダーカット』版を観ることはできない。『ジャスティス・リーグ:スナイダーカット』は娘オータムさんに捧げられている。せめて映画の中では“孤独”から救ってあげたかったのかな。


ジャスティス・リーグ”を作った意味はあったんだと一人かみしめるブルース…それはそのまま監督がこの『スナイダーカット』版を作る意味はあったんだというメタに感じる

エピローグ(A Father Twice Over) のジョーカー絡みの20分は超おまけ。

今後DCコミック絡みの映画はパティ・ジェンキンスとジェームズ・ワンの二人が製作したらどうかな。

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…ところでお前は誰やねん。

ではまた。

【ザック・スナイダー監督のディレクターズ・カット遍歴】
「ドーン・オブ・ザ・デッド 」劇場100分ディレクターズ・カット109分
「ウォッチメン」劇場163分 ⇒ディレクターズ・カット版 186分 ⇒アルティメット・カット版 215分
「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」劇場152分 ⇒アルティメット・エディション 183分






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