【OW】勝利の方程式に必要な2つの要素

はじめに

 前回の記事が有名な人とかにRTされてすっごくびっくりしました。賛否両論どちらもありましたが、色々反応してくださった方にこの場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました!!
 
しかしですね私の記事のメインにしていくのはあくまでヒューマンエラーなので前回のような記事がウケるとしても今回はしっかりヒューマンエラーに関係した話をさせていただきます。
 今回はCRMSituational Awareness(状況理解)というものを活用してオーバーウォッチで勝つことにおいて最も重要なチームプレイがどうあるべきか、そしてそれをどういかすかについて読み解いて行きたいと思います。

CRMってなんぞ?

 CRMとはクルー・リソース・マネジメントの略称で以前はコックピットリソースマネジメントと呼ばれていましたが、考え方の変化に応じて名前が変化しました。
 CRMの考え方の一つに”安全で効率的な運行を達成するために利用可能な全ての資源、すなわち装備、手順、そして人員の効率的な活用”(国際民間航空機関のヒューマンファクター訓練マニュアル/1998年)というのがあるように元々は航空業界でのみ使われていました。しかし現在はヒューマンエラーやチームワーク力が命に関わる機会の多い医療や消防においてもその考えは広まっています。
 じゃあこれがオーバーウォッチとどう関わってくるか?オーバーウォッチは別に命に関わるものではないですが、チームワーク力が求められるという点では全ゲーム中トップクラスの難しさを誇ります。CRMの考え方を学ぶことがオーバーウォッチにおいて仲間とのチームワーク力を高めるのに繋がると私は考えております。

CRMで重視される4つのスキル

CRMで重視されるスキルは以下の4つです
①コミュニケーション
②チーム作り
③状況の正しい認識
④意思決定

それではこの一つ一つを解説していきたいと思います。

①コミュニケーション

A お互い疑問に持ったことはすぐ声に出す
B 曖昧な言い方は避ける
C 相手からの発言には必ず反応する(反応しなければ伝わってるのかわからないため)
D 気づいたこと(レッキング・ボールが後ろに回った)や、行動を始める前に必ず発言し(ドロビ吐くから前線を押し上げよう)、情報と状況を共有する。


Aについて 
 できているようで意外とできていないコミュニケーションという部分。Aは成長という観点から見ると重要なポイントでしょう。マーシーのダメブとオリーサのULTって重複する?バティストのULTを通ったモイラの黒玉はどういう判定になるの?誰かが知っていても誰かは知らない。そんなことがこのゲームには多々あります、特にレートやレベルに差がある人がPTにいるときは意識しましょう。
Bについて 
 今相手は誰が残っていて誰がULTを使ったか、ハッキリと分かるように伝えましょう。質問されてわからなかったときは曖昧に答えるのではなく他のメンバーに聞いたり、調べたりするといいですね。
Cについて 
 「え!?このリーパーどこから来たの?」
 「いや裏取りしたってさっき言ったじゃん」
 「ウソ?聞こえてなかった・・」
 そこそこの頻度でこういうことありますね。もちろん聞いてなかった人が悪いんですが、もしかしたら通話アプリの調子が悪かったりゲーム音が重なったりしてはっきりと聞こえていなかった場合があります。こういうことを避けるために報告には返事をする癖をつけると、もう一度言ったり、言った言わなかったで険悪な雰囲気になるのを回避することができます。 
Dについて 
 ABCの総括に当たる部分です。情報と状況を理解したらあとはどうするかを声に出し勝利へ突っ走るただそれだけです。もちろん行動中も情報と状況の共有を欠かしてはなりません。

②チーム作り

A 発言しやすい雰囲気を作る
B どんな疑問も大切に扱う
C ショットコーラーやリーダーに当たる人物は他の人との間に適切な権威勾配を保つ
D フォロワーシップ(納得を得た上で相手をついてこさせること、また相手についていくこと)の重要性を理解する
E 反対意見も自分やチームへの利益と建設的に受け止めること

Aについて
 この項目はクランやチームを作る人やリーダーになっている人にとって重要なスキルとなります。敗北が続いてイライラしまくってる人がいたり、味方に悪口ばかり言うような人が通話部屋にいたら雰囲気は最悪ですよね。せっかくコミュニケーションをとることが重要ってわかったのに聞けないんじゃ意味がない。レートとかレベルとか関係無しに気楽に発言ができる雰囲気を作るようこれを見た人は努めましょう。ここはあなたのコミュニケーションスキル次第です!!。
Bについて
 「何で虹彩をはいたのに味方はタイヤで死んだの?」
 そこそこプレイしている人ならばゼニヤッタのULTは超高速回復なので一撃で殺すタイヤのカウンターにならないと理解していますが、始めたばかりの初心者やあまりプレイしない人はそんな自分たちの中では当たり前に知っていることを知らなかったりします。その時に何を言ってるんだ?みたいな態度ではなく、それはゼニヤッタのULTはものすごい勢いで回復しているだけだから一撃で莫大なダメージを出すジャンクラットのULTのカウンターにはならないよと順を追ってしっかり説明してあげると、次の疑問に繋がりやすいです。
Cについて
 これは特にクランとかチームにフォーカスを当てた話なのですが、簡単に言えばリーダーとかに権力を集中させては駄目って話です。一見極めて有能なリーダーに全ての権威を集めれば強力で適切なリーダーシップが発揮できると思いがちだが、実際にそれをするとチーム全体のパフォーマンスの低下に繋がります。しかし低すぎるとまとまりがなくなるためちょうど良いポイントを見つけるのが重要です
Dについて
 強引に、「私がこう思うのだからこの編成にしてここから攻めれば勝てるんだよ」といった感じに人を引っ張るのではなく、このマップではこのような編成が〇〇という理由で有効です。一般的にはここから攻めると通っているので逆にこちらから攻めてみましょうと言った具合に説明すれば、ついてくる人もわかりやすいでしょう。
Eについて
 オーバーウォッチにおいて意見の対立は避けられません。そら六人もいたら六人全員の意見があるのだから別れるのは当然です。自分が正しいと思うのは自分の考えをブレさせないために必要ですが、他人の意見に耳をかさないというのはただの駄々っ子と変わりません。相手の意見にもしっかりと耳を貸し何故相手はそういう考えに至ったのかをお互いが理解するようになれば互いの成長に大きく手を貸すこととなるでしょう。

③状況の正しい認識

A 常に警戒心と周りを見渡す態度を持ち続ける
B 先を予測し、状況の悪化に備えて対応策を予め考えておく

Aについて
 フランカーがいつどこでから攻めてくるのか、味方はキチンとまとまって行動できているか、OWは見なくてはならないポイントが多数存在しますが全部を見ろというのは難しい話です。だから全体を見渡し警戒しなくてはならないポイントを重点的に警戒すると効率が良くなります。ex)相手のザリアが見えない→不意撃ちサージの警戒。 
Bについて
 具体例を出しましょう。絶対溜まっているはずなのにULTをはいてこないD.VA、そろそろULTが溜まりそうなソンブラ、いかにも自爆EMPを狙ってきそうな状況です。この状況においてどのような行動をとるか?いつどこで仕掛けられても良いように身を隠せそうな場所の近くで集団戦を仕掛けるのか?はたまた出てきたソンブラをEMP発動前にCCスキルでとめるか?警戒していても防ぐことのできないものには特に予め対抗策を練る必要があるでしょう。
 話はちょっと脱線しますがたまにプレイ時間長いプレイヤーが相手のハルトシャター吐きそうな動きしてるとか、相手のトレーサーの動きが怪しいとか言う時がありますがベテランの漁師が雨を予感できるようにベテランプレイヤーの経験からくる勘は結構当たるので状況分析の一つにするのは十分ありです。

④意思決定

A その時に得られる多くの情報を活用して判断する
B 判断したことは他のメンバーに伝える
C 判断し行動した結果は常に振り返る

Aについて
 例えば中々難しい押しと引きの判断を例にすると、こちらは一枚落ち、でも残りの五人はULTを持っている。人数は不利でも勝てるかも知れないしULTを効果的に発動できずに負けるかも知れない。味方のULTのシナジーはどうかなど様々な要因を組み合わせて押し引きの判断をする必要があります。また判断する上で不必要な情報と必要な情報を見分ける必要もあります。
Bについて
 上記の押し引きの判断は当然ピックの変更などの判断も他のメンバーに伝えましょう。判断した理由も軽く添えておくと他の人もピックの意図を理解できるのでなるべく伝えましょう。
Cについて
 押し引きの判断やピック変更の判断、それが本当に有効的かどうかは結果を振り返れば一目瞭然です。今のOWにはリプレイ機能という素晴らしい機能が存在するので思う存分活用しましょう。

Situational Awareness

さてCRMの概念や考え方を理解したところで、状況理解に話を移していきたいと思います。

 この図は状況認識モデル(Mica Ensley)と呼ばれるものです。CRMの解説の中で状況を理解し情報を得ることが必要と述べてきましたが、このモデルはそれをわかりやすく図にしたものになります。勝利に近づける方法はたくさんありますが私としては、この図のように組み立てていくのがシンプルで好きです。
 それでは実際の試合の写真を見ながらこの状況認識モデルを活用してみましょう。
 まずはこの状況モデルを使用せずに失敗した例から行きましょう

チーム①が防衛、チーム②が攻撃となっています。試合は①のほうが優勢で進んでいましたが、暫く後でターニングポイントがやってきました。

テンプルオブアヌビスでよく起こる攻防の一つですがここでチーム①のルシオがドロビを使用しました。防衛側が攻撃側に先手を打つ形で集団戦を仕掛けました。この時ルシオは自軍の攻撃性能と相手の立ち位置を考え集団戦に勝利できると考えたのでしょう。しかし

確かにビートこそソルジャーを除いて付与できたものの、メイのアイスウォールによってアナ、ソルジャー、ジャンクラの射線が遮られ無力化、更にハルト、ルシオが下がれなくなってしまいました。

結果として、ルシオは抜け出せたもののハルトはチャージを食らって死亡。ジャンクラットもホッグのウルトで死亡してしまいました。チーム①のソルジャーが抜け出てきたところをタクティカルバイザーで殺そうとしますが、ゼニヤッタのウルトでカウンターされてしまい此度の集団戦はチーム②が勝利しA拠点は陥落しました。
 ではどうすれば良かったか。状況認識モデルを活用してみましょう。

 確かにプラスの面だけみれば集団戦を仕掛けたくなるのはわかります。しかしマイナスの面を見てみるとかなり危険性が高いのがおわかりいただけると思います。
 特にメイのアイスウォールによる分断は攻防が起きた場所が狭いチョークポイントであることから最も警戒しなくてはいけないポイントです。今回はたまたま全てが発動したことからウルトマネジメント的にイーブンですみましたが、もしメイの分断だけでこの集団戦に敗北した場合、相手はウルトを2つ残して次の集団戦を仕掛けてくるのでアドバンテージは計り知れないものとなるでしょう。

 ①での解説を踏まえた上でわざわざ図にするほどでもないのですがこの状況で集団戦は仕掛けるべきではないでしょう。聞きたいという言葉が一つでもあれば、ここで集団戦を仕掛ける場合の記事も書きたいと思います。

そして③対応計画です。例え防衛側が集団戦を仕掛けなくても攻撃側がいつか集団戦を仕掛けてきます。どのようなタイミングで仕掛けてくるか、イカにして自分たちに有利なポジションで集団戦を開始できるか、そしてその集団戦でどうすれば勝てるかを考えましょう。
 高台のソルジャーに対して攻撃側のチームは瞬時に干渉できるヒーローはリーパーあるいはエリアの真ん中を突っ切ってアイスウォールで上に登ってそこから攻めるメイくらいです。リーパーメイ共に自分たちの有効射程に行くまでにダメージを稼がれて負けるという未来が簡単に予想されます。すなわちこの編成においてソルジャーはかなり自由に立ち回ることができます。また相手のラインハルトは相方がロードホッグなのでバリアやシールドのカバーがありません。非常にシールド管理が難しいものとなっています。加えて味方にはジャンクラットやソルジャーと言った盾割りが強いヒーローがいるのでそこを利用するとソルジャーのウルトが更に通りやすくなります。ゼニヤッタがウルトをはいたらその期間はなるべく落とされないように立ち回り、虹彩終わりにドロビをあわせて集団戦に勝ちに行く。そんなところでしょうか

上の文章を参考にどこでどう戦うかの意思決定権はそれぞれのプレイヤーにあります。自分たちで相談して決めましょう。決めたら最後は実行に移すのみです。

 状況認識モデルにも書いてありますが②と③と意思決定には知識と経験があればあるほど深い考察を重ねることが出来ます。試合中にこんな長々と考えられるかと思うかも知れませんが場数を踏めば自然と頭の中でパズルのように組み立てることができるようになるでしょう。

以上CRMと状況認識モデルを活用した勝利への方程式でした。長くなってしまいましたがこれを参考に頭に入れてプレイするだけで勝率はグッと伸びるし、敗北の原因を見つけ出し次に繋げることが出来ます。この記事を読んでくださった様々な人が大きく成長できるのを期待しています。次回の記事は現在未定です。

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