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カーペンターズの「クリスマスコレクション」をご紹介

今回の記事では、カーペンターズの「クリスマスコレクション」というCDを紹介します。この時期におすすめしたい、心弾む音楽がたくさん詰まったCDです。よかったら、チェックしてみてください。

はじめに

私がカーペンターズに出会ったのは、中学生の頃のこと。父親に何かおすすめの歌手はいないかと聞いたところ、カーペンターズのヴォーカルであるカレンの声がとても素晴らしいと思った、と話してくれました。

これがきっかけでカーペンターズのCDを買い、中学生~高校生にかけてずっと聞くようになりました。

カーペンターズについて

カーペンターズについては、歌詞カードを書かれている「小倉ゆう子」さんの解説を元に、紹介したいと思います。

兄妹のデュオ
カーペンターズは、兄のリチャード・カーペンターと妹のカレン・カーペンターが作ったグループです。1970年代前半を中心に「イエスタディ・ワンス・モア」「トップ・オブ・ザ・ワールド」「青春の輝き」など、数多くのヒット曲を世に出しました。

カーペンターズの音楽は、「エバーグリーン」と評されています。「永遠に色あせることのない緑」という表現は、このグループの特徴をとても上手に言い表していると思います。

カーペンターズの人気
ちなみに、3曲が全米ナンバーワン、11曲がミリオンセラーとなり、グラミー賞も3度獲得しているそうです。

日本での人気も高く、来日公演も行っています。3回目にあたる1974年春の東京公演は完全予約制で、3万枚のチケットに対してハガキで「38万通」の応募があったのだとか。ビートルズの時でさえ「20万通」だったそうなので、大変な人気ぶりがうかがえます。

残念ながらその後、1983年にカレンが32才の若さで亡くなったことで、カーペンターズは自然消滅してしまいました。

大リバイバル・ブーム
しかし1996年に、日本でカーペンターズの大リバイバル・ブームが起こります。発売された「青春の輝き~ベスト・オブ・カーペンターズ」が、当時200万枚を超える大ヒットを記録したのです。

こうした流れのなかで、「クリスマスコレクション」も制作されました。

「クリスマスコレクション」

クリスマスコレクション

「クリスマスコレクション」は、2枚組みのCDです。1枚目は、1978年に発表された「クリスマスポートレイト」というアルバム。

2枚目は、カレンが亡くなった後、クリスマスポートレイトに収まりきらなかった音源を使って作られた、1984年発表のアルバム「オールド・ファッション・ド・クリスマス」です。

「クリスマスポートレイト」の方はカレンの歌が満載ですが、「オールド・ファッション・ド・クリスマス」の方はカレンの歌が少なく、楽曲の演奏が多い印象です。

クリスマスについて

さて、日本で「クリスマス」というと、恋愛やプレゼントのイメージが強い印象があります。宗教的な行事であることは知っていても、楽しいイベントの一つと考えている人も多いのではないでしょうか。

クリスマスについては、玉村豊男さんの「健全なる美食」という本に書かれていた内容が印象に残っています。

健全なる美食

玉村さんはエッセイストであり、かつ長野県東御市で、カフェやワイナリーが併設された「ヴィラデスト」も運営されています。

玉村さんについては以前、「料理」に関するおすすめ本をご紹介という記事を書きました。

この「健全なる美食」という本では、写真付きで様々な料理が紹介されており、その中にクリスマスについて書かれた箇所があります。

本によると、クリスマスは本来、北ヨーロッパ各地に伝わる冬至のお祭りだそうです。ヨーロッパの冬は長く暗いといわれます。緯度の高い地方では、日、一日と昼が短くなり、太陽が見られる時間が少なくなります。

本では、

もうこのまま永遠に太陽が姿を見せなくなってしまうのではと、人々は不安な思いを抱いたに違いない。

と述べられていました。

そうして冬至を迎えるのですが、

その日(冬至)は一年で昼間がもっとも短い日であると同時に、その日を境に再び太陽が《復活》し、《再生》する新しい一年のスタートでもあるのである。
自然の恵みのおかげで、また次の一年も生き延びることができる。その感謝の心が、樹木への信仰や、子供の生誕(人類の再生)などさまざまな思いと結びつき、宗教的儀式へとまとめられていったものがクリスマスなのである。

クリスマスの曲からは「喜び」「感謝」といったイメージが伝わってきますが、こうした背景を知ると納得できるように思います。

3曲をご紹介

それではYoutubeの音源を借りて、「クリスマスポートレイト」の中から3曲を紹介します。

◎楽しいそり遊び(Sleigh Ride)

クリスマスでは、おなじみの曲です。最初はゆっくり始まりますが、途中からアップテンポになり賑やかになります。カレンが楽しそうに歌っているのが伝わって来ます。

◎サンタが街にやってくる(Santa Claus is Comin' To Town)

こちらも、おなじみの曲です。「クリスマスポートレート」では、アップテンポで短いバージョン(1分ほど)が収録されています。「オールド・ファッション・ド・クリスマス」にも同じ曲がありますが、こちらはスローテンポでムーディーな曲調になっており、フルバージョンが収録されています。

◎メリー・クリスマス・ダーリン(Merry Christmas Darling)

この曲は隠れた名曲といわれていて、カーペンターズ初のオリジナルクリスマスソングです。作曲は、兄のリチャードが担当しています。大人なメロディが印象的です。

「クリスマスコレクション」のご紹介でした

特に「クリスマスポートレイト」の、オープニング~「クリスマス・ワルツ」につながる部分は、構成や編曲が素敵だと思います。

リチャードの少し厳かなコーラスで始まって、クリスマスのいろいろな楽曲が短い演奏で続いていきます。そして最後の曲をストリングス(弦楽器)で引っ張ったまま、カレンが歌う「クリスマス・ワルツ」につながり、一気にクリスマスの雰囲気を味わえるという構成です。

とても楽しく心弾む曲がいっぱいなので、よかったら聞いてみてください!

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