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#6 小さい子どもが3人いながら複雑骨折してしまった私の3ヶ月入院日記/2日目その③


救急車で運ばれてから、そのまま入院することになり、そして二日連続で手術を終えた後に、「3ヶ月入院」「子ども達とは一切面会できない」と告げられ、頭の中が真っ白になっていた私。

手術の後、旦那さんとの面会が終わり、子ども達とそのことについて電話で話した後に訪れた一人の時間。
子ども達と電話をしていた時は子どもの前で取り乱してはいけないと冷静に努めて話していたが、一人になって手術という極度の緊張の糸が切れると、途端に「3ヶ月入院」そして「子ども達と一切面会無し」という重たい現実が実感として私に襲いかかってきた。
天井を見ながら、これからどうしよう…3ヶ月かぁ…長いなぁ…とただただ絶望的な気持ちになっていた。

長時間の手術で心身ともに疲れきり、術後はすぐに飲食が出来ないので体に力が入らない。
お腹は空いているんだろうけれど、いろんなことがこの二日でありすぎて、食欲という欲を忘れてしまったような感覚だった。

本当にここから3ヶ月の入院期間を私は乗り越えていけるのだろうか。
なんでこんなことになってしまったんだろうか。
私の何がいけなかったんだろうか。
ちょっとした不注意がなんでこんな大怪我になってしまったんだろうか。
なんて自分は不運なんだろうか。
時間をあの時まで巻き戻すことができたらどんなに幸せだろうか…などと頭の中で骨折の後悔や原因をぐるぐるぐるぐると考え巡っていた。

何周こんなことを考え続けた頃だっただろうか。
ふと、思った。
もうこれ以上考えてもしょうがない。
考えても後悔しても何も現実は変わらない。
いくら後悔しても反省しても時間を巻き戻すことはできないのだから、もう前を向くしない。
このままこんなことを考え続けながら、後悔しながら、自分を責めながら、3ヶ月の入院生活を過ごしていたら、私は気分が滅入って鬱になってしまう…と。
なんとか鬱にならずに、この3ヶ月を切り抜けるにはどうしたらいいのか。
どんな手がかりでもいい。
どうやったら自分の今の気持ちを切り替えることができるのかを考えようと思った。

その時、何かにすがる気持ちで手元に持参していた本の題名を眺めた。
それは、救急車を呼ぶ前に急いでバッグに詰め込んだ本だった。
こんなことになるとは全く思っていなかったけれど、なんとなく病院の待ち時間が長そうだと思って咄嗟にその時にたまたま図書館で借りていた本を詰め込んだのだ。
そこに『ピンチをチャンスに変える51の質問』の題名が。


その題名の文字、そして中身をペラペラめくって眺めながら、本当にそうだな…と段々と自分の気持ちが切り替わっていく感覚があった。

そうだ。今私は確かにピンチに立たされている。
でも、これは何か学びを得るチャンスなのではないか?
私の人生にとって、これから始まる3ヶ月の入院生活は何か必要不可欠なものをもたらしてくれるのではないか?と。
なんだかそう思って、なんなら、そう思い込むようにしたら気持ちが切り替わってきて、前向きに入院生活のスタートが切れそうな気持ちになっていた。

この2日間で私が何人にもかけてもらった言葉。
それは「まだまだ若い!」という言葉。
正直、最近の私は自分が若いという感覚がなくなっていた。
40歳を目前にして日々体力の低下を感じる毎日で、朝起きても疲れが取れないと思う日も多くなっていた。
実際、末っ子娘の幼稚園で出会うママさんは20代のママさんもいて、私はかなり年配の部類になってきていた。
年齢には逆らえないなぁ…なんて思うことも増えていた最近。
そんな「老化」のニ文字が頭をよぎっていた私に、たくさんの方からもう一生分の「若い!」という励ましの言葉を頂き、勇気が湧いてきた。
そうだ。もう40歳かと思ってここまで生きてきたけど、まだ40歳!
まだまだ出来ることはたくさんある!

入院中に何ができるか考えよう。
周りの人への感謝を忘れずに過ごそう。
まだ若いんだから、信じて、歩けるようになるまで頑張ろう。
絶対に足を治して、大好きなミシンを踏めるようになろう。
子ども達と行きたかった屋久島に行ける位に足を治そう。
不幸中の幸いで、頭も全然打ってないし、手も大丈夫。
足以外は元気だし、交通事故にあったわけでもない。
子ども達は元気だし、それは本当に良かった。
絶対に足を治そう!と。
やっと前向きなことを考えられるようになってきていた。

ピンチをチャンスに変えるってどういうことだろう?
今の私に何が出来るのだろう。
その時に考えて思い付いたのが、毎日を記録しようということだった。
3ヶ月もあるのだから、この長い日々を忘れないように、毎日を大切に過ごせるようにしたい。
何を学べるのか分からないけれど、とにかく記録に残しておこうと思い立った。
そういうわけで、入院2日目から、この日記が始まったのだった。


現在は退院して、リハビリしながら、日常生活を目指して筋力アップに日々取り組んでいます。
あと一年はかかると言われていますが、趣味だった子ども達との山登りも再開したい!
この日記は、実際に3ヶ月の入院期間中に毎日その日に私が記していた日記を退院後に少し加筆して、まとめたものです。

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