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051 カレンダー考2

2)1月1日とはどういう日か

 結局カレンダーとは何かについては、有力な手掛かりもないまま諦めざるを得ない状況である。ということで、カレンダーというものが存在しているということを前提として、次に考えることは、その基準日とも言える1月1日とはどういう日なのかということである。これくらいは調べれば当然分かるはずである。検索してみればよいだけのことだ。あるある。ユリウス暦によって紀元前46年に制定されている。
 ユリウス暦は、古代ローマの軍人ユリウス・カエサルによって定められたとされている。英語名、シーザーである。彼は紀元前44年に暗殺されているのでその2年前ということになる。しかしながら、1月1日がどのように決められたかは、良く分からない。紀元前45年の1月1日が実際のスタートとなっている。少なくともキリストの生誕とは何らの関係がないことだけは明らかである。新月とする説もあるようだが、詳細不明。結局、天文学的には意味のない日というのが国立天文台の見解である。ひょっとすると、カエサルの誕生日ではと思ったが、彼の誕生月は7月。10か月しかなかったカレンダーに、彼の名前に由来するJULYを無理やり押し込んで7月にしている。初代ローマの皇帝オクタヴィアヌスも同じようなことをやって、AUGUSTを押し込んでいる。全く迷惑な話しである。そのために、元々7番目の月という意味のSeptemberが9月になってしまった。
 いずれにしても、1月1日ついては、明確な根拠はなく、何らかの意図を以って人為的に決められたということであろうか。要はその程度の日ということである。それでも、以降2000年以上にわたって揺らぐことなく定まっている、というのは奇跡的なことなのかもしれない。継続は力である。このユリウス暦はヨーロッパに広まったが、1582年、より精度の高いグレゴリオ暦がローマ教皇によって定められて現在に至っている。グレゴリオ暦によっても1月1日は何らの変更はない。つづく・・・
(「とびらの会」より転載)

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