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Ligue1 20-21 2e journée|Stade Brestois 29 – Olympique de Marseille

 序盤はブレストが押し込む展開。OMのビルドアップはDFラインとカマラの持ち上がりに依存。ブレストはシャルボニエを中心とした素早いカウンターアタックでゴールに迫る。
 しかし、微妙に決定力を欠いている間に20分にトーヴァンにカウンターで一撃を沈められる。27分にはCKからチャレタ=ツァルが沈めてOMが内容と食い違う2点先行展開に。ブレストは全般的に空中戦の対処が悪く、そこに苦慮していた。おそらくマークの段階でズレが生じていて、そこに空中戦に強いチャレタ=ツァルを当てられて苦慮した構図だ。
 2点取って以降はOMに余力が生まれたこともあり、五分の戦いになった。しかし、戦術的なハマり具合で上回るブレストが徐々に圧を強め、前半ロスタイムに理想的な形で1点を返す。ブレストは現在流行中の“人が5レーンに湧いてくる”類のサッカー。右SBのピエール・ガブリエルは運動量があり、左SBのペローは組み立てに関与しながら空いたスペースを確実に突けるイマドキのSB。この2人を中心とするサイドアタックにOMは手を焼き、押し込まれる展開から脱しきれなかった。
 後半のOMはトップ下にサンソン、ドイスボランチにカマラとストロートマンという形に変える。中盤に関しては、よりサンソンの飛び出しを促す形、ストロートマンのアラを隠しつつカマラがより前方に上がれる形を作ったと考えられる。ブレストのボランチの両名はアンカー仕事はできないようなので、よりカマラの推進力を活かしたほうが良いのは確かだった。
 ポジションチェンジはもう一つあり、トーヴァンを左で起用したいと思ったのか、後半の頭にラドニッチと入れ替えていた。しかし、うまくいかないと見てラドニッチをアケと交代させた。おそらく守備面でペローへの対応に苦慮していたからだと考えられる。
 働きの悪かったストロートマンは72分にロンジェと交代。一方ブレストは同じタイミングで右サイドで守備&タメづくりで貢献していたオノラを下げてドゥアホンを投入した。
 しかし、結局セットプレーの問題は解決されず、80分にチャレタ=ツァルに2点目を沈められる展開に。やっているサッカーは良いだけに、タイムリーな場面でセットプレーの弱さが出るのがネックだ。終盤にシャルボニエが1点返すも時すでに遅し。内容的にはブレストが圧倒したといえる内容も、OMの勝利に終わっている。
 OMは勝利したものの、パイエの不在が響いたか。とはいえ、パイエを入れると守備的にキツくなるのもまた事実で、この日途中出場だったロンジェも組み合わせながらいかにしてバランスを構築していくかは大きな課題になりそう。バレルディにも期待はできず、マンダンダの劣化も見えるだけに、AVBにとっては頭の痛い問題になりそうだ。

【ピックアップ採点】
<Brest>
7;20Pierre-Gabriel
守備は粗雑で敏捷性に欠けるが、見事なオーバーラップ、インナーラップを繰り返した。クロス本数も多く、今後に期待。
5;2Duverne
カバーリング担当の主将。ソツはないが、それ以上でもそれ以下でもなかった。
5;24Baal
対人担当。積極性はあるが、その分雑い。
7;18Perraud
躍動感あふれるプレーで左サイドを上下動。組み立ての中心を担いながら内外のオーバーラップを駆使して左サイドを活性化させた。右のピエール=ガブリエルとともに注目していきたい。
6;8Diallo
PSGアブドゥ・ディアロの弟であるボランチ。運動量を活かして様々な局面に絡みに行くも、1失点目は動きすぎがアラとなった。左IHならいい選手なのだろうが、足元のアラと守備力&組み立て性能の平凡さからなかなか厳しい未来を感じさせる。エスポワールでの活躍と成長に期待。
5;7Belkadia
ゲームの組み立て役として時折光るものを見せるも、全般的にみると関与率が高くなく、ポジショニング・運動量共に不足を感じさせた。
7;10Charbonnier
左右問わず走り回りながら嫌なところに顔を出して崩しの核として躍動。決定力は欠いた。
5;14Cardona
左右に流れながらボールを受ける、守備をする、しかし得点に至るまでの存在感はナシ。このままだとシャルボニエのCF化でポジションを奪われそう。

<OM>
5;30Mandanda
飛び出しの判断は博打要素があった。1失点目も簡単にニアを抜かれすぎ。
6;2Sakai
おおむね攻守にソツなく働いたが、その先がなかった。
5;5Balerdi
空中戦弱い。持ち上がろうとするがさしてうまくない。
8;15Caleta-Car
横のバレルディが不安定な中、終始相手を跳ね返し続けた。2点をセットプレーで叩き込んだのは出色。来夏のステップアップを睨んでいきたい。
6;18Amavi
可もなく不可もなし。守備は一定レベルにこなしていたと思う。攻撃面の貢献は限定的で、クルザワのような扱い。
5;6Strootman
IHで起用も積極性はなく、組み立ての貢献度も低い。アンカー稼業したいところだが、カマラがいる以上それも許されないだろう。
7;4Kamara
OMの“ジェネリック・マルキーニョス”。先制点はカマラのボール奪取&持ち上がりからだった。とはいえ、持ち上がりに固執する場面があり、ボールロストも目立った。
6;8Sanson
元アタッカーらしいきれいな飛び出しを繰り返し、ブレストDF陣を攪乱。パスとドリブルも悪くなく、こちらも完成度の高いボックス型MFとしてのステップアップを考えたいところだが。年齢的にはOMを最盛期にするだろう。
6;26Thauvin
カウンターの旗手。気の利いたポジショニングでボールを受け、カウンターを発動させた。ケガ明けだが、守備貢献が限定的になのでもう少し決定的な働きを期待したい。
5;9Benedetto
存在感ナシ。OMのイカルディ。
5;7Radonjic
走り回っていたものの、攻撃面では効果を発揮できず。62分に交代。

5;23Ake
62分に投入。ペロー対策要員だろうが、まずまずの働きだった。

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