FIBA U18男子アジア選手権の日本代表
8/21からFIBA U18男子アジア選手権が始まります。
開催国はイラン。
詳細は定かではありませんが、オーストラリア、ニュージーランドが不参加を表明。来年ハンガリーで開催されるU19ワールドカップへのアジアからの出場権4枠を10チームで競います。
ここではU18男子日本代表メンバーを紹介します。
身長、体重、所属などが載っているメンバー表はこちら。
ジェイコブス 晶
経歴など
201cmのSG。横浜ビー・コルセアーズU18所属。
筆者が熱愛する横浜ビー・コルセアーズの特別指定選手として昨シーズンはB1で4試合に出場。現時点でのB1史上最年少出場および最年少得点記録を保持しています。
トップチームと並行して活動していた横浜ビー・コルセアーズU18チームでは「B.LEAGUE U18 INTERNATIONAL CUP 2022」でチームを優勝に導き大会MIPにも選出。
2022年3月にはオーストラリアの「NBA Global Academy」のトライアウトに参加し、6月後半~7月にかけて「NBA Global Academy」のトレーニングキャンプおよび米アトランタで開催された「2022 NBA Academy Games」にも参加しました(U18メンバーの湧川颯斗も参加)。
8月にはNBAとFIBAが主催する「Basketball Without Borders (BWB) Asia」のキャンプに、同じくU18メンバーの湧川颯斗、川島悠翔、U18には選出されなかったもののスペインリーグ4部でプロデビューも果たした岡田大河と共に選出され、リーダーとして活躍した選手に贈られるパトリック・バウマン スポーツマンシップ賞を受賞しました。
プレイヤーとしての特徴
こちらが「B.LEAGUE U18 INTERNATIONAL CUP 2022」の映像。
基本は左手でショット打ちますが、バスケ以外は右手を使うとのことなので右もスムーズ。
現在の一番の武器は滑らかなアウトサイドショット。2番目の武器は彼自身好きなプレイと語るパス。パスの真価はまだあまり披露できていませんが、アンダーの試合では一瞬の判断で右手での絶妙パス見せていました。
改善点としてはフィジカルとディフェンスの脚運び。見ての通り身体を作るのはこれからなので、インサイドのオフェンス/ディフェンスとリバウンドで押し負けることあり。U18アジアでマルチネスHCに鍛えられ鋼となって欲しいところです。ディフェンス面ではNBA Academy Gamesの映像をチラッと見た際はクローズアウトの脚がだいぶ動いてきたので、アジア相手にどこまでやれるか注目です。
まだまだ身に付けなければいけない点は多々あるものの、2M超える身長でアウトサイドショットが得意でハンドリングとパスセンスもありアリウープもくりだすジェイコブスがU18日本の期待の星であるのは間違いないでしょう。
おまけ。ビーコルの試合前のアップでは強烈なダンクを何本も披露してました。
JOURNEYMANさんのサイトでも彼のバックグランドやNBAアカデミーについて語られていますので要チェックです。
マックニール キシャーン 大河
経歴など
184cmのSG。東京を拠点としてNCAAその他の海外大学やプレップスクールへ多くの卒業生を輩出し、インターナショナルに活動するクラブチームTokyo Samurai所属。ですが既にNCAA D1のセントフランシス大学(SFU)にコミットしていますので、U18アジア終了後はSFUに進学予定。
プレイヤーとしての特徴
強烈な身体能力が持ち味。
ただこちらの福岡遠征ではディフェンス力、ハンドリング、パスセンスを披露し、
6月に行われたTokyo Samurai主催の「Tokyo Top 30 Showcase 2022」の映像からはアウトサイドの力も見て取れます。
NCAA D1の2番としては大きくはないですが、U18アジアではそのフィジカルで他国の脅威となること間違いなしです。
轟 琉維
経歴など
167cmのPG。福岡第一高校の3年生で、2022年のインターハイでは同校を優勝に導いたエースガード。
プレイヤーとしての特徴
小柄ながら圧倒的なスピードを活かしたプレイスタイルから"河村二世"の呼び声も高い。
フルコートでは高い位置からのオンボールディフェンスでスティールからワンマンレイアップ、ハーフコートではアウトサイドあり、切り込んでのフィニッシュ&ディッシュありとまさに本家と瓜二つ。
U18アジア最速ガードとして、ダンクアーティストたちへのロブシティを連発して欲しいです。
湧川 颯斗
経歴など
194cmでU18ではSF登録。福大大濠高校の3年生。2年次には主力としてチームをウインターカップ優勝に導き、大会ベスト5にも選出されました。昨年までは3番を主戦場にしていましたが、今年からは1番にも挑戦しているとのこと。
「2022 NBA Academy Games」にはジェイコブス晶と参加し、映像をチラッと見た限りではPGの動きをしていたような。
U18メンバーのジェイコブス晶、川島悠翔、スペインで活躍する岡田大河と共に「Basketball Without Borders (BWB) Asia」のキャンプにも参加しました。この年代を代表するプレイヤーと言ってよいでしょう。
プレイヤーとしての特徴
2年次に制したウインターカップでは、オールコートプレスのトップを務め、強靭な脚力と体力、ボールへの反射神経を見せつけました。
ドライブ、ハンドリング、アウトサイド、アシストにも非凡なセンスを持ったオールラウンダーです。
U18アジアでは1~3番で多彩な活躍をしてくれるでしょう。
境 アリーム
経歴など
198cmのPF。2022年のインターハイでは準優勝した開志国際高校の3年生。U18では数少ないインサイドを主戦場とするプレイヤーです。
プレイヤーとしての特徴
2022年のインターハイではプレイタイムが少なかったため、どのようなプレイスタイルなのかはっきりとはわかりませんが、インサイドで留学生とマッチアップし身体を張れるプレイヤーであることは下の動画でチームメイトも語っていました。
副島成翔と共に5番で起用されることが予想されます。サイズ的には苦しいですが、チーム内外の留学生相手に鍛えた3年間は伊達じゃない!という姿を見せて欲しいです。
山田 哲汰
経歴など
187cmのPG。北海道は帯広市に近い河西郡にある白樺学園の3年生。お母さんは元女子バスケ日本代表の奈良岡幾子(旧姓)さん、お父さんの隆さんの姉は元女子バスケ日本代表の山田かがりさんというサラブレッド。
2年次にはインターハイとウインターカップ、3年次にはインターハイにチームを導いています。
プレイヤーとしての特徴
日本人PGとしてはサイズがあり、ドライブからフィニッシュ、ディッシュ、スキップパスと多彩な引き出しを持っておりディフェンスにも積極的。さらにチームメイトに積極的に声がけして盛り上げるリーダーシップを兼ね備え、何よりもバスケに対するほとばしる情熱が素晴らしい。
アウトサイドショットは向上が必要ですが、轟と並んでU18の司令塔を務める予想。アジアのPG相手にフィジカルでどこまで対抗できるか。
小澤 飛悠
経歴など
188cmのSF。中部第一高校の3年生。チームのキャプテンも務めます。中学時代の体重は約100kg。
プレイヤーとしての特徴
現在の体重は約90kgでがっちりした体格です。国際大会でインサイドを主戦場にするには身長が足りないため3番登録なのかと思いますが、国内では強靭な身体を活かしたインサイドプレイも披露します。アウトサイドやアシストにも長けていて、U18内では湧川、星川と並ぶオールラウンダー。ただ、彼が最終メンバーまで残った長所としては当たり負けしない身体だと思うので、相手エースの突破を跳ね返すディフェンスと粘り強いリバウンドに期待したいです。
坂本 康成
経歴など
194cmのSF。小澤と共に中部第一高校の3年生。
プレイヤーとしての特徴
このチームではジェイコブスと並ぶシューター。2022年インターハイ準決勝のvs開志国際戦では6本の3を決めて30点を上げています。コーナーで待っているタイプではなく、カッティングやドライブもあるオールラウンダータイプ。ただ、マルチネスHCの戦術傾向からするに、ドライブ&キックの飛ばし先としてU16、17での小川瑛次郎のような起用方法になるのかなと予想します。
星川 開聖
経歴など
194cmのSF。洛南高校の3年生。兄は同じく洛南高校卒で宇都宮ブレックスでの特別指定選手も経験した早稲田大学の星川堅信。B.LEAGUE U15 CHAMPIONSHIP 2020では宇都宮ブレックスU15チームを優勝に導きMVPを受賞。
プレイヤーとしての特徴
高校1年生の頃から名門洛南の主力を担った才能あふれるオールラウンドプレイヤー。体格のバランスもよく、アウトサイドショット、フローター、ドライブもハイレベルでこなします。
ただ、彼の素質があればもっと強く攻めれるし、もっとハードに守れるはず。チームを勝たせるためにどんなプレイと気持ちが必要になるか、マルチネスHCとの対話、アジアの強豪との対峙の中で得られるものが多い大会になればいいと思っています。
副島 成翔
経歴など
197cmのC。福大大濠高校の3年生。2年次ではチームのウインターカップ優勝に主力として貢献。
プレイヤーとしての特徴
ポジションとしては小柄ながら、留学生相手に当たり負けせず向かっていくたのもしさがあります。憧れの選手がロッドマンなのもプレイスタイルを見れば納得。走力もあるのでトランジションのリムランを得意とします。高さはあっても走力のないセンターは多いので、どんどん走って相手インサイドからファウルをもぎ取って欲しいです。
川島 悠翔
経歴など
200cmのPF。福大大濠高校の2年生。1年次にはウインターカップで優勝し大会ベスト5。チーム唯一のU19ワールドカップのメンバーであり、6月のU16アジア選手権ではMVP、7月のU17ワールドカップでもエースとして奮闘。先日もBWB ASIAのキャンプに参加していました。。出席日数足りてますかと心配になるほど大活躍しています。
既にアメリカからも熱視線を送られる存在であり、NBA Draft.netでもリストアップされています。
プレイヤーとしての特徴
ジャンプは高く速い。ドライブは強く当たられてもぶれずに多彩かつ柔らかくフィニッシュ。3の確率も格段に向上していて、ディフェンス・リバウンドを取るとハンドリングを活かしてそのままコースト・トゥー・コースト。インサイドからの合わせのパスも上手い。
U16アジア選手権でも格上と思われていたニュージーランドのニック・ブックを相手に身体を寄せて当たりながらねじ込み続け圧倒していました。
U18でもエースとして活躍してくれるでしょう。期待しかありません。
八重樫 ショーン龍
経歴など
185cmのSG。明成高校の3年生。今年から主力として活躍。出身は岩手の北上中学校で、個人的には北上市で高校生活を過ごした筆者が活躍を期待する選手であります。
プレイヤーとしての特徴
サウスポーを活かした独特の間合いのショットが持ち味。インターハイでは敗れはしたものの、藤枝明誠相手に7本の3を含む29点を上げました。ただインターハイでは3の確率は高かったものの、2の確率は低かったのでショットとプレイの安定度はこれから上げていって欲しいところ。また、U18でプレイタイムを掴むためにはディフェンスでの貢献も必要でしょう。どこまでやれるか見守っていきたいです。
最後に
U18アジア選手権、レギュレーションをざっくりまとめると、グループフェイズで勝てば勝ち点2、負ければ勝ち点1。勝ち点の高い順で2チームごとポットD~Gに振り分けられ、クォーターファイナルではポットDのチームはポットGのチームと対戦し、組み合わせは抽選で決定。ポットEのチームはポットFのチームと対戦し、組み合わせは抽選で決定。クォーターファイナルで勝てばU19ワールドカップ出場決定です。
各国の力関係を想像するに、中国がサイズ的に頭一つ抜けている印象です。それを追うのが日本、イラン、レバノン、韓国、フィリピン。日本、イラン、レバノンが入ったグループAは死のグループ。。グループフェイズで1敗してもクォーターファイナルで中国と当たる可能性もあります。
グループフェイズの結果が勝ち抜けを大きく左右しますが、イラン、レバノンともにサイズがあります。
イランはU16アジア選手権のエースSGで2Mのモハマド・アミニを筆頭に2M台が7人で平均身長も2M。
レバノンも2M台が3人で平均身長194cm。最高身長は205cm。平均身長191cmの日本より両チームとも大きい。
U18でオーストラリアとニュージーランドと勝負できなかったのは残念ですが、必然的にU19ワールドカップ出場機会はグッと高まりました。世界を相手にできる希少な機会を絶対に逃すことなくアジア4強までこの12人でなんとかたどり着いて欲しいです。
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