騒音問題における専門家の不在

 昨日、騒音被害者を不寛容だと責める内容のテレビ番組がやっていたそうです。私も騒音被害者ですがその番組を直接観なくても間接的に被害を受けるのが分かっているので非常に辛い思いをしています。

 その番組は子どもの遊び場がないという題目で道路で遊ぶのが何が悪い?という結論に至ったそうです。「遊ぶ場所がない・減っている」というのは色んな人が言っているのですが、実際は公園は平成に入ってから増え続けており少子化と相まってむしろ一人頭のスペースは増えていることになります。空き地は減っているのでその事を言っている人もいるかも知れませんがそもそも空き地は他人の土地でそれを計算に入れて良いものか疑問です。

 子供の騒音問題の話題になると公園でインタビューを受けているドイツ人の画像を見せて「日本人は不寛容だ」と言う人が非常に多いです。しかし、これは大きな間違いでドイツは世界でトップレベルに騒音に厳しい国です。訴訟によって保育園が潰れることもあるのです。日本より遥かに厳しいです。

 これらの誤った情報を正す人は少ないです。先日、子供の声は騒音ではないという法律を作るという噂が流れたときに政治家までもがドイツの法律を挙げて称賛していました。しかし、ドイツは元々騒音に厳しいお国柄で前述の訴訟が多発し保育園などが十分確保できなくなってしまったため国民側を黙らせるために作られたのがその法律の真意です。さらに無条件ではなく騒音を出す側は対策をするなどの歩み寄りを促すものであるのですが、日本では騒音被害者を黙らせる目的で作る気が満々だったように思えます。恐ろしいことに大多数の国民がそれに賛同していたようにも見えます。

 これらの誤った解釈や情報が広まってしまう原因は騒音被害者の立場に立って防音をしっかりとやるべきだと声を上げる影響力のある専門家がいないのが原因だと思います。
 私がネット上で知っている限りでは騒音問題総合研究所の橋本典久氏が積極的に騒音問題の実情を伝える論文を発表しているだけです。専門誌によると当然他にも専門家はいるようですが橋本氏以外に騒音問題が話題になるたびに意見を言っている人はみかけないです。
 大変心強い味方ではあるのですが橋本氏は業務として騒音トラブルを扱っているようで今以上の期待をするのは過剰な負担になってしまうかなと思っています。

 他にも騒音問題について色々と文章を書いてる人もいますが最後には防音商品を売りつけるための宣伝・・・業者ばかりのようです。

 これに対して、騒音被害者を攻撃する有名人はたくさんいます。騒音問題はそれぞれが違う複雑な事情を抱えています。話を聞いてもらえればそれはおかしいと納得してもらえるケースもたくさんあります。しかし、事情を知ろうともしない人たちによって一纏めにされてしまいます。”不寛容”であると。

 騒音問題の中でも子供の騒音は悲惨です。子供は宝であると全力で擁護し”悪い大人”を叩きのめす。そちらのほうが世間受けが良いですから。

 私は普段騒音問題について投稿しています。専門家不在の少しでも穴埋めになればと思って毎日書いています。私の力及ばず反撥を覚える人も多いでしょう。それでも私の心が折れるまでに一人でも理解者が増えてくれることを願っております。

 ここまで読んで頂きありがとうございました。貴方の人生が騒音と無縁でありますように。


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