案外合理的に思える私の「アナログレコードの音質の良さ」の理屈
近年メディアで「アナログ(塩ビ盤)レコードが見直されている」との記事を見かけるようになった。
私はそれには懐疑的で、それほどまともには信じていない。
理由はアナログレコードを楽しむには手間がかかりすぎるし、スクラッチノイズもあり、一旦デジタル音源に馴染んだ層がそう簡単にアナログ領域へ「新たに増える」とは思えないから。
また「Waltz」のように、ヴィンテージカセットの専門店も話題になる中で、アラフォー・アラフィフさんが「自分たちの時代が戻ってきた」かのように錯覚する気持ちを理解できなくもないが、そんなはずもなく、多分にマーケティングとして、現在最も趣味にお金をかける年齢層が40~50才代であり、そこをあからさまに狙っている印象がある。
さて、本題だが、「デジタルよりアナログレコードのほうが音が良い」という議論に関して私は明快に「当然」と思っている。専門的な話ではない。ごく合理的な考えに過ぎない。
それは蓄音機に立ち返るとわかりやすい。
そもそも「音楽」はほとんど楽器を使う。弦楽器、打楽器、管楽器など、これらは総じて「人間の力で叩いたり振動させるアクション」で音を出している(この場合デジタルシンセの類は外す)。
コンサートでは基本的にこれらの仕組みから出る音を、電気的に増幅をしている。人間のヴォーカルもやはり喉の筋肉を振動させて歌っている。
ひるがえって、アナログレコードは音を溝に切ることで記録し、それを針でなぞり「振動」としてピックアップしている。
つまり楽器が音を発生させる理屈と近い音の記録と取り出し方をしているのだ。このインプットからアウトプットまでの流れは実に理に適っている。
蓄音機などは電気的な増幅などせず、そのままホーンでストレートに音を拡大している。
単純に「振動を振動のまま記録し振動として取り出している」にすぎない。デジタルは音を一度エンコードする。こうなると一気に事は複雑になる。
ーー以上、こんなシンプルな考えから私はアナログレコードの音の良さをこのように納得している。
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