見出し画像

ライブ「fripSide 20th Anniversary Festival 2023 -All Phases Assembled-」の備忘録① hurting heart

 2024年をカウントダウンライブで迎え、間にIR2東京公演を経て、1/8に「fripSide 20th Anniversary Festival 2023 -All Phases Assembled-」(以下20thフェス)に向かうなどして、fripSide三昧な新年を過ごした。
 新年の3公演はどれも素晴らしかったが、特に20thフェスは、いままで観たfripSideのライブのなかで、間違いなく最高であった。

 そしてこの記事の投稿時点で、20thフェスから既に2週間近くが経つというのだから、時の流れのはやさに驚かざるを得ない。

 時の流れのはやさと、自分の記憶力のなさと、感動を共有する友人のなさ。それらに抗うために、20thライブの感想を、noteに少しずつ書き留めていくことにした。

 開幕のインストは「hurting heart -nao piano arrange-」 だった。『crossroads』以前で最も好きなアルバムが『binarydigit』な僕は、あのピアノの音が聞こえると、「そうきたか~」という感慨とともに、顔の笑みを抑えられなかった。

 この曲が流れている間でもっとも印象に残っているのは、スクリーンに映し出された映像だ。針が回る懐中時計の盤面には、原子力発電所と思われる建物や、マスクをした女性、コロナ関係のニュースを映す街の大型ビジョンなど、昨今の世間の不安定さのイメージが映された。

 思い返してみると、2020年以降の八木沼さんには、世相を憂いつつも「前を向いて生きていこう」と伝える場面がいくつかあった。『dual existence』のc/w曲「Reason to be here」には、コロナで先行きの見えないことへの不安はあるけれど、いままで日々を積み重ねて今日まで来れているのだから、希望を持ってあるがままに明日を迎えよう、というメッセージがあった。『legendary future』のc/w曲「a new day will come」もまた、アフターコロナの在り方を描いた曲だという。

 fripSideは厳しいコロナ禍を過ごしたのだと思う。IS5のライブツアーは3公演が中止となった。八木沼さんの「コロナ禍でのレコーディングは難しい」というインタビューへの回答がいくつかあった記憶がある。南條さんの卒業公演も、声出しが叶わなかった。
 今回の20thフェスに関しても、コロナが原因でいちど延期になっている。しかしそれでも、2024/1/8、ついに公演が実施された。

 心が折れそうになるような場面はいくつかあった。そしてファン各々も多かれ少なかれ、悲しみを抱えてきたのであろう。それでもfripSideはファンとともに21年間、確かな旋律を奏でることが出来た。
 20thフェスの冒頭に、「hurting heart」のメロディとともに流れた、あの映像には、八木沼さんのそのような思いが込められていたのではないか。そう思ってしまうのは、大袈裟であろうか。

 実際のところ、コロナ禍も悪いことばかりではなかった。今回のライブもコロナが原因でいちど延期こそした。しかしatsukoさんの言ったとおり、20thフェスの代替公演日が「成人の日」に開催されることとなり、非常に「持っている」結果となった。八木沼さんも「Red Liberation」のセトリ入りをはじめ、よりよい演出にできたと、MCやFCダイヤリーで言っていた。
 僕も去年の20thフェスのチケット争奪戦に一度は敗れたものの、延期のおかげで会場が大きくなり、今回この素晴らしい公演を観に行くことができた。この感動を得ることができたのは、コロナ禍の時代をも駆け抜けてくれた、fripSideあってのものだ。

 あなたfripSideの存在は、強い力になる──
 これからもfripSideを応援し続けようと思う僕なのであった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?