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フリッツル ファミリー事件


事件発覚

2008年4月19日、初老の男はメルセデスベンツを病院の駐車場に停めると、19歳の女性をかかえて入ってきました。
病院のスタッフは彼女を見て、みなショックを受けました。彼女が死にかけているのは明らかでした、体はガリガリで、髪の毛は白髪交じりでその一部は抜け落ち、歯もボロボロ、そして肌の色は見たこともないほど青白かったのです。その姿はまるで老婆のようでした。病院で詳しく調べてみると内臓も驚くほど不健康でした。一体彼女はなぜ、どうやってこのような状態におちいってしまったのでしょう。医師たちも頭をかかえてしまいました。なぜならこのような状態の患者を今まで診たことがなかったからです。毒のせいかと考え検査しましたが毒は検出されませんでした。医師たちは、『彼女の母親はいないのか?質問したいことが山ほどある』と連れてきた男に詰め寄りました。
男は説明しました。『わたしはこの子の祖父です。この子の母親であるわたしの娘は、19歳の時に家出してカルトに入信し、それっきり家に戻ってきていません。今朝、家の前にこの子とこの子を頼むという手紙が置かれていたので、とりあえず病院に連れてきたのです』
医師らは、母親と話をしないと病気の手がかりもつかめない、一刻も早くなんとかしないとこの子は死んでしまうと焦りました。医師らはテレビの記者会見で母親に名乗り出てくるように訴えました。警察も加わり、彼女の身元を調べましたが、学校に通った情報もなければ出征証明書も戸籍も見つかりませんでした。
一週間後、男は娘が帰ってきたといい、母親とされる女性エリザベスを連れて病院に現れました。エリザベスは42歳、白髪で歯は一本もありませんでした。母親による育児放棄すなわちネグレクトを疑っていた警察もかけつけ、エリザベスに尋問しました。エリザベスは最初何も答えませんでしたが、しばらくして、一言だけこう言いました。『なんでも話すから、あの男と二度と顔を合わせなくていいようにしてください』

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フリッツルファミリー事件です。オーストリアのある男が自分の娘を自宅の地下室に24年間も監禁して、子供まで産ませていたあの有名な事件です。
初老の男がジョセフ・フリッツル、母親として連れられてきたのがジョセフの娘で、地下室に監禁されていたエリザベス、そして最初につれられてきた19歳の少女は地下室で生まれたエリザベスとジョセフの親子近親相姦による子供なんです。ジョセフは孫だといいましたがそれは嘘です。

エリザベスは警察に打ち明けました。

『わたしの名前はエリザベスです。11歳の時から父親のジョセフにレイプされてきました。1984年8月28日、24年前、わたしは、家の地下に閉じ込められ、父親の性奴隷として利用され、7人の子供を産まされました。この子はわたしが地下室で最初に産んだ長女です』

24年前

 ジョセフは妻ローズマリーとの間にもエリザベスを含め7人の子供がいました。
ジョセフは色狂いでローズマリーが妊娠している間は娼婦を買っていました。娼婦たちの間ではジョセフは変態で有名で、死体ごっことかスカトロプレイをよく要求されたそうです。
7人子供を産んで体系がくずれた本妻のローズマリーからは興味をなくし、鬼畜ジョセフは娘のエリザベスに目をつけました。
エリザベスは11歳の時から、父親に性的な嫌がらせをされるのが我慢ならなくて、もう少し大人になったらわたしも姉のように、絶対に家を出ようと心に決めていました。
19歳になったとき、そのことを両親に告げました。

『わたし、明日この家を出るから』

次の日、エリザベスは消えていました。
父親ジョセフは、家出なんてしやがって馬鹿だなぁと嘆きました。実際は、ジョセフはエリザベスをだましてクスリ入りの飲み物を飲ませ、エリザベスが意識を失っている間に、秘密の地下室へと担ぎ込んだのでした。
エリザベスは気が付くと、知らないベッドの上に寝かされていました。部屋はまっ暗でした。父親ジョセフが現れ、エリザベスは犯されました。逃げ場のない部屋に監禁されたことに気付いたエリザベスは、最初の数日は壁に体当たりし、天井を引っ掻き、助けを求めて苦悶しました。爪が剥がれるまで、壁や自分の体を引っ掻きました。そのベッドルームまでは、ドアが8個もあり、地上の部屋とつながっている扉は、スライド式の本棚で隠されていました。本棚をずらすと後ろに隠されていた階段が現れます。地下にはリビングルームがあって、お風呂と洗面所があり、その先にベッドルームがありました。その全ての部屋の鍵をジョセフが持っていました。

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なによりも気持ち悪いのが、そこにはすでにベッドや、テーブルや椅子など、エリザベスを待ち構えていたように用意してあったことです。ジョセフは何年も前から、工事を進めていたのです。地下に趣味の部屋を作ると聞いた家族は、あっそうとしか思っていなかったようです。
扉の鍵はもちろんジョセフのみが持っていて、また電源のスイッチはいくつかの扉の向こうだったため、エリザベスは電気をつけることも自由にできませんでした。
暗闇の中にいるただしかなかったのです。
ひとつずつ扉の開く音がして、ジョセフが入ってくるのがわかります。
ジョセフは、エリザベスを散々レイプしては戻っていきます。
その内、テレビが持ち込まれました。それはエリザベスの娯楽のためではなく、ジョセフが娘を犯しながらポルノビデオを見たかったからです。
当然窓はなく、まったく換気ができないので、空気は最悪でした。冬は極寒で、夏は湿度が上がり、いたるところにカビが生え、さらに空気を悪くしました。

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妊娠発覚

そんな状況で、エリザベスは自分が妊娠したことに気が付きます。ジョセフは子育ての本を1冊と、ハサミを渡すと、二階へ戻っていきました。エリザベスは必死に考え、沸騰したお湯をつくり熱湯でハサミを消毒し、たったひとりで赤ん坊を産み落とし、自力でへその緒を切りました。栄養失調ギリギリでしたが、エリザベスは赤ん坊たちの世話をし、育てます。エリザベスは全部で7人の子供を産みました。外の世界を一切知らない子供たちに、エリザベスは自分が見てきた世界を語って聞かせ、読み書きを教えました。ジョセフは子供たちの目の前でもエリザベスを犯しました。エリザベスはそれが厭でたまりませんでした。子供が増え、部屋が狭くなっていくにつれて、彼女と子供たちは部屋を増やすために、素手で土を掘らされました。7人の子供の内、1人は生まれて3日後に死んでしまいました。ジョセフはその子を焼却炉に投げ入れて処分しました。また天井までの高さが165cmしかなかったため、男の子の1人は背骨がまがって成長しました。長女カースティンを含む3人は、エリザベスと共に地下に住んでいましたが、あとの3人は実は二階に住んでいました。ジョセフは二階の妻に、家出したエリザベスが産み落とした赤ん坊を玄関に置き去りにしていると説明し、その子を孫として育てていたのです。ジョセフは同じことを3回繰り返しました。エリザベスのやつ、まぁた赤ん坊を置き去りにしてるよって。

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逮捕

ジョセフの妻ローズマリーは何も知らなかったということです。さらには地上では部屋を貸していたので間借りしている人たちもいたそうです。その中の誰も気づきませんでした。

捕まった時、ジョセフは「でも殺さなかったでしょ」「殺そうと思えば全員殺せたけど」などと発言したそうです。

事件が発覚して子供たちが救出されたとき、地下で生まれた子供たちは、太陽の光を見たことがなかったので、最初は光がまぶしすぎて、特殊なサングラスをかけないと目が開けられないほどでした。

ジョセフの弁護人は彼は精神病なので、刑を軽くするように訴え、精神疾患犯罪者のための刑務所に収監されています。CAT
【デスラジオ E123 2021年8月11日配信】


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