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コンサルタント、コンサルティング会社がデータ領域で苦戦する3つのポイント
データアナリティクスやデータビジュアライゼーションの領域で苦戦しているコンサルティング会社が苦戦する理由は、どこもだいたい同じだ。
そのポイントをざっくりとまとめると、以下の3つになるだろう。
1)具体的に語れないから、2)自分の知らないことがあると意識できないから、3)自分は●●の専門だ、と思い込んでしまっているから
1)具体的に語れないから
コンサルティングにおいて、概念の整理や思考法、根底となるフレームワークをもとに考えを整理するのはとても大事だ。
しかし、データ領域では、「抽象的に概念を整理した価値」というのは他の案件に比べてそこまで価値を持たないのだ。なぜなら、データ領域で扱う課題は、具体的に語らないと具体的な解決ができないからだ。
データ分析を行うには将来の具体的な意思決定や行動の精度を上げるように様々なフェーズで設計していくのであるが、ここが抽象的だったり概念でしかないと、何も生産しないのである。
このデータだとどういう計算を使うべきだ、データの限界を理解しどういうビジュアライゼーションを作り、どう効果的に組織に展開し、そのためのデータの前準備はこうだ、など具体的な問いが全てを決定づけるので、抽象的な議論が価値をうむ局面が極端に少ないのだ。
「概念」は頭で考えているが、それとは違った形でデータや問いは存在している。
MBAなどで学ぶコンサルティングスキルはとても本質的ではあるが、それだけではデータ領域の案件に使える面積がとても少ない場面が多い。誤解を恐れず言えば、旧来型コンサルタントの能力だけでできることが少ないのだ。
具体的に語れないと、すぐに答えに飛びついたり、すぐに方法論に展開しようとする。具体的に語れないということはつまり勉強不足であるという残酷な事実が露呈するのだ。
2)自分の知らないことがあると意識できないから
例えば、新幹線を知らないと、東京から大阪まで新幹線があるのに歩いていこうとしたりする。これと同じことが、実際現場では起きているのだ。今私たちは、「新幹線があると知っている景色にいる」から、「そんなバカな」と思えるのだ。
馬車しかない時代に生きる人は、「東京から大阪に移動したい」という欲求を叶える時に、「じゃあ新幹線でいこう!」など思いつかないのと同じである。移動しよう!と思ったら、馬車を選択する以外ないのである。そしてそれは無意識である。
これは、人としての自然な発想である。人は、自分が知っているものからしか発想したり考えたりできないからだ。
しかし、ここで重要なのは、「自分が知らないことがあるのだ」と意識することなのだ。これで行動や言動が変わってくる。
特にデータ領域はスピードが早いので、次元の違う発想や道具、自分の知らない領域での次元の違うパフォーマンスを生んでいるものがたくさんある。 自分が知っていた世界がすぐに古くなり、陳腐化する時代だ。
実際の現場では、東京から大阪に行く時に徒歩か新幹線か、という議論であればまだ良いが、どういう徒歩でいくか、右足はこうやって出して・・などという次元の会話をしていることもある。
3)自分は●●の専門だ、と思い込んでしまっているから
長くその業界にいればいるほど、「自分はその業界を知っている」「そのビジネスをよくわかっている」と思ってしまっている。これも人間としては当たり前のことでもある。なぜなら、そう思わなければ自分の拠り所もなくなってしまうからだ。しかも、大きなコンサルティングファームでは縦割りで、セクター毎にグループができていたりする。これがさらに自我を強くする。
しかし、実際、データを読む力がある人やデータを扱える人が一瞬でそのビジネスの本質を見抜いたり、課題を適切に表現できたり解決できたりする人がうじゃうじゃいる。これを受け入れるのはとても苦しい。だからデータ領域に入るのが難しい。
また、「自分は●●の専門だ」と思いがちな人は分析者やデータを扱う人を無意識に作業者だと思う人が多い。これもデータ領域に入るのを難しくする。そんな人を、サポートしたいと誰も思わないからだ。
なので、本気でデータアナリティクスをビジネスに取り入れようとしている人や組織がまず始めにやるべきことは、データ関連本を読むということでもなんでもなく、アンラーニング(学習棄却、これまでの価値観を捨てること)なのである。捨てる勇気、つまり引き算だ。
これは、人間としての本来的な欲求に抗うことだからとても難しい。本来的な欲求というのはつまり、これまでの経験で培われた承認欲求やプライドだ。しかし、できない人や組織が多いからこそチャンスとも言える。
私はビジネス領域に絡む人がアンラーニングを始めるきっかけを作りたいと思っています。
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