見出し画像

思い立ったら万座温泉

■10年ぶりの万座

今から10年ほど前、長女が一歳だったころに、両親と私たち家族で万座温泉の日進館に泊まりに行ったことがあった。

先日来、今年で91歳になる母がしきりに長野県の飯山市にある実家(彼女の生家)に行きたいというので、子供たちの春休みを利用して一泊する計画をたてた。

群馬県にある万座温泉は標高1800メートルにある硫黄泉の温泉で、その湯質はすばらしいの一言である。併設されている万座温泉スキー場は3月下旬の現在もシーズン中である。ホームページで調べてみると、日進館では、春休みで小学生宿泊無料というプランがあった。これは渡りに船という感じなので、速攻予約し、栃木から万座温泉(泊)で、翌日飯山に移動し親戚と会い、そのまま高速道路で栃木に戻るという計画を立てた。運転は私ひとりであり、車は日産セレナである。

ということで、天気に恵まれて、まずは栃木から万座高原に向かう。午前11時過ぎに出発しても午後3時ごろには到着というナビの予測が出ている。ここで失敗したのは、車載のナビは、上信越自動車道から軽井沢ICを経由するルートだったこと。しかし関越自動車道の伊香保ICのほうが、高速を降りてから一般道のみで、観光地の有料道路を通らずに行ける。もちろん景観は軽井沢のほうが良いのだが。

さて、子連れの車の旅は、コンビニやPAでの停車回数が多いが、道はすいており順調だ。軽井沢ICから万座道路の入り口までは、鬼押し出しを通過する道路でアップダウンが続く。私たちの前をゆっくりと走る品川ナンバーのレンタカーに悩まされながらも旅は続く。(注:決して煽り運転はしていません。)

■合計標高差2000メートル

栃木南部から軽井沢までの高度差は1000メートルほど、そして少し下って、標高800メートルの万座鹿沢口のあたりからさらに1000メートル上って、最終的に標高1800メートルにあるホテルに到着する。トータルでは2000メートルも上ることになる。

わたしは長距離運転は慣れているが、アップダウンの激しい山岳路はめずらしい。C24型の日産セレナはCVTタイプのオートマで、普段の市街地ではもっさりと走るミッションである。しかも、CVTの普通のモードでは、下り坂でエンジンブレーキがまったく効かない。そこで、燃費は悪くなるがスポーツモードで運転する。このモードであれば、きびきびと運転し、コーナーでもブレーキを踏まずに通過できる。もちろん、今回は、91歳の母と小学生が同乗する旅なので乱暴な運転はできないのだが、ピレリーのスタッドレスのおかげでコーナーで、乾燥路でも破綻することはなかった。ただセレナのシートの硬さもサポートは最悪なので、体の負担は大きいといえる。

2021年3月下旬の万座温泉はまだ道端に雪が2メートルほど残っており、春はまだ遠い感じだった。家族5名で一部屋という滞在で、さっそく数か所ある温泉を探索することにする。日進館の温泉は熱すぎず、子供でも長湯ができるほどである。硫黄のにおいもさほど強くないので、家族連れでも楽しめる。今回は週末ということもあって家族連れが多くいた。スキー客も多かったので、ひさしぶりに冬の温泉ホテルを味わえた次第である。食事もバイキング形式でこれには、子供も大喜びである。

画像1

(標高1800メートルなので、ポテトチップスの袋もぱんぱんに膨らむ=飛行機の機内と同じくらいの気圧)

■泉堅会長の思い出

所謂「コロナか?」という時代なので、ホテル内でも、マスクやら検温やらで風情を失う要素がたくさんあるわけだが、それを別にして、10年ぶりの万座温泉は変わらぬ良い湯であった。日進館の会長であった泉堅氏とは、一緒に銀座で伝道したこともあったのですが、2018年に天国に凱旋されたと聞いていた。毎晩行われていたフロアショーにも何回か出演させていただいたこともあったので、そのことを思い出す旅でもあった。

夕食はバイキング形式。以前と比べるとシンプルであったが、味もよく楽しめた。家族連れも多かったが、今、群馬県は独自のトラベルキャンペーンをしており、一人あたり一泊5000円の補助があるそうだ。これは素晴らしい企画で、群馬県民特定である。残念ながら私たちは栃木なので適応除外である。群馬県民は恵まれている!(期間は2021年五月末まで)

さて、わたしは温泉に何度も浸かり、積年の疲れ(?)をいやした。日が暮れると外の気温も下がり、まだ冬の感覚となるが、雪を見ながらの露天風呂は最高であった。

■万座から嬬恋へ

翌朝もまずはひと風呂浴びてから、部屋で家族礼拝。聖書を読む。バイキングの朝食を終えて、早めに飯山市へ向かう。夏場であれば、万座高原から志賀高原を抜けて飯山市に向かう最短路を利用できるが、今回はまだ冬季の雪で閉鎖中。したがって、一度群馬県側に下り、嬬恋村を経由し、菅平から須坂に降りて飯山という道順となる。距離にして100キロぐらいなのだが、この経路を走るのは初めてである。

カーナビはスマホのものを使って移動すると、台風19号災害による途中通行止めの個所もあり迂回路へ。しかし、この迂回路が嬬恋村のキャベツ畑の中の広域農道のようなところを縦横無尽に走る設定だった。

まだキャベツが植えられていない裸の農地には、作業する人もだれもおらず、通過する車もない。もし、ここで脱輪したり、エンジンが止まったら、携帯でJAFを呼ぶしかない。そして、もし携帯が通じなければ・・・などと考えながらドライブする。周囲数キロ四方に誰もいないという雰囲気の中にいると、少しばかり恐怖感も生まれた。やがて、農道から国道に合流したときは心底ほっとした。

日本ロマンチック街道と呼ばれる国道144号線は峠道でかなりの勾配とカーブがある。この道をバイクや2シーターのオープンで走ったら、気持ちがよさそうな道である。嬬恋高原からいったん下り、菅平口で鋭角に曲がって、また山岳路を菅平高原に向かう急な登りになる。菅平もスキー場であり、雪景色がみられる。そこを通り過ぎると、ようやく長野県の須坂市を目指す下り道となる。須坂市には親戚もいたのでよく行った場所なのだが、菅平から下るのは初めてである。日光のいろは坂のようにかなりきついカーブの連続でひたすら千曲川を目指して下ってゆく。ここでもエンジンブレーキを使わなければ、ディスクブレーキは高熱になるだろう。前を行くファミリーカーはブレーキべた踏みである。おそらく、Dレンジのままで走っているのだろう。今の教習所は、エンジンブレーキの使い方を教えないのだろうか?

わたしは、前述のようにCVTのスポーツモードで適度なエンジンブレーキがあるので、ブレーキは必要最低限で走れる。MT車ならもっと簡単なのだが。ということで、日産のCVTスポーツモードの設定は日本の山道走行にはぴったりだった。

観光地として有名な小布施を通過して、万座温泉から3時間ほどで飯山市に到着した。小雨の中のドライブだったので景色は楽しめなかったが、山岳ドライブは結構楽しかった。この道をしゃれた欧州車で駆け抜けたら、さらに楽しかったことだろう。

■合計600キロほどのドライブ

ということで、90歳の母の願いである、実家訪問も叶え、子供達には温泉を体験させ、帰りの信越道、北関東道を走り、栃木南部に帰宅した。留守番させた二羽の文鳥に詫びを入れてから、運転疲れですぐに寝た次第である。

ということで、万座温泉の日進館はおすすめの宿。そして、群馬県民なら、格安に泊まれますね!(2021年5月末まで)

https://www.manza.co.jp/

https://gunma-dc.net/featurecat/aikyougunma/







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?