ヒナちゃんチェンジを読んだ感想※ネタバレ注意

 黛がプレゼンしてたヒナちゃんチェンジを読んでみたよ!丁寧な心理描写、読者の心に訴えかける絵の表現、難しい問題に対する著者なりの考え…素晴らしい作品を読めたなぁというのが第一の感想でした。黛のプレゼンした漫画のなかでまずこれに興味を持って(私自身がノンセクシュアルなのもあったからかな?)「君のおすすめなら!」と思い切って読んでみて良かった。

 レンくん視点の一部分にかなり共感できる部分があり、心に刺さりました。自分はおかしいのかな?と疑問を持ち、調べて自らの性を自覚する。それを否定したくて周りに合わせて関心を持ったフリをしてみる。異性と付き合ってみる。でも気持ち悪さに耐えられない。これは、めちゃくちゃわかります。お前は俺か?ただレンくんには成就したい想いがあり、チェンジという手段が目の前にあるという残酷な状況に置かれています。ごめんねレンくんわかった気になって。チェンジによってヒナちゃんが犠牲になることと、自分の気持ちを天秤にかけるのはどれだけ辛かったろうか…。うーんレンくんのことをゲス野郎と言うのは簡単ですがこの苦しみわかってあげたくなっちゃう。

 ヒナちゃん視点も、レンくんが好きという自分の気持ちを偽り続けて縋るようにチェンジをし続ける。一見いたいけだけれど歪んだヒナちゃんなりの愛と望み。ヒナちゃん自身にもいじめによる苦しみと生きづらさがあったわけで、レンくんのことを引き留められるチェンジは命綱だったんだろうなぁ。胸が締め付けられる。ヒナちゃんもレンくんのこと大好きだからチェンジした身体を使っていろいろして罪悪感にかられて…。うーんヒナちゃんのことクズ・ビッチって言うのは簡単ですがこの気持ちわかってあげたくなっちゃう。

 マコトくん。ヘテロな人がゲイを受け入れられないのって至極当然だと思うし、好みの女の子が誘ってきたら受け入れちゃうのも私は納得する。(でもここは貞操観念よりけりで賛否分かれそう)でも皆さん、その後ヒナちゃんがいじめられっ子と発覚して現場を見たとき怖そうないじめっ子から庇ってくれるんですよ?自分と別れたヒナちゃんが親友と付き合っていることを知った時、その幸せを願えるんですよ?かっこよくないですか?私は幸せになって欲しいと思いますね。

 読み終えて、普通じゃない自分が、自分を偽らず、自分の気持ちに後ろめたさを感じず、ありのままを生きていくこと。一見茨の道に見えてそれが一番生きやすいのかも知れないなぁと思いました。でもそのせいで周りにものすごく迷惑をかけてしまうのもなんだか考えものだなぁ。どうしたら皆が生きやすいのかなぁ。と考えさせられました。皆自分の境遇や性質とうまく付き合って暮らしていけたらいいよね。

 あと3巻に出てくる柴犬がめっちゃ可愛くて心惹かれました。かわいい!

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