愛犬みみが旅立ちました

愛犬みみが旅立ちました。

扁平上皮癌と免疫介在性貧血を併発し、1ヶ月の闘病を経て27日AM7時50分天に召されました。癌細胞が赤血球を食べてしまうという原因も根治療法もわからない、非常に珍しい複合疾患でした。
朝、僕を待っていたかの様に、腕の中で抱かれながら静かに息を引き取りました。目から命の光が消えていくのがはっきりわかりました。みみの暖かさがまだ両手に残っています。

生後3ヶ月の保護犬を引き取ってから12年8ヶ月。
波乱万丈の僕の人生、みみは不器用に荒波に揉まれる小舟を、岸から照らしてくれる灯台の様な存在だった。いつも大きな愛と理解で包み込んでくれました。その優しい眼差しにどれだけ救われたことか。
子供もおらず独り身の僕にとって、みみは娘であり、恋人であり、友人であり、恩人であり、最大の理解者でした。その全てを同時に失った様な喪失感を今味わっています。

東大病院にて



6回の輸血、抗がん剤、毎回の血液検査、、血管が潰れてしまう程の回数、大嫌いな注射をされながらそれでも一時は腎臓の数値が良化したり、自力で歩き出したり、先生方も驚く奇跡を何度も目撃しました。貧血でフラフラになりながらも、亡くなる直前まで自力で歩いていたのです。何という生命力。

奇跡が起こるたびに期待をしてしまい、ただの延命に過ぎないのでは?と迷いながらも治療法を模索する中で、どこかで区切りをつけなくてはいけない、アクセルとブレーキを両方踏まなくてはならないのが正直しんどく、みみの気持ちも正確にはわからない。そんな葛藤を察したように最後はみみ自らピリオドをうちました。

なんて立派な、賢い、優しい、強い、かわいい、気高い、美しい生き物なんだろう。手塚治虫「火の鳥」の句族の様な気品と知性のある犬だった。みみから得た学びは数え切れない、最後の1ヶ月は特に濃かった。時間がないから一気にまとめて伝えるね、そんな気迫を感じました。



下北沢動物病院の片山先生、東大病院の冨安先生、鈴木先生、川畑病院の前川先生、チームみみ。本当にありがとうございました。支えてくれた人たち、仕事を調整して下さった方々、生前一度でもみみの頭を撫でてくれた方々、心より感謝しています。
仕事を共にする敬愛するアーティストが、注いだエネルギーは不滅、と。今はその言葉を信じたいです。

みみへ
約束した場所で待っててね
できればしゃべれる様になってくれてると嬉しいよ
もっともっと強くなって かならずみみの元に戻るから
それまで少しの間 さようなら
みみに出会えて幸せでした
本当にありがとう 
愛してる

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