5月27日の学び〜センスメイキング理論〜

①センスメイキング理論とはなにか?
組織のメンバーや周囲のステイクホルダーが、事象の意味について納得(腹落ち)し、それを集約させるプロセスをとらえる理論

②なぜセンスメイキング理論が重要なのか?
以下の3つの状況が日本企業が現在直面している状況であり、今後さらに直面する可能性が高いから

1.危機的な状況

2.アイデンティティへの脅威

3.意図的な変化

③センスメイキング理論の前提は?

認識論的相対主義
「物の見方・認識は、主体と客体の相互依存関係の上で成立する」

例:「本の趣旨は、読む人の見方、認識、気分、立場などによって異なって受け取られる」

④認識論的相対主義の対概念は?

実証主義
「客観的に、正確に分析した実証結果は、誰にでも共有できる普遍的な真理・真実である」

⑤センスメイキングの全体像は?
主体(自身・詩人のいる組織)と客体(周囲の環境)の関連性についての、ダイナミックに循環するプロセスとしてとらえられる。
プロセスは大きく、1.環境の感知2.解釈・意味付け3. 行動・行為に分けられる。

⑥環境の感知とは?

1.危機的な状況
市場の大幅な低迷、ライバル企業の攻勢、急速な技術変化、天変地異、企業スキャンダルなどに直面した時

2.アイデンティティへの脅威
自社の事業・強みが陳腐化して、「この会社はそもそもどうしていけばいいのか」「我々は何の会社なのか」といった自社のアイデンティティが揺らいでいる状況

3.意図的な変化
新事業想像や、イノベーション投資

⑦解釈を揃えるとはどういうことか?
相対主義を前提とするセンスメイキングでは、同じ環境でも感知された周囲の環境をどう解釈するかでその意味合いは人によって異なる。(多義的になる)
多様な解釈の中から特定のものを選別し、それを意味づけ、周囲にそれを理解させ、納得、腹落ちしてもらい、組織全体での解釈の方向性を揃えること。(ここで重要なのが納得性)

⑧納得性が重要なのはなぜ?
通常事業環境分析で重視されるのは、客観的な情報と、それに基づいた正確な分析であるが、実証主義を前提にした場合のみ、これが有効である。
急激に変化し、いままでの経験が通用しない、解釈が多義的になる環境では、そもそも正確な分析が不可能である。求められるのは、「現状はどうなっているのか?」「我々はなにをすべきか」についておおまかな方向性だけを示し、それに意味を与え、説得性のある言葉で周囲に語りかけて納得してもらい、足並みを揃えることであり、これが重要であるから。(ストーリー性)

⑨行動・行為(イナクメント)とは?
多義的な世界では、「何となくの方向性」でまず行動を起こし、環境に働きかけることで、新しい情報を感知する必要がある。このように環境に行動をもって働きかけることをイナクメントという。

⑩イナクメントが必要な理由
主体(組織)は客体と分離できない(相対主義)から、組織は行動して環境に働きかけることで環境への認識を変えることができるため。


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