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魔改造物語FINALE〜禁止カードの使い手〜

こうして、ロリちゃんの元で修行(意味深)を積んだ魔改造クソ真面目クソネキは、少しずつ授業を持つようになっていく。とはいっても担当生徒はいない。事務仕事をしつつ、機会があれば他の先生の代わりの授業(代講)をやるだけだ。さすがに夏のゴタゴタで塾長も懲りたのか、いきなりメインで持たせるようなことはしなかったらしい。それでも、誰かの代わりは常に必要になる(みんな忙しいし休まないといけない週はあるからね)ため、これでもこなせれば十分貢献度は高い。

ロリちゃんの元を離れて以降の魔改造の様子だが、実は正直よく知らない。出勤日が被らなかったのだ。ロリちゃんは、一体、ご機嫌だった。金魚の糞みたいにくっついてくる上にいちいち行動に文句つけられるんだから、いなくなってラッキーである。てか文句を言う金魚の糞ってマジでなんだよ。しかし、全くと言って良いほど誰かを担当したという話を聞かなかったので、“そういうこと”なのであろう。真面目なだけでは仕事はできないし、真面目なことが必ずしも善とは限らない。それに彼女は気付けていなかった。目の前にいる不真面目な人(ロリちゃん)が自分より上だったとしても、気付かないふりをしていたのかもしれない。人は都合の悪いことからは目を背ける。彼女の人生はその時点で19年程度だったが、それでも19年を否定して生きるわけにはいかないのだろう。時に、成長できない人は過去の否定を極度に畏れるものなのだと思う。

学校社会は、こういった人間を肯定してきた。しかし、社会はこういった人間をむしろ忌避する。そういう話は皆さんも耳にタコができるほど聞いてきたと思うが、彼女はそのプロトタイプだったのだ。学校は小さな社会だという。だけども、社会の模型にはなり得ていない。ある一定の特殊性を孕んでいるという観点を持ち込めば、小さな社会ではなく、大きなムラ社会、公然と存在する巨大ムラ社会という方が適切なように思える。
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1年が経った(この時点で2021年春です)。
また春がやってきて、新しい生徒と講師を迎え入れることになる。勤続4年目を迎える私にとっては最後の1年だ。これまで携わってきた(数々のロリへの)想い出が、心のアルバムにまたも刻まれることになる。

2月某日。私立大学の入試が終わってひと段落付いた頃、久しぶりに私は魔改造と出勤日が被った。

ワイ「私大の入試も終わってひと段落ついたわ〜」
魔改造「国公立ないんですか?」
ワイ「今年はないねー」
魔改造「まあ先生には無理でしょうwww」
ワイ「ぶっ飛ばすぞクソガキ」
魔改造「そんなん言ってたらまたチクりますよ〜」
ワイ・魔改造「いひひひひwwwwwwww」

随分と平和な会話になったものである。

ワイ「そういやなんだけどさ」
魔改造「はい」
ワイ「オレ私大1個しか受けたことないんやけど、普通何個受けるもんなん?」
魔改造「いや、私も1個ですね」
ワイ「マ?○○受からんかったら浪人?」
魔改造「いや、そもそも推薦です」

ワイ「は?」

元マ「推薦


ワイ「うん、推薦はわかっとんねん。公募?AO?」

元マ「指定校です」

ワイ「指定校…?」

元マ「はい、指定校です」

オマエーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!あんだけ偉そうに語っておいてろくすっぽ受験勉強してへんやないかーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


私の1年はなんだったのでしょうか。それは誰にもわからない。

≪第一部・完≫

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