千乃家

函館のそば店主です。得意は道産そば粉のお蕎麦とサクサクの天ぷら。 健康でおいしいダッタ…

千乃家

函館のそば店主です。得意は道産そば粉のお蕎麦とサクサクの天ぷら。 健康でおいしいダッタンそば冷凍麺を開発したら、北海道から機能性成分を認証されました。 店主になって四半世紀の千恵子さんとスタッフが書いています。

記事一覧

Developing Quercetin-rich Tartary Buckwheat Soba-noodles

  I have been in Soba business over 35 years in the southern part of Hokkaido. I opened my first shop in 1996, and it moved and renewed as “Sen-no-ya” in the…

千乃家
10か月前
3

「ヘルシーDo」認定体験記

蕎麦店主のひとり語り・5食品開発には「良い筋道」があるようです 機能性成分が豊富な冷凍生麺、「千乃韃靼」(せんのだったん)。 開発を始めた2000年ごろ、ダッタンソバ…

千乃家
1年前
7

機能性冷凍そば「千乃韃靼」誕生

蕎麦店主のひとり語り・4 韃靼そばのケルセチンが血糖値上昇抑制 冷蔵生麺の開発に続いて2013年、冷凍生麺の開発がスタートした。北海道立工業技術センター大坪雅史氏(…

千乃家
1年前
9

韃靼そばに教わった、モチベーション持続の鍵

蕎麦店主のひとり語り・3 生麺の急成長に、経営者がついていけない 店ではしぶとく韃靼そばを提供し続け、わずかずつだが韃靼そばの認知度が高まり始めた。そして2001年…

千乃家
1年前
9

韃靼そばがライフワークになったわけ

蕎麦店主のひとり語り・2 韃靼そばに出会う  韃靼そばに出会ったのは1999年、函館近郊の七飯町で「大中山ふでむら」を開いて3年目だった。メディアで健康ブームを感じて…

千乃家
1年前
9

ふでむら から千乃家へ

蕎麦店主のひとり語り・1 初めて自分で営んだ「そば処ふでむら 大中山店」は、私の成長の場でした。 手始めに、同店の開業から現在の「千乃家」を開くまでを記します。  …

千乃家
1年前
13

Developing Quercetin-rich Tartary Buckwheat Soba-noodles

  I have been in Soba business over 35 years in the southern part of Hokkaido. I opened my first shop in 1996, and it moved and renewed as “Sen-no-ya” in the suburbs of Hakodate in 2019.   In 1999, I came across Tartary buckwheat grown in t

「ヘルシーDo」認定体験記

蕎麦店主のひとり語り・5食品開発には「良い筋道」があるようです 機能性成分が豊富な冷凍生麺、「千乃韃靼」(せんのだったん)。 開発を始めた2000年ごろ、ダッタンソバはあまり知られていませんでした。ただ、当時は地元産原料があったので、その点から道立工業技術センターに関わって頂くことができました。私自身も調べて行くうちに大学の研究者と繋がり、ダッタンソバの機能性、健康寄与の可能性、加工法などいくつもの研究テーマに発展しました。これから申請をお考えの方は、自分以外になるべく多く

機能性冷凍そば「千乃韃靼」誕生

蕎麦店主のひとり語り・4 韃靼そばのケルセチンが血糖値上昇抑制 冷蔵生麺の開発に続いて2013年、冷凍生麺の開発がスタートした。北海道立工業技術センター大坪雅史氏(現・専門研究員)の指導を受けて進める中で、ひとつ予想外の発見があった。製造過程の温度管理によって、ケルセチンの量をコントロールできるというのだ。これを機に新たな共同研究開発が始まる。私としても、この製品は店でお出しする味にかなり近く、韃靼そばの最大の魅力である血糖値上昇を抑える働きが保たれているから、食べる人の

韃靼そばに教わった、モチベーション持続の鍵

蕎麦店主のひとり語り・3 生麺の急成長に、経営者がついていけない 店ではしぶとく韃靼そばを提供し続け、わずかずつだが韃靼そばの認知度が高まり始めた。そして2001年、工業技術センターと研究を初めて1年後に生麺の賞味期限を5日に延長した商品が完成。これでお持ち帰りの対応ができるようになり、通信販売や郵便局のふるさと小包もスタートした。2002年には北海道新技術新製品開発奨励賞を受賞。メディア露出が増え、そのうち全国区のテレビ番組に取り上げられ、ふるさと小包の受注がグッと増え

韃靼そばがライフワークになったわけ

蕎麦店主のひとり語り・2 韃靼そばに出会う  韃靼そばに出会ったのは1999年、函館近郊の七飯町で「大中山ふでむら」を開いて3年目だった。メディアで健康ブームを感じていたちょうどその頃、隣の森町(もりまち)で、普通のそばよりルチンが豊富な韃靼そばというものが栽培されているのを知った。さっそく粉を取り寄せて試作をしたが、普通のそばとは粉の性質も風味も全く違う。手本のないまま模索していたが、繰り返し麺を作るうちに「普通のそばとの違いを出すこと」が一番大切だと気付いた。そこで、

ふでむら から千乃家へ

蕎麦店主のひとり語り・1 初めて自分で営んだ「そば処ふでむら 大中山店」は、私の成長の場でした。 手始めに、同店の開業から現在の「千乃家」を開くまでを記します。   ◆埼玉から函館へ移住。そして独立開業。 私が親元の埼玉から祖父母のいる函館に来たのは1989年、26歳の年だ。2歳下の弟がそば店「そば処ふでむら 五稜郭店」を開くことになり、それを手伝うためだった。経営もそば作りもぶっつけ本番のような状態で、2人とも店の2階の6畳1間に寝泊まりして働いた。当時はバブル景気の