4.私の物語が不満なら自分で書け
※ 基本ドラマ内でかかる曲・セットリストの書き出しですが、ちょいちょいストーリーのネタバレがあります。ドラマ版「ウォッチメン」全9話。
●タルサ (オクラホマ州)
オープニング、平和なこの田舎町で出会う男女――"卵"きっかけ。バックに流れるのは "Islands In The Stream" Dolly Parton & Kenny Rogers (先月3月20日に亡くなりましたね...泣)
幸せそうな二人のカップル...しかしこの二人には子供がいない、できない関係だと分かる―― 謎の大富豪:レディ・トリュー の登場によって。(子供のいない夫婦の名がクラーク:スーパーマンのパロお遊び?)
レディ・トリューは勝手に二人の子供をDNA操作で作り、引き換えとして夫婦の広大な土地(40エーカー)を譲ってもらう。このたった数分の登場でレディ・トリューのキャラ立ち、科学力、倫理観を見せつけます。 とにかくレディ・トリューの白人から土地を奪った感が凄い。まぁこう言っちゃ何ですが..."神"的ですよね 彼女。(時計台を建設中?1〜2年前の出来事?)
直後、隕石のようなものが飛来。
レディ・トリュー「あれは私の物よ」
この落ちてきた飛来物はオジマンディアス/エイドリアン・ヴェイトが乗った宇宙船であった事が後々判明 (ep9の最終回で)。
レディ・トリューがこの広大な土地を欲しがったのは飛来物がどこに落ちて来るか分からなかったのか...(所有権のため?) 何かの建造物のためとか?40エーカーは東京ドーム約3.5個分。
● 遺産センター
アンジェラは"祖先樹"でウィル(ジジィ)が本当に自分の祖父か調べます。
"人生の謎を解く答えこそ、人生の歴史なり"
"卵"料理(ワッフル)から始まるアンジェラ夫妻の朝。ジャクソン5風 BGM...
復活祭の卵、隠しメッセージ 両方の意味を持つイースター・エッグ。
「天国は創り事だ」と子供たちに教えるアンジェラの夫 カル。
カルはエクスカリバー(Excalibur)から取った名前らしいけどスーパーマンの本名カル=エルじゃん。
オジマンディアス/エイドリアン・ヴェイトは胎児を選び加齢装置でNEW執事&メイドを完成させる。"Do Your Thing" 歌詞通り 自分のする事をする!
ヴェイト邸。...ケーキのロウソクは......4本?
執事&メイドたちのクローン大虐殺を前に流れる曲は、いまや「未来惑星ザルドス」のテーマ曲でお馴染み Symphony No.7 in A major op.92 - II, Allegretto
死体を投げて実験に勤しむヴェイト。この土地に来て4年目と判明。
ヴェイト「私が神なら哀れな生き物に命は授けんよ...苦しませるだけだ。生きて行くためには...仕える事。それしかない」
クローンとはいえ好き勝手、思いのままに命を扱う者(神)が、このドラマには三人登場します―― ヴェイトとDr.マンハッタン、そしてレディ・トリューです。
実は オジマンディアス/エイドリアン・ヴェイト絡みのエピソードは現在の2019年や回想とは違った時系列で話が進んでいます(ドラマ「ウェストワールド」S1と同じトリックですね)。
ルッキン グラス ことウェイド・ティルマンの家に訪ねるアンジェラ。ウィル(ジジィ)が持っていた薬を調べて欲しいと依頼。
(どうしてこんなシェルターに住んでいるのかはep5で語られます)
● ぬるぬるマン登場 (否、ぬる田ぬる男)!
アンジェラはウィル(ジジィ)と一緒にいたという証拠(車椅子)を捨てる所をぬるぬるマンに見られてしまいます。
どうですかこの出で立ち!かっこ良過ぎる!!この一回だけの、一瞬の出番で 結局この後 出てこないし正体も分からず終い...なのになのにこのドラマに凄いインパクト・爪痕を残したと言えるでしょう。曲のかかるタイミング、間、逃げ方 全てが完璧 笑。(腰のぬるぬる溶液装着がサイコー過ぎる たぶん戦闘能力ゼロのヒーロー)
ぬる田ぬる男の正体は最後まで分かりませんが、このドラマで唯一ひょろガリなる人物がいます。ローリー・ブレイクの相棒ペティです。
彼はヒーローの歴史に詳しいギーク。警察官が皆見ているTV番組のミニッツメンドラマ化の「アメリカ ヒーロー物語」は史実的に間違っているゴミと評したりします。
ぬるぬるマン登場の後すぐにアンジェラがローリー・ブレイクに呼び出されその会話の中で「ウィリアム・リーブス...もし生きてれば100歳。100歳の人が動き回る時どうするか分かる?車椅子よ」と知ったかぶりに言うのでぬるぬるマン(ぬる田ぬる男)がチクった?と思うのです。というか別に言及しなくてもどうでもいいぬるぬるマン。
車内で流れる曲 "You're My Thrill" Billie Holiday あなたは私のスリル。
アンジェラとローリー・ブレイク、この二人は初対面の時から仲悪いです。それもそのはずローリー・ブレイクはDr.マンハッタンの元カノなわけですし、二回目に観返す時はこの二人の会話は思わずニヤッとしつつ冷や冷やしちゃいますよね まさに Thrill スリル。
ミレニアム・クロック施設 (ベトナム風に魔改造)
ウィル(ジジィ) の車が飛んで行った事、落ちてきた事(ep2 ep3)について大富豪:レディ・トリューの所へ聞き込みに来たアンジェラとローリー・ブレイク。
オジマンディアス/エイドリアン・ヴェイトの銅像を見てローリー・ブレイク「何だかこのヴェイト ジジ臭い ... それに凄いアホ面」
というわけで二回目に観返す時は大爆笑もののシーンなわけですが。冒頭の飛来物落下からずーっとヴェイトの銅像はここに飾られていたって事でしょ?(ep9の最終回で判明)
アンジェラとカル、二人の出会いはベトナム(アメリカの51州目)らしい。カルが読んでいた本は「崩れゆく絆」...今まさに二人はケンカで 笑。
ケンカの売り方は本のネタバレ。仲直りはセックス。
レディ・トリューと結託していたウィル(ジジィ)の目的は...
...チクタク チクタク。
エンディング曲 "Time Is On My Side" Irma Thomas
時は俺の味方さ
時は俺の味方さ
いつもお前は
自由になりたいって言ってるけど
お前はきっと戻ってくる
お前はきっと戻ってくる
お前はきっと俺の所に戻ってくる
街に明かりをつけてやればい
お前の心の求めるままにやればいい
でも覚えてくれ、俺は周りにいるさ
分かってる、たくさん前に言ったように
お前は戻ってくる
そう、お前はノックしてくれるさ
俺のドアに〜♪
ローリング・ストーンズのカバーでしか聞かないからとても新鮮。
ではまた。
"If You Don't Like My Story, Write Your Own"
エピソードのタイトルは作中でカルが読んでいたチヌア・アチェベの『崩れゆく絆』から引用だそうです。
ep1 ep2 ep3 ep4 ep5 ep6 ep7 ep8 ep9
"核時計はインテリに与える知識、溺れる人に見せる酸素と同じ――核兵器の無い世界にだって危険はある " Dr.マンハッタンより
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