アイルランド指導者ライセンスについて

ここではアイルランド指導者ライセンスについて書いていきます。

私は2017年から2018年にかけてアイルランドに滞在し、アイルランドの指導者ライセンスを取得しました。現在はUEFA Bライセンス取得を目指し、毎年アイルランドを訪れるつもりです。

まず、アイルランドの第一言語は英語です。しかも訛りが強い。普段からアメリカ英語を聞き慣れてる方は適応に時間がかかるかもしれません。事実、私もオーストラリア、ニュージーランド、カナダなど英語圏で長期滞在の経験がありますが、行った時は癖の強さにビックリしました。

これは完全に主観ですが、アイルランドで指導者を目指すのであれば最低でも日本の英検準1級程度の語学力は欲しいところです。アイルランドの指導者講習は、グループワークやディベート、指導実践なども多く、まず英語が話せないとセッションについていけなくなります。サッカー用語だけで事足りる所もありますが、普段の日常会話など基礎的な英語力も身につけておいた方が良いと個人的には思います。

そしてUEFAライセンス取得までの道のりが以下になります。

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まずUEFAという冠がつくライセンスはB級以上になります。UEFAのC級というのはなく、C級以下はそれぞれの国の呼び方によって異なり審査方法もその国によって委ねられています。

そしてアイルランドの場合は、まずGarda Vettingという無犯罪証明書をアイルランドサッカー協会に提出しなければいけません。少年少女に関わる仕事ですからこれは必須になります。後は所属しているチームのサインも必要です。これは現在指導しているチームの責任者のサインや、プレーしているチームがあればそのクラブにお願いする事も可能です。私はすでに地元クラブを指導していたので責任者の方にサインを貰い提出しました。

この手続きが終われば晴れてライセンス講習の受講資格が得られます。私の場合、前任者が全くおらず受け方が全くわからなかったので最初は苦労しましたが、ここまで来れば後はFAIのウェブ上から行きたいコースを見つけて予約をしていきます。

ただFAI(アイルランドサッカー協会)の指導者ライセンスはかなりの数のコースを受講しないと上に上がっていけません。日本だといきなりC級からスタートできますが、アイルランドはD級に辿り着くのに最低40時間以上のコースをクリアしないといけないのです。この最初のコースは色々な種類に分かれていて、例えばGKコース(3時間)、フットサルコース(3時間)、基礎コーチングコース(7時間)など沢山あります。基本的にどれを選んでも個人の自由ですが、合算で合計40時間を満たさないとD級を受ける事さえできません。

ここをクリアするのが一番時間的にも、コスト的にもかかってしまいますが、後はD級(丸1日)とC級(3日間+3日間)を見事パスすればB級に辿り着けます。

1年のワーキングホリデービザを使い、英語力も最初の時点である程度のレベルに達していれば、1年でC級までは辿り着けると思います。B級までとなると、少し時間がかかるので2年は最低でも欲しいかなと思います。

ざっくりとお話しましたが、コーチングメソッドもイングランドFAと密接な事もあり非常に面白い内容ですし、FAI講師もプレミアでの指導経験や元代表コーチなど多岐に渡り貴重な話を聞く事ができます。

日本人は私以外に挑戦している人は知りませんが、今後欧州で指導者を目指す若い人達の一つの選択肢になればと個人的に思っています。


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