元気なうちに

朝に絨毯で伸びをしているときにふと思いたって、ジョギングコースの目標を実家にした。

もう『今日は仕事休も』と思った。

強迫観念で、先に先にと仕事を片付けようとしてたけど、ちょっと立ち止まった瞬間だ。

朝は頭がリセットされた状態なので、自分に難しい問いかけも出来ると思う。

どう生きていきたいか？という抽象的な問いをまあ、最近はよくするのだけど(笑)

それに対して『認められたい』という観念が漠然と出てくるものの、そこからどうしたいのかが深掘りできなかった。

自分のそんな状態に
んー、これは両親が関わっているのかしら？
と疑問をもった。


両親はふたり揃って強烈な宗教的選民思想があって、それって、強烈な『認められたい』ではないのかと私には思えるからだ。

私のもつ『認められたい』もそこに重なる？
そう思った。

どうして両親はあんなに明確に『自分たちは重要な使命を持っている。それがいずれ明らかになる』と思っているんだろう？

神に親に世間に『認められたい』というエネルギーなんじゃないのかな？

そのエネルギーを私もどこか複写してるのかな？

本人達に訊いてみよ！
と思った。

ふたりはまだ生きてるし、私はいつでも直接きくことが出来るのだ。

自己主張が強いタイプではなく、人格的に穏やかな両親が揃ってバッリバリの選民思想を持っていることに、私は納得いかない気持ちを抱えていながら(キリスト教を筆頭として、宗教ってものは選民思想的なものなのでしょうか？)

これまでは『訊いてはいけないこと、ムダなこと』とタブー視してあきらめていた。


子供の目から見ても宗教的な思想というのは、コンクリートで出来た建造物のように、どうやっても動かないそこにあるもの、という印象だった。


父も母も、ともに親の云うことを受け入れることが最善(白か黒かでいえば真っ白！)という考えのもと、両祖父母から疑うことなく受け継いだ絶対的な信仰でお見合い結婚をして、私は生まれている。


私は両親やその祖父母の信仰の一部分に対して、もう小学生の頃からぜったい納得いかない！と批判的な思いがあったけれど、その反発は当たり前に胸のなかにしまわれていた。

子供ってけなげだ。
親の批判なんて本当にしたくないのだ。

子供は親を幸せにしたくてしょうがない。
幸せに出来ないと、申し訳なさがつのる。

親が辛そうにしていると(その理由が全く関係ないことでも)、自分の罪として背負ってしまうのが子供だ。

親を幸せに出来なかった自分、というところから『原罪』的な罪悪感を、生きることに背負ってしまうんじゃないのかな私たちは。と思う。

親が笑顔でいることが、本当に子供には大切なんだと思っている。

いまの私は少し、タブーがら距離を置けるようになった。

両親に直接きいてみよー！という気持ちにすぐになった。

私が『まじで？なんで？』と思っている選民思想の部分について、両親がどういう考えなのかを聞いた事がないので、もしかすると私が『選民思想だあ』と間違って取っているのかもしれないし、私の想像を越えた思いがあるのかもしれない。

となりまちまで秋空のなかジョギングして行くと、両親はそろって外で芝生を刈っていた。

近隣周辺の草木の管理が自分たちの仕事だと思っている。

私を見て、作業を終え、片付けながらお喋りをする。もうふたりとも80歳を越えているので、とりあえず座っての一服が必要だ。
座って、なんやかんやとお喋りをする。

すると近所の人がやってきて、またお喋りをする。

そのうちに、私は手と足を蚊に数ヶ所噛まれて痒くてニコニコじっとしてられなくなった。

秋空を見て、ま、いっか
と思った。

自分が聞きたいと思って即行動できた事をヨシとしよう。

このまま85歳の父親がゆっくり家に帰っても、また一息つくまで時間がかかるだろう。もしかするとお風呂に入ったり寝たりするかもしれない。

私のややこしい疑問に答えるには、相当の暇がいるだろう。

私はまた、ジョギングして来ればいい。
２度３度とチャレンジして来ればいい。

いつでも、行って
話できるときに聞けばいい。
疑問は聞いてしまわなくちゃ。親子なんだから何でも聞けばいい。

弱ったら聞けないから。
元気なうちに。

帰るわーまたねー！と走り出した私に両親は笑顔で手を振っていた。

朝のジョギングをしだして四日目。
まあまあ続けれそうなので、ジョギングシューズ買った。