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はじめに~反社チェック業界の現状

私が危機管理会社で反社データベース構築のための情報収集に携わり始めた当時に比べ反社チェックを売りにする会社は、正確に数を数えたことはありませんが、ネット上の広告などを見る限りの印象では、かなり増えています。

今回は、そんな業界の現状について、お話ししたいと思います。

平成16年6月に広島県・広島市が公営住宅の入居資格に暴力団排除に関する規定を定めて以来、全国の道府県で暴力団排除条例の整備が始まり、平成23年10月、それまで未施行だった東京都・沖縄県で暴排条例が施行され、暴排条例が全国的に整備されました。

当時、反社チェックに注目が集まり、危機管理会社で反社チェックに関する情報収集・分析・調査業務、データベース構築に従事していた私は、クライアントから寄せられる問い合わせ・調査依頼・講演で多忙な日々を送っていたのを記憶しています。

その後、私は思うところあって業界を離れていたのですが、お笑い芸人の闇営業問題を契機に、業界外から見る限り下火だった反社チェックが再び注目されるようになり、業界では過去の人となっていた私が、縁あって業界に呼び戻されました。

業界に戻り久しぶりに見た業界の現状は、一言でいうと「浅い」又は「甘い」という第一印象を受けました。

様々な会社が、反社チェックの必要性を訴えるために難しい理論や現実を踏まえない「データベースの保有件数」や「ヒット率」なんていう言葉で自社の売り込みをしていることが見受けられますが、中には、ド素人が反社チェックに関して聞き齧った程度の知識でプロを自称する会社や、データベースの信用性に難がある会社、反社チェックのポリシーやプロセスを理解せず情報提供サービスを行っている会社などが、皆さんが思っている以上に多いのが現状です。

残念な会社について、詳細は後日改めてお話の機会を設けさせていただきますが、いくつか簡単に事例を挙げておきます。

【反社会的勢力に関する知識が欠如】

反社会的勢力が、どのような組織・個人であるか(定義)を知らない。

反社会的勢力の属性要件は解っていても類似行為などの行為要件を知らない。

反社会的勢力が組織・個人に及ぼす危険を知らない。

【反社チェックに関する知識が欠如】

反社チェックに関する主旨・目的を理解していない。

反社チェックの手法を知らないか、理解していない。

【データベースに問題がある会社】

独自データベースの存在を標榜しながら、実は存在しない嘘つき。

データベースの出典(エビデンス)を明示しない(できない)。

データベースの検索システムに欠陥があり、正しい検索結果を表示できない。

データベースを持っていても情報が古かったり、内容が貧弱。

【コンプライアンス上の問題がある会社】

法的・社会通念上、取得・保有してはいけない個人情報を保有・提供している。

自社の取引先に対する反社チェックを行っていない。


最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

続く…

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