ストレートのキラーブロッカーを持ってるときの最適なプレイを考えてみた。
最近ハンドレビューをしていたら面白いハンドを見つけました。
QQを持ってる時にボードが9KTA4ノーフラッシュ。
で、相手のハンドがJ8でフロップからOESD。
自分はフロップセカンドペア、ターンでサードペアになってしまったので単純にあまり強くないからという理由で3ストリートチェックしてしまい、OESDから取れたはずのバリューを取り逃してしまいました。
じゃあセカンドペア、サードペアでベットすべきだったのか。
コンボ数を数えて分析してみたいと思います。
ちなみにキラーブロッカーというのは私が勝手につけた造語で、ストレートを作るのに必要不可欠なカードを2枚抑えてるハンド、つまり789TJのストレートなら99ですね。
シチュエーション
自分がUTGからQsQhで3bbレイズにBBがコール。
BBのコールレンジは次のように想定。
BBの vs UTGのコールレンジ
相手がJ8sでBBをディフェンスしたことから、ややルース目にBBをディフェンスするとして、このようなレンジを想定しました。(23.2%)
フロップの分析
フロップ:KcTh9d
QQはセカンドペアですが、QJのナッツストレートをブロックしている、という状況です。
このときの相手のコンボ数はこんな感じ。
ストレート
QJs(2),QJo(6)=8コンボ(3.45%)
セット
TT(3),99(3)=6コンボ(2.59%)
ツーペア
KTs(2),K9s(2),KTo(7),T9s(2)=13コンボ(5.6%)
トップペア
KQs(1),KJs(3),KQo(5),KJo(9)=18コンボ(7.76%)
J以下のミドルペア
JJ(6),ATs(3),ATo(9),QTs(2),QTo(4),JTs(3),JTo(9),T8s(3),A9s(3),A9o(9),Q9s(1),J9s(3),98s(3),97s(3)=61コンボ(26.29%)
スモールペア
88(6)~22(6)=42コンボ(18.1%)
OESD(オープンエンド)
J8s(4),87s(4)=8コンボ(3.45%)
ガットショット
AQs(2),AQo(6),AJs(4),AJo(12),86s(4),76s(4)=32コンボ(13.79%)
ただのAハイ
A8s(4),A8o(12),A7s~A2s(4x6=24)=40コンボ(17.24%)
Kのペア+ガットショット
KQs(1),KJs(3),KJo(9),KQo(5)=18コンボ(7.76%)
J以下のペア+ガットショット
JJ(6),QTs(2),QTo(4),JTs(3),JTo(9),Q9s(1),J9s(3)=28コンボ(12.07%)
ナッシング
65s(4)=4コンボ(1.72%)
※コンボ数はFlopzillaProを使って数えました
フロップでQQが負けてるハンド
ストレート・・・3.45%
セット・・・2.59%
ツーペア・・・5.6%
トップペア・・・7.76%
合計19.4%
フロップでQQがバリュー取れそうなハンド
J以下のミドルペア・・・26.29%
OESD(オープンエンド)・・・3.45%
ガットショット・・・13.79%
合計43.53%
フロップでベットしたら降りそうなハンド
スモールペア・・・18.1%
ただのAハイ・・・17.24%
ナッシング・・・1.72%
合計37.06%
(ペア+ガットショットは重複するので計算から除外)
なんと80%も勝ってる!
QQ持ってるからKQをブロックしていることで相手がK持ちのトップペアの確率を大きく減らせているということをすっかり忘れてました(汗)
フロップは自分が負けてるハンドの多くを占めるであろう相手のストレートとトップペアの両方をブロックしてるのでこのボードでのQQは見た目以上にかなり強いことがわかりますね。
したがってこのシチュエーションでのQQは100%CBを打つべきでした。
金額としてはT以下のペアやドローにコールして欲しいので小さめでPotの30~50%くらいがよさそうです。
ターンの分析
ターン:As
ボード:KcTh9dAs
問題はターンにAが落ちたこと。
フロップでBBがコールしてくるハンドにはAを含むハンドが多くあるので逆転された可能性が結構あります。
しかしまだ勝ってるハンドの方が多いかも。
フロップと同様、コンボ数を数えてみます。
(フロップでCBに降りそうなハンドは除外。かつ相手はルースで、9のボトムペアやただのガットショットでもコールしてくる前提)
ストレート
QJs(2),QJo(6)=8コンボ(5.71%)
セット
TT(3),99(3)=6コンボ(4.29%)
ツーペア
ATs(2),ATo(7),A9s(2),A9o(7),KTs(2),KTo(7),K9s(2),T9s(2)=31コンボ(22.14%)
Aのトップペア
AQs(2),AQo(6),AJs(4),AJo(12)=24コンボ(17.14%)
Kのペア
KQs(1),KJs(3),KQo(5),KJo(9)=18コンボ(12.86%)
J以下のミドルペア
JJ(6),QTs(2),QTo(4),JTs(3),JTo(9),T8s(3),Q9s(1),J9s(3),98s(3),97s(3)=37コンボ(26.43%)
OESD(オープンエンド)
J8s(4),87s(4)=8コンボ(5.71%)
ガットショット
86s(4),76s(4)=8コンボ(5.71%)
AかKのペア+ガットショット
AQs(2),AQo(6),AJs(4),AJo(12),KQs(1),KJs(3),KJo(9),KQo(5)=42コンボ(30.0%)
J以下のペア+ガットショット
JJ(6),QTs(2),QTo(4),JTs(3),JTo(9),Q9s(1),J9s(3)=28コンボ(20.0%)
ターンでQQが負けてるハンド
ストレート・・・5.71%
セット・・・4.29%
ツーペア・・・22.14%
トップペア・・・17.14%
Kのペア・・・12.86%
合計62.14%
ターンでQQがバリュー取れそうなハンド
OESD(オープンエンド)・・・5.71%
J以下のペア+ガットショット・・・20.0%
合計25.71%
ターンでベットしたら降りそうなハンド
J以下のミドルペア(ドローなし)・・・6.43%
ガットショットのみ・・・5.71%
合計12.14%
(リバーの分析はブランクでターンと状況変わらないので省略)
ターンのAはやはりQQにとって完全に不利なカードでした。
フロップでCBにコールしたAT、A9をツーペアにし、AQ、AJをトップペアにしてしまうためです。
したがって正攻法ならターンのアクションはチェック、もしベットされたらフォールドです。
しかし、GTO的にはたぶんここはベット、またはレイズすべきシチュエーションだと思います。(GTOツール持ってないので正確な答えはわかりませんが)
なぜなら、こちらの方がナッツアドバンテージがあるからです。
自分がQQを持っている分相手のストレートの可能性を大幅に減らしていること。
なおかつ相手のレンジにAA,KK,AKがないこと。
つまりこちらのレンジにはナッツ、およびナッツに近いハンドが多く含まれるのに対し、相手のレンジにその可能性が低い。
だから相手がこちらのアクションに対してきちんとフォールドできる人であれば、強いアクションにより、QQが負けてるハンドを降ろせる可能性が高いです。
相手のアクション次第ですが、相手がターンかリバーでAの強いペアやツーペアを主張したアクションをしてきたときに、大きくレイズ、またはオーバーベットすることでAK,AA,KK,ストレートを主張すれば、
少なくともQQが負けてるハンド62.14%のうち、AT以下のツーペア、トップペア、Kのペアで合計52.14%、つまりほとんどのハンドを降ろせるはずです。(2NLだと難しいかもしれないですが)
仮にツーペアが降りず、トップペアしか降ろせなかったとしてもAとKのワンペアが降ろせるだけで62.14%のうちの30%、つまりほぼ半分は降ろせます。
たとえばPotサイズのベットやレイズをしたときに必要な勝率は50%なので、相手によりますが50%以上は降ろせる確率が高いのでこのブラフはかなり利益が出そうですね。
少なくとも相手がこのボードでAQを降りてくれると思うのであれば積極的にブラフすべきです。
またもしポットの200%打つなら必要勝率は67%に上がりますが、この勝率もある程度以上のレートなら十分満たせるんじゃないかと思います。
少なくとも9KTA4ボードでQQを持ってる時にオーバーカードが2枚出ているからといってQQをただのブラフキャッチハンドにするよりも、ナッツを主張してブラフしに行く方が確実に期待値プラスだと思います。
まぁ今回の場合はUTGからのレイズにBBがコールしたことで、こちら側に大きなナッツアドバンテージがある状況での話なので特殊例かもしれないです。
が、自分がナッツストレートへのキラーブロッカーを持ってるときはそのハンドがミドルぺアだからって消極的にプレイするより、ハンドをブラフに変えて積極的に自分が負けてるハンドを降ろしに行くプレイをする方が利益が出せる場面は多いんじゃないかと思います。
結論:キラーブロッカーは強い
ってことで結論です。
もし自分がポケット持っててそれがストレートのキラーブロッカーになってるシチュエーションに出くわしたときは、それをブラフキャッチハンドにするよりもビッグブラフよりなプレイを検討してみるといいのではないか、と思います。
逆に相手がストレートのフリしてドカーンと打ってきたときはブラフキャッチハンドにもできますね。
キラーブロッカー(相手のストレートを完全ブロックしてるハンド)は
相手がドローや自分より弱いペア+ドローのときは引ける確率の低いドローからローリスクでバリューを取ることができ、
なおかつ自分より強いワンペアやツーペアなどのメイドハンドに対してはビッグブラフで強気に降ろしに行ける非常に優秀なハンドです。
しかし使い方を間違えるとただのマージナルなミドルペア、ブラフキャッチにしか使えないハンドに成り下がります。
まぁキラーブロッカー持ってるシチュエーションはかなりレアなので出くわす場面は少ないですが、もし出くわしたときはキラーブロッカーのバリューを最大限に活かしたプレイができるようにしたいですね。
P.S.
最近GTOについて学び始めた段階かつコンボ数の数え方も慣れてないので間違ってるところがあれば教えていただけるとありがたいです。
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