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2022年スプリンターズSで振り返る、心理的バイアスと妙味のお話

どうもこんにちは(おはようございます、こんばんわ)、競馬クラスター@データ班のダンジローです。

みなさん秋のGIシリーズ初戦のスプリンターズS、いかがでしたでしょうか!?Twitterには的中報告よりも、悲鳴にも似た叫びが響いていたような気がしますが(笑)

オッズ心理を語るには良い教材だなと思ったので、ちょっと取り上げてみようかと思い、筆を執っています。(いや、キーボード叩いてます)

最初に述べておきますが、今回は敢えて競馬クラスターの根幹とも言えるRPT(レースパターン)に触れず書いて、最後に補足します。通常の予想に言えることなので、まずはフラットに見てほしいという思いを込めて、そのようにさせていただきました。

では、こんな感じで振り返ってみましょう。

  • 多くの人が陥った心理的バイアス

  • そもそも「2強」で正解だったのか

  • 今後のための「教訓」

  • (競馬クラスター的補足)

そんなに長くないですし、「そりゃそうやろ」って話なので、サクッと読んでくださいまし!

多くの人が陥った心理的バイアス

「オッズは人(心理)がつくる」とよく言われますが、2022年のスプリンターズSのオッズを検証してみましょう。

単勝オッズ
馬連オッズ

1番人気メイケイエールが2.5倍、2番人気ナムラクレアが2.9倍、次いでシュネルが8.5倍。そして上位2頭の馬連が4.3倍でシュネル絡みがいきなり12.2倍。馬連の人気順でなんと16番目までが、この2頭のいずれかが入る買い目で、入らない17番目の馬連が62.7倍とかなり高め。

このオッズから読み取れるのは、「2強対決」feat. シュネルマイスター(笑)と見ていて、さらに「メイケイかナムラ、どっちかくるだろ」、「おそらくどっちか勝って、両方とも3着以下ってことはなさそう…」という心理の表れと言えます。

なぜこのような心理バイアスがかかったのか。
理由は2つあると思っています。

1つ目は、シュネルマイスターを含めて「何となく3強っぽいな」と思っていたのに、オッズ的には2強っぽくなってきたことです。これで「上位2頭に絞れた」という心理が働き、上位2頭の信頼度が勝手に上がってしまい「2頭に流せばいいや」となったんですね。

2つ目は、このレースは「3頭目探し」が難しく、面白く、また当たれば美味しく、多くの人の興味がそこに奪われたことです。戦前から「食い込むならこの馬」という話題が多かったですよね。

これらの心理が働いた結果、「この2強が本当に馬券内に来るのか」という本来最も肝要である軸馬検討が、おざなりになってしまったのです!(ここは「おぉ、なるほど!」っていうところですw)
その結果「2頭とも飛ぶことはない」というバイアスが強くかかったわけです。

一方で、多くの人の興味が向いた穴馬考察は、たくさん目にしましたよね。
「ウインマーベルが前目から好位差しで!」
「ジャンダルムが番手から逃げ粘って…」
「ナランフレグが馬群を捌いて内から猛追!」
結果的にどれも正解でした…

ただ、そんな人たちが想像したゴール前には、おそらくメイケイかナムラがいましたよね…(みなさんここ頷くところですからねw)

レース後のTwitterのTLには、馬連7-9、2‐13、3連複2‐9‐13、といった「惜しいけど一銭にもなっていない電子ゴミ(または紙切れ)」が、ウインズ浅草の100円単位のフロアのごとく、足の踏み場もないくらいに捨て去られていました。池添くんが見たら、またおこですw

そして、正解したのにPATの残高が増えていないという惨劇が、サザエさんシンドロームに拍車をかけてしまったことでしょう…

そもそも「2強」で正解だったのか

というわけで、なかなか強烈な「2強バイアス」が落とし穴だったこのレースですが、過去同じようなオッズだったGIレースと見比べてみましょう。

ボソッとつぶやきましたが、この2レースです。

オッズはこんな感じでした。

2020年 有馬記念
2021年 マイルチャンピオンシップ

今回のスプリンターズSと並べてみましょう。

といったオッズで、どれも3人気以下に差をつける「2強対決」ムード。

さて着順は、どうだったでしょう。

今回のスプリンターズステークスSだけが、見事な「2強もどき」になってしまいましたね。

今後のための「教訓」

はい、もう教訓もクソもないですねw
多くの人が、ついこの間までぶっ飛びガールだったメイケイエールを歴史的名牝のクロノやグランと、超安定株とはいえ中山初見参だったナムラクレアをGI3勝馬やマイル3歳GI、古馬GⅡ勝ちの馬と同等に評価していることにさして違和感を感じかなったことが、大きな間違いだったということです。

「穴馬見つけて2強との馬券を買えばいいんだ!」は、結果的に「穴馬見つけて2強もどきとの馬券を買って、穴馬決着で撃沈…」になったんですね。
もちろん、メイケイエールやナムラクレアが「買えない馬」と言っているのではありません。ただ、このオッズや絶対的な軸として買ってはいけなかったということになります。

こういうムードの時ほど、まずは疑ってかかるのが妙味馬券への近道です。過去の「2強」で決まった馬と比較して、不安要素はないか。
穴馬扱いしている馬に勝機はないのか。
その馬が好走する時に一緒についてくる穴馬はいないか。

GIともなると、下位のレースで豪快な勝ちっぷりを収めている馬も多く、極めてバイアスがかかりやすい状況にあります。
だからこそ妙味が出やすいと思って、オッズを疑うことがとっても大事ということを肝に銘じてください、俺w

(競馬クラスター的補足)

今回のスプリンターズSですが、競馬クラスター新聞のRPT(レースパターン)は、「7」でした。RPT7の特徴を一言でいえば、「そんなに信頼性が高くはない3強対決」です。なので、3頭とも馬券外というのは、あまり想定できなかったですよね。

ちなみに細かい条件は伏せますが、今回のレースのC人気別の成績は、こんな感じでした。3頭が揃って馬券外の確率は、ざっと7%くらいなので、相当低かったのは確かです。

RPTは出走各馬の能力の分布、力関係から決まりますが、その「能力」というのは、これまでのその馬のレース結果から算出されます。当然全馬が同じレースに出続けてきたわけではないので、精緻な比較とはなりません。条件(距離、競馬場、馬場状態、相手関係等)が異なれば、算出される能力も変わりますし、仕上げの状態の違いやレース中に不利があれば、それも反映されます。そして当然ハイレベルなGIともなると、「適性」も大きく影響されてきます。

ただ、上の表にある成績は、そういったものも含めたものなので、いつも説明してる通り「線」として買い続ければ、概ねその数字に収束します。

そこからさらに回収率を上げようとするなら、今回のレースのように「ぽくない」を見抜いてRPTのセオリーにない買い方をしたり、「見」をする精度を上げていくことが有効といえます。(但し、これは「特殊な訓練」を受けていないと相当な無理ゲーですw)

最後に、この強烈だったバイアスに負けず、「ぽくない」を見抜いたプロ馬券師を紹介して終わりたいと思います。自分が今まで出会ったギャンブラーの中で、ギャンブルの腕前は一番だと思ってます。

そう、彼の名は、ムーンライ…ではないですねw

ではまた、気まぐれで書きますww



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