自民党総裁選

9月29日に自民党総裁選の投開票が行われる。

2012年の第二次安倍政権からの10年弱、もっというと2001年の小泉政権からの20年で自民党は大きく変質してしまっている。有体に言えば政権担当政党としての賞味期限は切れており、10月(11月?)総選挙で政権を明け渡すべきだと私は考えている。

4人の候補者のうち、誰が総裁になっても小泉純一郎氏が総裁になった時の様なインパクトを与える事はないだろうが、その総裁の下で解党的な出直しをする胆力を政党として持っているのであれば、将来的には再度政権を担当することもできるだろう。

候補者に関して個別の詳細な論評は避けるが、河野太郎氏はTwitterにおけるブロックやテレビ討論でフェイクニュースだと叫んだ件を見ると政策以前に人間的に総理の器ではない事が分かる。地方党員からの支持が集まっているという理由が私には良く分からない。

高市早苗氏は安倍前首相の路線を継承する事で保守層(という言い方も本来違うのでここはいずれ別項で)の取り込みを図っているが、その述べている事は経済政策については僅かに見るべき点もあると考えられるが、国防、憲法観については、「日教組撲滅!」と訳も分からず叫んでいた80年代の暴走族のメンタリティと全く同じであり、話にならない。

ただ、一定数の支持を集めた場合、党内における右派は影響力を保てるし、右寄りの有権者の支持を背景に高市氏自身の存在感も大きくなることは事実だろう。

本命と見られている岸田文雄氏は、政策論、発信力についても程よくバランスが取れている様に見えるが、それが最大の弱点ではないだろうか。その最たるものが森友、加計問題について再調査を匂わせながら翌日には軟化した点だろう。良く言えば国民の声にも耳を傾ける姿勢を持っているとも言えるが、同じように自民党長老たちのいう事も聞いてしまうという事になっていき、結果として腰砕けになってしまうのが目に浮かぶ。

岸田氏は宏池会出身だけあって政争に弱いのではないかと感じる部分も多く、二階幹事長、菅総理といった老練な面々に翻弄されてしまうのではないだろうか。

野田聖子氏については、これまでも総裁選への挑戦をしてきたことからも女性初の総理になりたいという気持ちは伝わってくるが、その割には政策を見てもこれまで準備をしてきている様には思えない。総理総裁を目指すのであればジェンダー、子育てだけではなく、憲法・国防・経済について幅広い識見を求められるが、それが欠けていると感じる。

政治家としての識見については菅総理も大いに欠けているので野田氏だけを責めるのも間違っているとは思うが。

冒頭で述べた通り、いずれにしても自民党は一度下野してやり直すタイミングなのではないだろうか。総裁選については私の様な党員ではない一国民には関与すべくもないが、その先にある総選挙ではしっかりと見極める必要があると考えている。

野党についてはまた今度。


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