2023.8.10-11 day.1 上高地バスセンター〜西岳ヒュッテ ダイヤモンド槍ヶ岳
上高地バスターミナル 7:33
明神館 8:03
徳沢園 8:35 発8:45
横尾山荘 9:25
槍沢ロッジ 10:25 10:48発
大曲 11:28
水俣乗越 12:20 12:35発
西岳ヒュッテ 13:20
前々から行ってみたかったのだがなかなか行く機会がなかった西岳に行った。もう2ヶ月も前の話。
西岳という場所は、東鎌尾根の途中。大天井岳寄りのところにあり、これまで何度が通過はしたが、工程上、幕営地にするには中途半端な場所だった。
ただ前(どっちが前かはさておき)を見れば槍ヶ岳から大キレットと北穂高岳、後ろを見れば大天井岳、常念岳、蝶ヶ岳を有する山並みが見える素晴らしい場所。行かないと選択肢はないし、どうしようかと考えあぐねていた。
じゃここを目的地とすればいいのでは?という考えに落ち着いた。とても単純な判断だった。
今年こそは夏休みを取るつもりだったが、6月末あたりから怪しい雰囲気あり、今年も大きく取ることができなかった。ここ何年か長い夏休みがない。
とはいえ、会社の一斉休暇日もあり堂々の5連休は取れた。まぁ十分か。
8/10は世の中的には平日のため、狙うならここと決めた。
日が近づくにつれて気になる天気予報もいい方向に向かっているよう。舞台は揃った。
ここ最近はファストパッキングのテイストだけ使って、カメラを持って、目的地に向かうスタイルが自分の中で整いつつある。
なので行動時間もせいぜい7時間くらい。目的地でゆっくりしたいのだ。なんせしんどいことは好まない性格。
あとカメラが楽しい。
久しぶりに1人、車で移動。
今回はそこまで眠たくならなかったな。ガムを噛みまくったのが功を奏したか。おかげで数日顎がだるかった。
久しぶりの1人の車移動、久しぶりのあかんだなからのバス、久しぶりの上高地。なんだかこれだけで心躍った。
西岳まで、楽しむことなくただひたすら進むことを決めていた。
上高地バスセンターから横尾までは相変わらず淡々と長い。いきなり眠気が来て、ぼーっとしながら進む。
ただこのぼーっが要注意で、過去何度か捻挫をしているが、大体平地での出来事。油断は禁物。
なんだかんだで横尾まではまぁまぁの時間で着いた。そしてまぁまぁ疲れた。最近長い時間を詰めて行動することをしてなかったので、それがたたったか?
ここから槍沢方面へ。
序盤は川沿いのため緩やかに登っていく。
槍沢ロッジ手前から川から離れて行き、次第に傾斜の角度を上げていく。
槍沢ロッジでは生ビールというキーワードにやられそうになったが、ここまでいいペースで来ているので軽く休んで進むことにした。
大曲まできた。
ここからの直登ルートは初めてだ。
見上げたらなかなかの角度。「シャッ!」と呟く。
大曲から水俣乗越までのルート、直近で草を刈ってくださっていて、ルート見落としもなく進むことができた。本当にありがたいことだ。
とはいえなかなかの急登。
しかもこの日はとても暑く、体力の消耗が早い。水は飲んでもすぐ汗として出ていってしまう。
ただこの急登で一緒だった人がいて、モチベーションを維持することができた。1人で辛い区間だった。
1時間ほどで水俣乗越。
ここは東鎌尾根の途中でもあり、北鎌尾根に向かう人が起点に向かって下っていくルートでもあるようだ。次の日に北鎌尾根アタックする方と話もできた。登り途中で会った方だった。とても楽しそうに話をされていたのが印象的だった。ここでは5人くらいの方と一緒だった。みなさん天気が最高なことにうれしそう。自分もその1人だが。
10分ほど休憩し出発。
ここからは登り基調。
とはいえ登りのほとんどがハシゴ。ハシゴって全身使うので結構疲れる。
ただ久しぶりのルートで疲れもある、が楽しくもあった。
振り返れば槍ヶ岳が目前だったのもその理由の一つだった。
1時間ほどで西岳ヒュッテに到着。
念願の西岳に泊まれる、テンションが高いのはいうまでもない。
受付を済まし、早速テン場へ。
想像以上の光景だった。
ただただ高まる。
本当に来てよかった。逆になんで今まで来なかったのか。。。(笑)
ビールを買ってダラダラする時間が始まった。
印象的だったのが体感温度。日向はあったかく、日陰は寒いくらい。気温計を見たら20度あたり。納得だったが、体感温度の感覚はいろんな要素があって勉強になるし、怖いとも思った。
隣のテントのおじさん、小屋泊まりの女性の方との話に花が咲き、楽しい時間だった。
おじさんは滋賀から。お仕事を定年退職されてから山を初めて2年目。かなり山に行ってらっしゃるとのこと。
自分個人的な考えていうと、定年してから趣味を見つけて始めるのというのは懐疑的な見方をしている。やろうと思っても体力が伴わないことが多いからだ。ただこの方はその考えとは裏腹に、楽しんでいた。最後はやっぱりモチベーションなんだとも思った。それは若くても一緒。
とにかく話も楽しかった。楽しんでいる人の話は楽しい。武勇伝じゃないからだろうな。
そうこうしてたら山の日没の時間が近づいてきた。服を着込み、お楽しみと気温低下に備える。
日が落ちるにつれ、あることに気がついた。
太陽が槍ヶ岳あたりに沈もうとしていた。
同じのおじさんが「ダイヤモンド槍ヶ岳になるね」と言ってきた。槍ヶ岳と夕陽が撮れればいいなと考えていた自分としては心躍る言葉だった。
まさに「ダイヤモンド槍ヶ岳だと。。。」である。
次第にテンションが上がってきた。
その時が近いからだ。
最高の時間だった。
あとで写真を見直してみたら、とんでもないです枚数を撮っていた。それだけテンション上がっていたことがわかる。
充実の時間だった。あんな時間、早々にはないだろう。前も後ろも横も美しく、全方位気を抜けない。あっという間の時間だった。
そのうち、ガスが出始めた。
天気も良さそうで、星も見たかったが、このガスではなかなか見ることができなさそうだ。そのくらいの濃さになった。
諦めて、食事を済まし、シュラフにくるまった。夜半にガスが取れればいいな、そんなこと考えながら目を閉じた。