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「どん底旅」#3.ドームで

2012年1月、退職旅後のストーリー

悩む余裕もなく、

「想定外プラン」はすぐ起動

日雇い経験が無いわけでもないげど、
それは若い頃のホームでの経験積み、
これはアウェイでの生存数段
そもそも、元が違う

派遣会社からの初日雇い仕事は
さいたまスーパーアリーナでの
大型コンサート会場の組み立てと解体

駅に近づくほど目立つ
自分と同じ目的っぽい
若者たち。
それぞれの人生で
それぞれの生き方
それぞれの夢

胸がトキドキする
緊張感が高まる
上手く出来るかしら。

あまりにも広大な現場で
数百人のスタッフがチームを取り組んでまるで一つの体の様に有機的に動く

重くて冷たい空気が会場であるドームを支配し、誰でも拒否出来ぬ
ただの季節的なわけではないな…

まずは、言葉
日本語がある程度出来るが、
ここは外国人でも例外ない
現場は安全事故と直接かかるので厳しいはず。
迅速、正確、安全確保が第一だ。
元惑星で関連あるキャリアなので
それぐらいは知っていた。

聞き取りにくい
騒音ばかりのドームの現場
耳を傾きながら
やる気満々で意欲が高まりすぎたか

目の前フォークリフト作業を
勝手に手伝おうと行動したら

「おい、お前!余計な事するな!!!」
ドライバーからの激怒…

その瞬間気がぱっとする

ここはどこ?
僕は誰?
何でここに?
何をしている?

別の自分が聞いている
心臓を強く握っている

お前よ、震災のせいなんてするなよ!
ずるすぎるぞ!
現実をみろ!
お前が甘かったからだ!
運?
それもさあ、
死ぬ気で頑張る者の専有物だ!

……

これは
実に、
この惑星での
最後の
チャンスだ

空気が重くて寒い
胸がしびれる
とりわけ長い日は

続ける

これも人生


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