ロールの薄い本つくろ!
準備
必要なもの
やる気
お金(2~3万くらいは動かせる方がいい)
メールアドレス(フリーアドレスでOK)
原稿作成から入稿するための機器(スマホ、タブレット、PC、各アプリ)
あるといいもの
PC(作業が圧倒的に楽)
Pixivのプレミアムアカウント(小説の場合簡単にPDFにできる)
わからないことを聞く度胸(原稿で切羽詰まってなければたいていの先達が答えてくれます)
プリンター(試し刷り、クリックポストの伝票印刷などが家でできる)
近場にコンビニ
体力
原稿
原稿とは?
表紙(一般的に言う表紙+裏表紙)データ、本文データ
※本文には中表紙や奥付(発行者、発行日、印刷所、発行者の連絡先は最低限)を含む
原稿の作り方
最初にやっておくファイルの設定
・仕上がりサイズを決める
B5、A5、文庫など紙のサイズで入力
原寸サイズで入力
※表紙は表1と表4(表紙+裏表紙)で1つの横長のファイルなので、30~40ページを超える場合は背幅を含めて作成する
※表2、3は印刷がない場合は作成不要
※小説本文は右綴じ見開き設定にする
・解像度(漫画、イラスト、表紙)
フルカラー(表紙、カラーの扉絵) 350dpi
グレースケール(漫画本文、モノクロ本文) 600dpi
モノクロ2階調(漫画本文、モノクロ本文) 600~1200dpi
・塗り足し(裁ち落とし)
3~5mm、ページ設定に裁ち落とし幅がない場合は原寸サイズに足す
PDFで書き出すときに設定できる場合もあり
表紙などテンプレートが用意されている場合はトンボに従って原稿を作成すればOK
・ノンブルをつける
本文は1ページまたは3ページ開始が多い(表1を1ページ目、表2を2ページ目と数える)
ヘッダー/フッターで挿入、ノンブル設定で自動挿入など
印刷所によっては最小フォントサイズ指定があります
隠しノンブルは位置に注意
・段組みを決める(小説)
一般的に文庫(A6)だと1段、B6やA5や新書などだと2段
だけど好みで決めてOKです
どんなもんかわからなければ1~2ページ印刷して見比べて、自分が読みやすいと思うレイアウトを探してください
文字数が多すぎると読むのが大変です
よくある設定
文庫(A6)
1段組
文字サイズ:7~9pt(10~12Q)
行数:15~20
文字数:38~42
例:
A5
2段組み
文字サイズ:8~10pt(11~15Q)
行数:20~25
文字数:20~25
例:
※ページ数が多い場合はノド(とじしろ)を広めに取る必要があります。文庫サイズ200ページ以上でとじしろ15~20mmくらいあると開いたときにストレスなく読めます。本のサイズが小さいほど開きにくくなるので、多めに取ったほうが読みやすいです。参考には市販の文庫本で測ってみてください
※縦書きなので、数字は漢数字を使用するのが無難。英数字は全角大文字にすると縦になり、半角だと横に倒れます。
ツイッターの集合知
#皆さんの文庫本設定を教えてください
#皆さんのA5本小説設定を教えてください
準備ができたら…
1. 中身を書く
2. 中身ができたら指定の形式で保存、書き出しをする
入稿するファイルは表紙、本文データは、それぞれ指定された形式(拡張子)で保存されていなければならない
→データの種類、使用するアプリ、ソフトによって異なる
→印刷所の「原稿作成」のページで指定されている
ホープツーワン
STARBOOKS https://www.starbooks.jp/manual/iroha.php
プリントオン https://www.print-on.jp/doujin/company/order/deta.htm
BRO’S
などなど
→大抵のところで受け付けてくれる保存形式
漫画、イラスト、表紙など画像データ .psd、.tif
小説本文 .pdf
印刷所ごとにちょこちょこ違うので、依頼するところが決まったら目を通しましょう
ファイル名はページ番号(本文のノンブル)に合わせる
3. データが揃っているか確認
(参考:小説原稿の入稿フォルダの中身)
4. フォルダをzipに圧縮
スケジュール
一冊分の原稿を仕上げるにはどれくらいの時間がかかるのか?
自分の作業ペースから逆算しノルマを決めます
※段組み、個人によって差があります
※初めて本を作る人はまず試し作業をしてペースを把握してみる
漫画原稿
プロットを立てた時点でページ数が決まる
1ページ作成するのに必要な時間×ページ数
+他作業(表紙作成、内容の修正など)
小説原稿
書き終わるまでページ数は決まらないことがほとんど
一日で何文字くらい書けるか?
3000字くらいなら…という人であれば、10日毎日書いて約3万字、A5サイズで30~40ページの本になります
誤字脱字の修正には1日は取ることをおすすめ
+表紙作成
自分が想定するより絶対に時間がかかるので、余裕を持って作業に取り掛かってね
スマホだけで原稿を作るには?(小説版)
用意する原稿の条件は同じ。必要なのは表紙データ(画像)と本文データ(PDF)
入稿可能な印刷所
ねこのしっぽ、栄光、サンライズ、緑陽社、ホープツーワンなど
本文をPDF出力する
・縦式(iOS)
先達の知恵note https://note.com/frogfrogfrosch/n/n3a5f4e7b0195
・pixiv(プレミアムの機能)
「PDFに変換」でサイズ、段組み、文字サイズなど設定可能。字下げやルビなどは本文に入れた通りのものが反映されます
・TATEditter(iOS、Android)
https://tateditor.app/
・シケメンプリントのPDFメーカー
https://shimeken.com/
表紙作成
・アイビスペイント
https://ibispaint.com/
・Canva
https://www.canva.com/ja_jp/create/doujinshi-cover/
・メディバンペイント
https://medibangpaint.com/
・有料で依頼
SUKIMAやBooth、twitterで「同人誌 表紙 デザイン」探して依頼
3000~10000円くらい
他にも手段はあるのでGoogleなどで検索してみてください
原稿ファイルをzipに圧縮
iOS13以降はアプリ不要
Androidはアプリが必要
印刷所
選ぶための要素
・納期(締め切り)
納品日が日曜日の場合、前の週の月~水くらいに通常締め切りが来ることが多い
加工、早割によってどんどん締め切りは前倒しされる
・印刷料金
はやく入稿すれば安くなる
・可能な仕様(紙の種類、加工など)
本文用紙の選び方
・色
小説:
1ページを長く見る分、クリーム系のほうが目の負担が少ない
淡クリームキンマリ、書籍用紙など
漫画:
コミック紙やラフ紙など、色はそこまで気にしなくて問題ない
本のコンセプトで薄く色がついている紙を選ぶのもアリ
小説本でクラフト紙はめちゃくちゃ読みにくいのでおすすめできません
・厚さ
文庫サイズ:
ページ数に関わらず62kg以下がおすすめ 悪いことはいわんので薄くてめくりやすい紙を選んでほしい
淡クリームキンマリ62kg、美弾紙ノヴェルズ63kgなど
300~400ページになるなら55kg前後の紙でもいいが、扱っている印刷所が少ない
A5,B6サイズ以上:
50ページを超えるなら70kgくらいまでで収めておいたほうが読みやすい
書籍紙72.5kg、淡クリームキンマリ62kg、70kgなど
装丁
装丁とは
本のカバー、表紙、扉、帯のデザインすること。特に本の外側(表紙)デザインのこと。
やること
・ざっくりしたデザインを決める
話の内容からイメージを決める、モチーフを考える
デザイナーさんに依頼するのもあり
同人誌デザインチュートリアル(てんぱる様)
・素材を見つける
Pixivなどの無料素材を集める、Boothやpixiaなどの有料素材を購入、表紙メーカーを使うなど、活かすも殺すもセンス次第
※有料素材のサンプルをDLして使用するのはNG※
Unsplash(無料) https://unsplash.com/ja
写真AC(無料) https://www.photo-ac.com/
同人誌表紙メーカー
同人誌表紙テンプレート込セミオーダー(しまや出版)
など
・タイトルのフォントを見つける
フリーフォント検索サイト
FONT FREE https://fontfree.me/
FREEフォントケンサク https://cute-freefont.flop.jp/
フリーフォント、有料フォントいろいろあります
フォント比較サイト
Wordmark https://wordmark.it/
ためしがき
・紙や加工を決める
キラキラした紙?ザラザラした紙?PP加工(ツルツルorしっとり)?箔押しなど
紙の種類によっては取り寄せになる場合があるため、決めたら早めに問い合わせを!
入稿
準備
表紙
□解像度350dpi
□レイヤーはすべて統合した
□トンボと断裁の位置(塗り足し)に問題ない、文字切れなし
□表紙印刷見本のJPGやPNGファイルがあるとなおよし
本文
□モノクロなら解像度600dpi以上
□レイヤーはすべて統合した
□ページに抜けはない
□ページの順番は正しい
□ノンブルが入っている
□PDFファイルはフォントがすべて埋め込まれている(プロパティで確認)
□Wordで作成したファイルは特殊フォントを使用していない
□奥付(発行者、印刷所、発行日、メールアドレスなどの連絡先)を入れた
□ファイル名はページ番号と同じになっている
□誤字脱字はなるべく殺せ
全般
□データをzip形式などに圧縮した
□ネットワークの環境が整っている
□すべてのデータのバックアップを取った
部数
正直読めない
原稿がある程度できてきたらアンケートを取るのをおすすめ
・ツイッターのアンケート機能
・Googleフォーム
など
入稿までの目処がついたところで書店に申請+予約開始、自家通販なら購入希望ボタンを押してもらって部数の目安をつけるのもアリ
予約数+αで印刷所に発注できるし、書店委託であれば追納の申請できる
※※※全然原稿ができてないのに予約を始めるのはNG※※※
人生なにがあるかわからないからね 沼は突然現れるからね
投票(予約)数よりちょっと多めに刷っておくとあとで慌てずにすみます
お財布と保管場所と相談して決めてOKです
足りなかったからといって再版は必須ではないので、やれる範囲でやりましょう
余ったら焚き火しよ
GO!
印刷所にマイページがあれば登録
連絡先、納品先、仕様などを入力する
納品先は<自宅 / イベント開場 / 通販書店>が選択可能。基本2箇所目以降は有料
仕様であらかじめ加工について(取り寄せの紙、オプションの詳細など)を相談している場合は、備考に書いておく
見積もりを取っていたら番号を記入する
カード決済、銀行振込など入金手段も用意しておく
通販
書店委託
とらのあな、フロマージュ
メリット
本を送ってしまえば予約、販売手続き、梱包、発送、在庫管理をすべてやってくれる
デメリット
本の価格が高くなる、または手元に戻ってくるお金が減る(掛け率70%くらい)
送ってから倉庫に入るまで、またトラブル時の対応に時間がかかる
掛け率ってなに?
書店委託は「同人誌を、同人誌を販売している書店に卸して代理販売してもらう」ことです
なので、販売時には書店にマージンが入るようになっています
イベント頒布価格と同程度の金額戻ってきてほしい場合は、卸値を上げる必要があります
計算式
販売希望価格=卸値÷掛け率
卸値:書き手に入る本の代金
掛け率:販売希望価格(書店で表示される金額)に対する仕入れ価格(卸値)の比率
例:
イベント頒布価格500円の場合
卸値=500円
書店での販売価格(税抜)=500円(卸値)÷0.7(掛け率)=715円
価格設定のシミュレータ(とらのあな)
→どうやるの?
1. 各書店のサークル用アカウントを取得
2. サークルポータルで委託したい本を申請(新刊登録)、数日かかる
作品情報(タイトル、カップリング、発行日、サイズ、発行部数、希望納品部数、事前予約の有無など)
3. 書店から納品部数の返信がくる
4. 本を送る
自家通販
Booth(自宅発送/倉庫発送)、ピクスペ、ピコ通販など
・メリット
自分のペースでやれる
梱包に凝れる
配送方法が自由に決められる(匿名配送、クリックポスト等)
・デメリット
要在庫管理能力
部数や本の種類が多いと梱包と発送が大変
送り終わるまで在庫が場所を取る
→どうやるの?
自宅発送
1. 各サービスのアカウント取得
匿名配送か普通に発送(送料設定がいる)はここで設定
2. 本を登録(タイトル、サンプル、サイズ、ページ数、価格)
3. 注文が来たら梱包して発送
4. 発送通知送信
倉庫発送(匿名配送)
1. 各サービスのアカウント取得
2. 本を登録
3. 委託する部数を入力
4. 倉庫に発送
Booth:梱包不要、だけどOPP袋などで梱包して送ると入庫がはやくなるかも
ピクスペ、ピコ通販:注文IDごとに梱包、注文番号を表に記載する
5. 発送通知送信
・必要なもの
OPP袋(水濡れ防止)
封筒(茶封筒、クッション付き封筒など)
折れ防止のための厚紙(50ページくらいあるとまあ折れない)
印刷できる環境(クリックポストは自分で伝票を印刷)
ファミマかヤマト集配所(Boothの匿名配送は現地でバーコード印刷)
※Boothは手数料がかかる(サークル負担)
その分頒布価格に上乗せしても、書店委託よりはほとんどの場合で安くなるBooth利益計算サイト
頒布価格
無理ない範囲で決めましょう
印刷料金÷部数、端数切り上げなど
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