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テクトロニクスで都市型河川のシーバス釣果を上乗せしよう

新進気鋭のドブ川アングラーが電話の向こうでこう言った。
「テクトロニクスで釣りました」と。

何のことはない、「テクトロニクス」とは「テクトロ」のことである。異常に耳障りが良かったため、それ以降、私もテクトロニクスと呼ぶようになった。

テクトロニクスは、都市型河川(※)での1釣行あたりの釣果を上乗せする手っ取り早い方法の一つです。
(※)隅田川・安治川・尻無川・木津川・湾奥運河等、3面護岸の水路

船がトローリングをするように、護岸に沿って歩きながらルアーを引っ張るだけ。

単純な釣法であるものの、
★一定のルアー潜航レンジを保って、シーバスの居着き場である護岸際を引ける★
という強力な利点から、特に初心者の方にとって、シーバスと出会うことができる最も簡単な方法の一つです。

この記事では、都市型河川での私的テクトロニクスについて紹介させていただきます。都市型河川専用であることにご留意ください。

なお、テクトロニクスは、実家のカレーと同じで人それぞれのやり方があります。私のやり方に関しては、東京・大阪・兵庫の都市型河川で釣果を出しているので、「チョコミント味のカレー」といったように、大筋が間違っているやり方ではないと思います。ご参考ください。

※※以降の文面では、面倒なのでテクトロと記載します。※※

1.どんな時にテクトロをするの?

▶ポイント間の移動でテクトロ
次の橋脚まで・次の障害物まで等、メインとなるポイント間の移動でテクトロを行います。

▶デイゲーム、ナイトゲームの両方でテクトロ
昼・夜両方で釣れます。特に、秋のハイシーズン時には、昼夜問わず、捕食のためにシーバスがべったりと護岸に定位していることが多々あります。その様なシーバスをテクトロで効率よく釣ることができます。

2.【昼夜共通】テクトロの基本作法

私がテクトロを行う際の基本動作を以下に記載します。以下①〜④の一連動作で常に気にしていることは、護岸際の魚に自分の存在を気づかせないようにすることです。

①キャスト
ルアーを護岸と平行に10m程度キャスト。もちろん、自分の進みたい方向とは逆方向にキャストします。

この際に厳守していることは
★水際近くに立たない★
です。

水際との距離については、キャストができるギリギリの距離を意識しています(1m以上は離れています)。護岸際の魚に自分の存在を気付かせないことは非常に重要です。

②ルアー着水後
ラインフリー状態(フェザリングは行っている)で5歩程度歩いて(早歩き)、ライン放出。

ルアー着水後にライン放出を止めて即歩きだす方もいらっしゃいます。ラインフリー状態のフォールでバイトが生じることもあるので、私の場合は、ルアー着水後にラインフリーで5歩程度歩くことにしています。

この際に注意していることは
★水際を歩かない★
です。

私の場合、水際からどれくらいの距離を保っているかと言いますと、
「護岸から水面にはみ出るロッドティップは3番ガイドまで」
という距離感を意識しています。

③護岸際をトレースするように歩く
重要なことは
★護岸のキワキワをトレースする★
です。

私の場合、「ルアーが護岸から30センチ以上離れない」ということを意識しながらルアーを引っ張っています。

つまり、②でも記載しましたが、「護岸から水面にはみ出るロッドティップは3番ガイドまで」という距離感を意識して歩いています。

なお、歩く速度は、
・ルアーの種類
・潮上に向かっているのか/潮下に向かっているのか
によって変わってきます。具体例を交えて、後述の「3.昼夜別のオススメルアーおよびテクトロ方法」で説明いたします。

④20メートル程度歩いたら回収
都市型河川には訳の分からないゴミが沢山浮遊しています。定期的にルアーにゴミが絡まっていないかを確認しましょう。私の場合は、20メートル程度歩いたら、立ち止まってリーリングを開始し、ルアーを回収しています。

以上が基本作法になります。次のメインポイントまで、上記の①〜④を繰り返します。

3.昼夜別のオススメルアーおよびテクトロ方法

上述の基本作法はあるものの、テクトロはただ歩いてルアーを引っ張るだけの釣法です。しかし、単純な釣法だからこそ、ルアーの性能が釣果に直結してきます。私の場合、普段使用するルアーにこだわりはありませんが、テクトロで使用する際のルアーは固定しています。

(1)デイゲームでのテクトロ

私の場合、日照によるシェードがある護岸でテクトロを行います。確実に、シェードがある側の護岸の方が魚影は濃いです。

【使用ルアー】
VJ16(コアマン社)、CD7(ラパラ社)、リアルスピン21g(ダイワ社)
この3つを使用しています。

・VJ16
説明いりますか?反則です(自虐)。
中層より上を意識している魚がいれば引きずり出してくれます。

川の流れと同じ方向にテクトロする場合は、護岸際を流れているゴミを目安にします。ゴミより少し速い程度の歩行速度(VJ16のアクションを少し感じる程度)でVJ16を引っ張ります。

川の流れに逆らってテクトロする場合は、ルアーが暴れすぎないようにゆっくり歩行します。

アルカリシャッドのカラーは
・茶系の濁り時:チャートベイト
・それ以外の時:シャローベイト
を使用しています。

・CD7
これも説明いりますか?反則です(自虐)。
私の場合、CD7は以下の写真のように、ラインアイを曲げて使用します。
ラインアイを左右どちらかに曲げて、護岸にぶつけながらテクトロします。

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めちゃくちゃ釣れます。クランクベイトのボトムコンタクトに似た効果があると思料します。特に、隅田川での釣果は目を見張るものがあります。

歩行速度については気にしなくていいです。とにかく、護岸にガツガツ当てることができているなら問題ありません。

カラーはシルバー系を使用しています。

(注意)イガイ・ムラサキガイ等が大量に生息している護岸の場合、秒でルアーロストするので、当釣法はお控えください。

・リアルスピン21g
ド日中はどうしても魚はボトムに定位しがちです。スピンテールはボトムに定位している魚の目の前をゆっくり通すことができ、かつフラッシング効果があるため、ド日中のデイゲームで非常に有効なルアーです。

ただ、一つ大きな問題が。

「糸がらみしやすい!!!(通称:エビる)」

その点、リアルスピン21gは非常に糸絡みトラブルが少ないため好んで使用しています。

歩行速度はVJ16と同じです。

カラーは
・茶系の濁り時:グリーンゴールド
・それ以外:モアザンイワシ
を使用しています。

(2)ナイトゲームでのテクトロ

ナイトゲームは(デイゲームと比して)表層を意識している魚も多いため、浅いレンジを引けるルアーも必要です。

▶使用ルアー
ソルティービーツ70(ラッキークラフト社)、RJ10(コアマン社)、CD7(ラパラ社)、ラッピングミノーsw(ノリーズ社)

・ソルティービーツ70
釣れすぎて衝撃を受けたルアーの一つです。ナイトゲームのテクトロ・壁打ちでは最強と断言できます。中層以上を意識している魚を根こそぎとれます。

川の流れに逆らうテクトロで使用します。川の流れと同じ方向に歩くテクトロでは使用しません。

動きは、川の流れを真正面から受けることで、常に不規則なアクション(S字アクション、Z字アクションが混合)を起こします。そのアクションにシーバスはたまらずバイトしてきます。

歩行速度は極めてスロー。日本古謡の「さくらさくら」のリズムで歩いてください。

流れに逆らって一生懸命泳いでるけど泳ぎきれていない(漂っているだけのような)ベイトを演出できます。

・RJ10
秋に向けてチャートベイトカラーのRJ10を買うんだ!!
RJ10の特徴は、水平姿勢・強めのロールアクション・レンジキープ◎です。その特徴から、河川のナイトゲームにおいては、VJ16よりRJ10の方が数倍釣れます。

川の流れと同じ方向にテクトロする場合は、ラインが少し張る程度の歩行速度をキープしてください。

川の流れに逆らってテクトロする場合は、ソルティービーツと同様に「さくらさくら」のリズムで歩いてください。

(注意)替えのダブルフックを必ず用意しておいてください。

・CD7
上述のデイゲームと同じ使い方、以上 (笑)
カラーについては、ホワイト系を使用しています。

・ラッピングミノーSW
真冬専用のルアーとして使用しています。アミ等の小型ベイトを捕食しているシーバスに非常に効果的です。特に真冬の隅田川で衝撃的に釣れました。カラーはチャートパールがおすすめです。

テクトロでは、川の流れに逆らって使用します。

歩く速度は、ソルティービーツ・RJ10と同じく「さくらさくら」のリズムです。

↓ご参考までにラッピングミノーの動画です。


以下、ご参考までにテクトロの釣果写真です。

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都市型河川でシーバスを狙う際には、是非テクトロを試してみてください。

きっと皆さんの釣果のお役に立つと思います。

以上、駄文にお付き合いいただきありがとうございました。


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