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研究報告:「かに道楽」という道楽について

道楽
楽しいことである

「金持ちの道楽」などと
基本的には人間に当てはめて使う言葉である「道楽」だが
なんと人間ではない生物にも使う例が存在する。

かに道楽というものである。
なんと人間どころか脊椎動物ではない
カニにも道楽があるというのだ。

人間に食べられているイメージしかない
カニであるが
本稿ではかに道楽とはどのようなものなのか述べる。

まず読者の方に改めてもらいたのは
「楽しむ」という感覚が人間だけのものであるという
考えである。
正しくは人間とカニだけのものである。
他の畜生にはない感覚であり
選ばれし二種族のみがもつ感情である。
「うれしょん」などという言葉があるため
イヌなどにもこういった感情があると思う方もいるだろうが、
それは間違いであり、
カニのうれしょんこそが本当のうれしょんである。
あとの生き物のそれはすべて失禁である。

カニは楽しむことができる生き物であることがわかったところで
「かに道楽」の内容について解説する。

まず会場は浜辺である。
やはり浜に生まれ、浜か鍋で死ぬ生き物なので
当然浜で行われる。
時間帯は深夜から早朝にかけてである。
やはりこの時間が一番楽しいのは
人間と同じなのだ。
大体22時から翌日5時くらいまで行われる。
時間になると総勢100匹近くのカニが集合し催しが始まる。
始まる際
全カニが両手のハサミをサイコガンを外す要領で取り、
5本指の生えた手を外に出す。
衝撃的な光景ではあるが
カニの気持ちになって考えてほしい。
普段生活するうえで彼らは
大衆からのイメージである「カニ」を演じ続ける宿命にあるのだ。
つまり不便と分かっていても
両手にハサミをつけて日常を送らねばならない。
この抑圧からの解放こそが道楽最大の意義と言ってもいいだろう。
外すやいなやカニ達はそれぞれペアになり、
ここぞとばかりに互いの体を5本の指でもみ合う。
足の数に関してはガチなので
8本の足と5本の指でもみくちゃにするのだ
これを早朝まで繰り返し、乾燥しすぎて死にそうになるまで続ける。
目撃者の証言によると
「一言でいうと必死」だったそうだ。
また、この道楽の最中のみ指が自由に使えるので、
開かないジャム瓶のふたをあけたり、
提出期限の迫ったレポートを書く者も中にはいる。

これがかに道楽である。
朝日が昇るころには全員ハサミをつけ、
スーツを着てトボトボ歩きながら出勤のため最寄り駅へ向かう

楽しい時間があっという間なのは
カニも同じである。

運動クラブ 研究チーム

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