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高輪ゲートウェイに行ってきました

山手線46年ぶりの新駅ということで華々しくデビューするはずだった高輪ゲートウェイ駅。開業がコロナ蔓延と重なってしまったこともあってか開業後には話題に登ることも少なくなり、皆の印象も薄れているのではないかと思います。
私も開業直後に訪れたっきり完全に存在を忘れていましたが、改めて訪れてみました。

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駅舎は作りたてということもあり、相変わらずきれいでした。
吹き抜けになっている駅の構造は、台北の忠孝敦化駅を想起させるような開放感があります。

ただ駅舎の外に目を向けると相変わらず絶賛工事中で、広大な敷地には基礎すら出来上がっておらず盛土だけが行われているようでした。素人目には昨年の開業時から大きく状況が変わってないように見えます。

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高輪ゲートウェイ駅は、JRの車両基地であった田町車両センターの跡地を再利用・再開発するプロジェクトの一貫で開発されたということで、もともと駅の周囲は多数の線路が敷き詰められています。
現在でも一部は引き続き留置線として使用されているため、駅から多くの普通電車や特急電車の車両を眺めることができます。駅には何組か家族連れも訪れてました。

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ただ、街としてはその線路により高輪−芝浦間が大きく分断されてしまっており、この周辺には相互を行き来するような跨線人道橋や通路もなく行き来ができません。
芝浦側に行こうとしたら品川駅まで回り込むか、通称「おばけトンネル」「タクシーの行灯殺し」と呼ばれている高輪橋架道橋(天井が極端に低いことで有名)まで回り込む必要があります。

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個人的には、高輪ゲートウェイ駅開業をきっかけに駅を介して芝浦方面に渡れるようになることを期待していました。
ただ、今の所は駅から芝浦方面への接続は改善されておらず不便なままです。

もちろん、高輪ゲートウェイ駅は今でも絶賛建築中で、本来の完成は2024年見込みのようです。
その頃にはおそらく通路ができて芝浦方面へのアクセスも整備され、京急泉岳寺駅もホーム拡幅工事とともに高輪ゲートウェイ駅とのアクセスも良くなり、本来の姿を見せてくれるのでは、と思います。

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ただ、2021年現在は、駅前は絶賛工事中。駅ビル内にはコンビニとスタバ以外に商業施設が無い。駅から近いと言われる泉岳寺駅にも歩いて10分くらいかかる。芝浦方面には抜けられない。
と、現状は都会の秘境駅的な趣で、「この駅必要なの?」と思うのですが、それでも毎日山手線と京浜東北線のすべての列車が停車しています。せめて京浜東北線は通過、とかにしても良いのにと思うのですが。


批判的なことばかり書いていてもあれなので、周辺の観光名所にいくつか訪れました。ただしいずれも高輪ゲートウェイから訪れるより京急泉岳寺駅から訪れた方が便利です。

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一つは高輪大木戸。江戸時代に江戸への関所的な役割をしていた場所です。
数ある大木戸の中、東海道沿いに設置されたものがこちらの高輪大木戸です。今でも当時の痕跡として、石垣が残されています。

高輪ゲートウェイの駅名はこちらの高輪大木戸にちなんでつけられたという噂です。せっかく昔から広く親しまれている名前があるのだから、駅名も「高輪大木戸」にするか、和名は高輪大木戸、英名は Takanawa Gateway にする、とかでも良かったのではと個人的には思います。

高輪大木戸は今ではもちろん関所の役割はありませんが、近くに「おばけトンネル」が存在しその入口的な役割(目印)を果たしています。

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続いて、駅名にもなっている泉岳寺。もともとは曹洞宗のお寺ですが、赤穂浪士に縁のあるお寺としてよく知られています。境内の中はそこここに赤穂浪士関連の展示があり、アミューズメントパーク的な趣です。

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赤穂浪士の墓所では、300円を寄進することで、浪士のお墓に線香をあげることができます。私は赤穂浪士世代ではないので、遠巻きに眺めるのみとしました。

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個人的にはこちらのお寺が気に入りました。このお寺は東禅寺。臨済宗のお寺で、境内の中に立派な三重塔があります。江戸末期にはイギリスの公使館としても用いられたお寺のようです。
品川周辺の喧騒から離れ、とても落ち着いた雰囲気をもったお寺です。佇んでいると、自分が都心の中にいるのを忘れるかのようです。

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ただ、こちらのお寺を有名にしているのはこちらの柱でしょうか。幕末のイギリス公使館時代、開国を快く思わない人たちにより東禅寺は何度か襲撃をされており、その際のものとされる銃痕が柱に生々しく残っています。
動乱の時代の生き証人として、今でも庫裏らしき建物を支える柱として、ひっそりと佇んでいます。

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高輪大木戸にせよ、泉岳寺にせよ、東禅寺にせよ、江戸時代の頃の痕跡がそこかしこに多く残り、この街は歴史に興味がある人にとってはとても良い場所だと思います。
最近も高輪ゲートウェイの周辺地域の開発に伴って「高輪築堤」が発掘されたりと、歴史の匂いを感じさせる話題に事欠きません。

歴史と新しさの玄関口、高輪ゲートウェイ周辺は、そんなふうに言っても良いのではないでしょうか。現状は駅周辺には荒野と線路だけが広がりますが。
そして、歴史に縁のある寺社史跡巡りも、京急泉岳寺駅経由の方が便利なのでそちらがおすすめです。

アクセス

高輪ゲートウェイ駅へは品川から山手線・京浜東北線でおよそ1分
周辺の寺社や史跡へは京急泉岳寺駅へ。


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