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053 カレンダー考4

4)月と曜日

 基準日となる1月1日が定まったので、次は月と曜日である。1年が360日であれば、月もスッキリしたかもしれないが、天体の動きは人間の都合など聞いてくれない。月をやめて、曜日だけにすると、1年は52週になり、閏(うるう)週を若干日作ればよい。今日は第25週の水曜日、というような表現になる。月曜日を1日、日曜日を7日とすると25週3日である。6月19日と比べてどうであろうか。違和感は否めないが、曜日がすぐ分かって、意外と使い勝手は良さそうな感じもする。表にするときも縦横が揃って分かり易い。1年を一つの表で表すことができるが、ちょっと縦に長すぎる。
 ということで月が導入される理由づけにはなるが、月が入ってくると一気にややこしくなる。一番ややこしいのは2月。どうして2月だけ短いのか。調べると、古代ローマの暦に拠るらしい。1年の最後の月が2月となっているので、しわ寄せされたようだ。それであれば、ユリウス暦を定める時に、もっとスッキリさせても良かったのではと思ってしまう。月の数え方あるいは読み方は、日本やアジア各国では数字で表しているのでスッキリと分かり易いが、欧米の月の数え方はなかなか厄介である。前述の通り、英雄二人が無理やり自分の月を押し込んでいる。
 実はフランス革命の際、1793年にフランス共和暦というのが制定されている。12ヶ月すべて30日とし、週は10日になってスッキリしたものの、休みは10日に1回となってしまった。さらに、1日は10時間、1時間は100分、1分は100秒など10進法を基本としたものであった。結局、13年使われたが、1806年に廃止されてグレゴリオ暦に戻っている。現行のカレンダーはなかなかしぶといということである。つづく・・・
(「とびらの会」より転載)

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