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絵を描くひと

彫紙アートを初めて、もうじき10年になります。
は、早い…。10年。言葉だけでもすごい。
その間に沢山のことがありました。
創始者である林敬三先生との出会い、その一番弟子である妹尾先生との出会い。なにかひとつ欠けたら今の私はいません。

彫紙アートを始めた時、私は自分に絵の実力がないことに大きなコンプレックスがありました。
デッサンを学んだ経験はあるので多少の下書きはできましたが、当時はA4サイズのイラストを一枚描き切るのにさえ相当苦労しました。
自分の至らないところを上げたらキリがなく…逆にいえば自分の欠点は自分が一番よく分かっていました。
そんな私の気持ちはさておき。
まずは体験クラスで出会った時、その後は一番近かった新宿校が閉まったときに林先生の教室がまた始まり、そこから少しずつですが妹尾先生のレッスンと両立してやってきました。
しかし一時期は仕事が忙しく、年間でほとんど通えない年もあり、私の焦る気持ちは募る一方でした。いっそ辞めようかと悩みましたが、どうしても諦めきれず…。中途半端な取り組みになってしまった時期もありましたが、そんな私を林先生も妹尾先生も見放すことなく真っ直ぐに受け止めてきてくれました。会うたびに素敵な笑顔で元気だった?と挨拶をして下さり、作品づくりは楽しい?制作で困っていることはない?と、私の行きたい方向へ戻れるように素晴らしいレッスンをしてくれました。

絵の実力がないことの大きな目安として
彫紙アートに向いた絵が描けないことというのが自分にありました。
最近では彫紙アートを作っているにもかかわらず、「花藤さんは絵を描くひとだよね」と周りに言われることが増えました。

ネガティブな私は「それってやっぱり彫紙にむいてないってことかな…」と一時期はいじけたりしましたが(卑屈ですみません)、気づけばやっぱり私は絵を描くほうが好きなのかも、と最近は思うようになりました。

というのも、自分は毎日彫りたい、ではなく
毎日描きたいという気持ちに今更ながら気づいたのでした。

毎日描くという課題は、実は一番難しいことかもと自分は思います。体調とか、家事とか仕事とか、タイムスケジュールが苦手な私にはすぐ諦める癖があり、せいぜい週の半分描ければ合格みたいなところがありました。
でもやっぱり毎日描きたい。
ではどんな絵なら毎日描けるかなと。
当然ながら、彫紙アートも蝶と花の作品も時間がかり、私にとっては毎日必ず仕上げられるようなものではありませんでした。
すぐに取り掛かれて、その日のうちに完成する。
そこで上げられる質を見たいのと、何より
毎日続けられることにこそ自分の作品の長所は隠れているのではないかと。
そうして数日前から始めたのが、ラフな水彩画です。

•筆の一発描きがうまくなりたいこと
•小さい作品が描けるようになりたいこと
•猫やクジラもいいけど、やっぱり蝶や昆虫が好き
•この一年で右目の不調もあり、だんだんシンメトリーな作品が描けなくなってきたため、自分の象徴としてアシンメトリーの作品を確定したい

その結果がポストカードサイズやそれ以外の作品づくりになりました。
いまのところ3日続けられ、10点ほどの作品をキープできています。
そのペースでどこまでできるか、この先二週間が決めてになるかなと思います




これ、すごく描いていて楽しいです。
下書きなしで小さいサイズなんて1番向いてないと思っていましたが、やってみないと分からないものですね。
友人からは絵本に出てきそうなタッチで優しい雰囲気といってもらえて、とても嬉しいです。

そういえば、こんな風な水彩画に憧れた時期がありました。当時はなぜか頑張っても描けなかったものが、今やりたいと思えているのはとても不思議です。

今後どう展開していくか、今からワクワクしています。

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