三浦瑠麗×津田大介×東浩紀「日本の未来とポピュリズム」by ゲンロンカフェ
本日行って来ました。意外に東氏は三浦氏とは初対面とのことで、いつものようにワインが回るまではやや緊張な面持ちでした。
19:00〜23:30の長丁場でしたので、ご興味の向きはニコ生でどうぞ。
ともかくポジショントークで偏りがちな朝生と違い、今回は司会を津田大介氏が務め、内容は国際政治学者の見地から最近の話題に関連しポピュリズムを縦横無尽に語られました。
全て率直な議論でしたのでTVでは流せないですね(汗
多岐にわたる議論の中で一点だけ、三浦瑠麗氏の発言で印象に残ったものを取りあげると、日本国憲法第9条については2項の削除が望ましいとのこと。そもそも条文はこうです。
1.日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2.前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
ところが憲法前文はこうあります。
日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。
これを咀嚼すると2項の削除が腑に落ちる。ちなみに1項は国連憲章第2条4項と同じです。
4.すべての加盟国は、その国際関係において、武力による威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎まなければならない。
実はこの考え方は新進党〜自由党時代、小沢一郎が掲げた外交安全保障観と一致している。実は小沢一郎氏は腹心である元国連職員、東祥三氏の外交安全保障観を採用していた。ところが残念ながら現在ではリベラル政治家のような外交安全保障観に堕しています。
難しいのは集団的自衛権を論じる際に国連憲章を持ち出すと『国際基準』に揃えることとなり『集団安全保障』まで踏み込む理屈が成り立ちます。
ところが今年3月に施行された『安全保障関連法』では個別的自衛権の延長で集団的自衛権をカバーする内容に留めている点には感心しました。公明党が主導らしいですが、自民党(国民安保法制懇)がよくこれで同意したものだなあと。
ゲンロンカフェでの三浦瑠麗氏、今後も参加されるとのことで、目が離せません。自分的には『神回』でしたよ。
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