せっかくだから今書こうと思った、コロナウイルス騒動下で感じている、腸内フローラと華厳経と「生き物の枠組み」の話。


コロナウイルス、大変ですね。

また22時までの休業要請ですって。昨日の夜は、また街が死んだようでした。政府・自治体、特に我が東京都、世田谷区の謎の対応には非科学的すぎて一言どころか二言三事四事言いたいことありますけどそれは置いておいて。


こんなに連日メディアで取り上げられていますが、ずっと気になってることがあります。

ウイルスって実は生物なのか生物ではないのかわかっていないということ。

いや、決着はついているんですよ生物ではないと。ただ生物じゃないけどDNAも受け継がれるし、種(しゅ)もあるんですって。種というのはCOVID-19とか、インフルエンザ何型とか、そういうやつですね。


は?って思いませんか。

生き物じゃないのに、種はある。

モノに種はないわけです。大谷石を大谷石の種とは呼ばないですね。

じゃあ、生き物って何?


まず個体レベルで考えると、科学的には自己複製の可否が生物・非生物の境界線です。自分で細胞分裂できるかどうかってことですね。

ま、それはいいですわ、定義なんで。

でも細胞分裂できないから「命」ではないと言うことはできるのですかね?

だってDNAだってあるんですよ。


種のレベルで考えると、今、日本だけでなくイタリアの事例なんかも踏まえて、例のやつ、弱毒化しているのではないかと言われています。おそらく、スペイン風邪の事例なんかを見てもきっと弱毒化し、世界に定着していく、いわゆるウィズコロナ時代への備えって、何も人間側の対応だけじゃなくてウイルス側もやってるんですね。

それはランダムな生存と絶滅を繰り替えす進化の過程にあるだけだからウイルス側に意思はないよ、という考えにも納得です。

でも、人間の進化だって意思は介在しない偶然の積み重ねです。人間と何が違うんですか?



私は不真面目な学生でしたけれど、学生時代に勉強してよかったなと思う人にグレゴリー・ベイトソンという思想家がいます。学者ですけど異端扱いされているようなので、まあ、思想家ですかね。毀誉褒貶の多い方ですが、私的には人類の知性にとって「アナロジーが大事」って主張した人だと理解していいて、そこにすごく共感しています。アナロジーというは純にアート的思考ですね。「似てるな」という感覚。

「似てるな」という直感を大切にしなさいと。それが理性思考と感性思考のギャップを埋める思考法であると。


で、思い出したのは「腸内フローラ」という言葉。人間の腸内の菌やウイルスが人間の健康にとっていい状態になっていること。食物繊維は人間にはまったく栄養価のないものですが、腸内の細菌・ウイルスが食物繊維を食べることでホルモンが分泌され、人間の健康を維持する上で重要な機能を果たしているそうです。

つまり人間は、体内に細菌・ウイルスを飼っていて共存している。

でも仮にウイルスが生物じゃないとしたら、腸内細菌は人間の一部と考えた方が自然です。(面倒なので細菌とウイルスの違いはちょっとおいておきます。腸内にはどっちもたくさんいるようです。)


ウイルスはウイルスであるけれども、人間の一部である。


ベイトソンの考え方をまた参考にして、この関係のレイヤーが他にもあるだろうと探してみると、これって人間と地球の関係にも似ています。


人間は人間であるけれども、地球の一部である。


人間も地球にくっついたウイルスみたいなもので、増えすぎて宿主を攻撃したりする。でも宿主はすごく強いので、死にません。そもそも生き物じゃないし。ただ免疫作用のように様々な変化が訪れ、人間というウイルスにとってみると住みにくい環境になってしまう。だから人間自ら”弱毒化”して生き残ろうとしたりする。今、コロナウイルスがやってることと似てますよね。



ひとつの毛穴に仏国土を見、ひとつの塵に仏国土を見るという華厳の教え。

そういえば腸内フローラって、いろいろな腸内細菌がいい具合に集まってお花畑のように見えるからそういうらしいんですよね。

自分の腸内の中に、雑華厳浄の無限の世界が広がっている。そんな想像もできます。

私はそこでうごめく一輪一輪の何かを生き物ではないと言い切ることはできないし、それらを宿した一個の個体を単純にひとつの生命体と断ずることも難しいと思います。


人間はひとつの生き物であり、ひとつの自我があると考えないと、不都合なことが多いからそうしていますけど、実はそれって1+1は2であると決めたくらいの決め事にすぎないのであって、決めた真実でしかない。

生き物という枠組みは実に、不確かなものなんですよね。


ウイルスのこと考えているとほんとそう思うし、雑華厳浄のありのままを受け入れるといういことは、便宜的な線引きを真実と取り違えるなということも言ってるんじゃないかと思います。昔の人の知の集成は本当にすごいですね。


いや、ほんとどうでもいい話でした。

とりあえず、はやく騒動が収まることを願いまして。

東大寺にお参りしたいなあ。。。

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