二代目経営者による余計なことをしない秀才経営

今日はGAFAの一角、アップルの話でもしようかなぁと思います。

アップルといえば、iphoneを作ったスティーブ・ジョブス氏のすごさが良く語られますが、その彼の死後を継いだティム・クック氏もすごい経営者です。

何がすごいかと言いますと、タイトル通りなのですが、余計なことをしないんですよ。ひたすらにiphoneの新機種を発売し、iなんちゃらとついた周辺機器を増やし、imusicなど他社の2番煎じのサービスをアップルのプラットフォームに乗せる。

それ以外のことはほとんど行わずに、余ったキャッシュを新事業に投資するでもなくひたすら配当と自社株買いに回してきたんです。

長期チャートを見ても、過去だけ見れば50ドル台って高値なのですが、そこでもひたすら自社株を買いまくってたんですよね。

マーケットに評価されていない時期の自社株買いが功を奏し、株主リターンが高まる結果となりました。これがもし余剰キャッシュをよくわからないことにつぎ込んで減損していたらと思うと、すごいですよね。

バフェットのエントリーポイントもそのあたりですね。バフェットって偉大なビジネスを余計なことをせずに普通に運営してくれる秀才経営者を好むんじゃないのかなぁと思いました。コカ・コーラの味を途中で変えようとしないような。

創業者って天才肌でちょっとキチガイな方も多いと思うので、軌道に乗ってからの経営にはあまり向いてない可能性があります。地味ながらも軌道に乗ったものを安定上昇飛行させるのが上手な経営にも注目したいものです。

そういった意味で例えば任天堂に注目していたりします。

長年ゲーム作りがすごい人が社長だったのが、秀才タイプの人に交代したことで、良くも悪くも安定成長する企業になる可能性があると思っています。

特に最近他社ソフトの桃太郎電鉄がヒットしていると肌(Twitter)で感じていますが、こういった他社ソフトが売れることにより任天堂のプラットフォームの価値が増し、また通信対戦をするためのネットワークサービスも売れるようになります。

スーパーファミコンがヒットしていたころは他社ソフトが売れまくっていたのが、64やwiiでは自社ソフト中心のヒットだったように思います。そういった点が株価の継続上昇につながらなかった原因とも思います。スイッチも当初は自社コンテンツに依存していたのが、他社ソフトやネットワークサービスも売れる方向に変わっていけるのかは注目ポイントだと思います。


追記1

過去のだめなパターンで言うと、ネタレベルに面白いのがドコモのらでぃっしゅぼーや買収ですね。通信と野菜に何の関係があるねん!と。

そのお金が通信料金の引き下げか配当か給料に回っていれば、利用者か株主か従業員の誰かが幸せになっていたと思いますが。

結局そのらでぃっしゅぼーやを安値で引き取ったおいしっくすが美味しい思いをしましたね。

追記2

ロリポップで有名なレンタルサーバー運営会社、ペパボの創業者家入一真さん、ひきこもりからの上場企業の社長となりましたが、安定飛行した事業の運営は自分は得意ではないということで身を引いて、佐藤健太郎社長に引き継ぎました。今では別のベンチャーに携わっていたり、自分の得意なところに注力しているようです。関係者がみんな幸せになれる素晴らしい話だと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?