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Power BI 2種類のパラメーター利用法 事例で紹介(2023.3Ver)

Power BIでは、パラメータを使用して、ダッシュボード内でフィールドや値を動的に変更することができます。パラメータを使うことで、ダッシュボードの表示内容を柔軟にカスタマイズできます。

0.パラメーターの追加方法

レポートビューのモデリングタブから、「新しいパラメーター」を選択します。

パラメーターの追加方法


Power BIでパラメータを使う方法は2通りあります。

  1. フィールド

  2. 数値範囲

以下で、具体例を交えながらそれぞれの使い方を解説していきます。

1.フィールドパラメーター

フィールドパラメータを使用すると、ダッシュボード内のフィールドを変更することができます。例えば、製品の種類を選択すると、売上データがその種類に応じて表示されるようになります。

今回は、2022 Week 21 | Power BI: Field Parameters – Workout Wednesday (workout-wednesday.com)のデータセットを使って、フィールドパラメータを作成する手順を解説します。

なお、WorkoutWednesdayについてはこちらの記事で紹介しています↓

実際にレポートを作成したい方は、リンク先に解説動画もありますので、詳細はそちらからご確認ください。

使い方

  1. 「パラメータ」をクリックして、フィールドを選びます。

  2. 画像のようなポップアップが出てくるので、使用したいフィールドを選んで追加し、作成をクリックします。

3.すると、ページにスライサーが自動で追加されます。
パラメーターの中身をみると、下の画像のようにDAXが書かれていることがわかります。修正したい場合はこの計算フィールドからも修正できます。

4.パラメーターができたので、ビジュアルを追加します。
今回はこのようなレポートの①と②のグラフにパラメーターを使っていきます。

今回作成したレポート

視覚化ペインの設定方法

①は横棒グラフを選択し、Y軸に作成したパラメーターをセット
②は折れ線グラフを選択し、凡例にパラメーターをセット
(指標はMargin%(利益率)の計算式を作成して使いました)

画像のようにパラメータを設定

5.書式を整えて完成
今回は、視覚化ペインの「ビジュアルの書式設定」タブで、スライサーのスタイルをタイルに変更してみました。(その他の書式も適宜変更しています。)



続いて、2つ目のパラメータを紹介します。

2.数値範囲パラメーター

数値パラメータを使用すると、ダッシュボード内の数値を変更することができます。例えば、割引率を選択すると、売上データがその割引率に応じて表示されるようになります。

数値範囲のパラメータを説明するために、以下では、2021 Week 37 | Power BI: What-If Parameters – Workout Wednesday (workout-wednesday.com)を使用しました。(リンク先で「What-ifパラメータ」と説明されているものが、今回の数値範囲パラメータになります。見た目が少し変化していますが、設定方法はほぼ同じです。)

こちらのレポートも先ほどと同様に、詳しい作成方法はリンク先の動画をご覧ください。


使い方

数値パラメータを作成するには、以下の手順を実行します。

  1. 「パラメータ」をクリックして、数値範囲を選びます。

  2. 画像のようなポップアップが出てくるので、「最小値」と「最大値」を入力します。

  3. 「ステップ値」を入力します。ステップ値は、数値を変更するときに増減する値です。


4.自動で下の画像のようなスライサーが追加されます。

自動追加されたスライサー

5.次に作成するレポートでは、ここで設定したスライサーの値でグラフの表示範囲が変更されるグラフを作成していきます。

以下の①と②のグラフを作ります。
①のグラフ TopNを動的に表示する映画のランキング
②のグラフ パラメータに含まれるものをアイコンで表示できる表

今回作成したレポート

グラフを作っていくために、まずはメジャーを2つ作ります。

1つ目:Top N Moviesというメジャーを作成

Top N Movies = 
VAR SelectedTop =
    SELECTEDVALUE('What if'[What if]) //変数にパラメーター(What if)を設定する
RETURN 
   SWITCH(
       TRUE(), //SWITCH関数で、パラメータに0が設定された場合は、全表示させる
       SelectedTop = 0,
       [Worldwide Sales],
       RANKX(ALLSELECTED('Highest-grossing superhero films[edit]'[Film]),
            [Worldwide Sales])<=SelectedTop, 
            [Worldwide Sales]
   ) //0以外の数値が設定された場合は、そのパラメータ値以下のランキングを表示させる


2つ目:Top N Movies Indicatorというメジャーを作成。
中身は先ほどとほぼ同じ

Top N Movies Indicator = 
VAR SelectedTop =
    SELECTEDVALUE('What if'[What if])
RETURN 
   SWITCH(
       TRUE(),
       RANKX(ALLSELECTED('Highest-grossing superhero films[edit]'[Film]),
            [Worldwide Sales])<= SelectedTop,
            1,0
   ) //表示させるランキング内に含まれる場合は1、含まれない場合は0を表示


メジャーができたので、可視化をしていきます。

①のグラフ
横棒グラフを追加し、X軸にTop N Moviesをセット

②のグラフ
表を追加し、Top N Movies Indicatorを列にセット。このTop N Movies Indicatorを展開し、条件付き書式からアイコンを選ぶ

上記のようにアイコンのルールを設定する

6.最後に書式を整え、完成です。


まとめ


Power BIでパラメータを使う方法を二つ紹介しました。パラメータを使用することで、フィールドや数値を動的に変更できる、柔軟性の高いレポートを作成することができます。



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