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魔法が使えなくなってからが人生

若くて、自信と勢いがあって、かつ何も知らない人だからこそ使える魔法がある。

なりたいものには何にだってなれる、と信じ込むこと、
自分の可能性を疑わないこと、
周りを壮大なハッタリに巻き込むこと、
今しか見ず、自分のための人生を、生きたいように生きること。

だけど、年をとればとるほど、魔法を使える条件は目減りしていく。

なりたくてもなれない姿があること、
したいこと全ての方向に可能性が開いているわけじゃないこと、
大言壮語を吐いたところで、実が伴わなければ信用されないこと、
自分だけの人生のはずが、気づけば自分のためだけの人生じゃなくなること。

現実を見れば見るほど、魔力は失われていく。
そして、かつて魔法が使えた若い人たちは、いつのまにか魔法を使えていた頃のことを忘れていく。

それが幸せなことなのか、不幸なことなのかはわからない。人生の段階が進めば、なにが幸せかは変わってくるから。

それでも。

わたしも含めた大抵の人にとってはきっと、魔法が使えなくなってからの人生の方がずっと長い。

きっとこの先は、今まで魔法を使うことで得てきたものたちを
なにも持ってない素の自分の力で得ていくことができるかで
勝負が決まるんだろうと思っている。

そんなことを考えている、20代の最後の1日。

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