mocopiにトラッカーを追加してSlimeVRで使う(設定編)
前回作成した自作トラッカーのセンサーキャリブレーションを実施してドリフトを再評価する話
1.はじめに
この投稿は以下のような状況からまとめています
mocopiを買った
M5CapsuleにSlimeVR用ファームを入れて腰トラッカーとして使いたい
VRChatで両足が別々に動いてクラブ、音楽イベントで少しリズムに乗って体を揺らせればうれしい
4時間ぐらいの連続使用を想定
2.前提条件など
M5CapsuleにSlimeVR用ファームとか、何故そこにmocopiとかに関しては
をみてね
3.キャリブレーションについて
キャリブレーションは大きく分けてセンサーそのものの初回キャリブレーション、利用開始時に実施するキャリブレーションの2種類ありますが、ここではセンサーキャリブレーションについてまとめます
4.センサーキャリブレーション
センサーキャリブレーションは1回あたり1センサーのみ、コントローラーに複数のセンサーを付けている場合は個別に行う、となっています。何度でも再実行は可能です。慣れたら再度実施するとかいいかも
必要なもの
SlimeVRコンソール
長めUSBケーブル(途中でトラッカーを回転させてキャリブレーションするため)
安定した作業のできる机など
この動画が分かり易い
SlimeVRコンソールでシリアルコンソールを開いてM5Capsuleを裏返して
※説明上、ピンアサインの表示がある面が正面とする
reboot(再起動)させるとFlip front to confirm start calibration (正面を上にするとキャリブレーションを開始するよ)のメッセージが出たらセンサーを正面を上にする。ジャイロのキャリブレーションのあとセンサーの各軸に対してのキャリブレーションが開始されるので、M5Capsuleの6方向を上に向けて軸に対してのキャリブレーションを実施する。複数センサを接続している場合は再起動を行い、各センサ毎に繰り返す。
5.温度キャリブレーション
よりセンサー精度が上がるとのことなのでこれもやってみる
温度キャリブレーションは複数センサー同時にキャリブレーション可能でした。
必要なもの
Visual Studio Code(Platform IO)
冷蔵庫
ドライヤー、アイロンなど
長めのUSBケーブル(キャリブレーション中は動かさないことが条件)
この動画が分かり易い
トラッカーのWi-Fi設定後にSlimeVRコンソールで温度確認しながら実施すると良いかも。M5CapsuleはSilmeVRのDeveloper Modeを有効にすると温度表示できました。
[キャリブレーション方法]
起動すると急激にセンサー温度が上がるので、冷蔵庫でしっかり冷やす。
USB接続するとM5Capsuleが起動するのでPlatform IOからシリアルコンソール(左下あたりのコンセントアイコン)を起動する。
起動後"TCAL PRINT"(赤字で表示される)コマンドを実行する
キャリブレーションが実行されていればステータスが表示される
室温にもよるが、30℃以上には上がりにくくなるので、ドライヤー、アイロンなどで温度を見ながらゆっくり温める
45℃以上まで温めるとキャリブレーションが完了する
(キャリブレーションに必要な温度帯域は15-45℃です)
6.体に止めるバンドをそろえる
mocopiには専用のバンドが付属しているが、SlimeVR用ではないので多少使いづらい、特にChest用は装着がむつかしいので結束バンドを買う
(何が難しいかと言うと、Chest用バンドは輪っかになっていて体に付けづらいです)
服or靴下などの上から結束バンドを巻き、服とバンドの間にmocopi、トラッカーを挟んで使用しています。
Trailancerは強力はがすの大変、でもしっかり留まる。短い2本は足首のmocopi用、中くらいの2本は膝のmocopi用
Waist,Chest用は別途購入
膝(太もも)、胸はバンドと服の間に挟んでもずれて外れるので100均のケーブルバンドを結束バンドに対して垂直に巻いて固定して使っています
7.再評価
体感で分かるぐらいよれにくくなった!
(よれにくくなっただけで、結局時間が経つとドリフトします)
センサーキャリブレーションは確かに効果がある!!
図とか数値的な説明があればいいのですが、良いものが無かった。
感覚的にはよれ具合が半分ぐらいになったかと…
8.長時間使うにあたってとりあえずやっていること
短時間間隔でのヨーリセットからは逃れられない
Chestのトラッカーを有効にすると胸がよじれるので無効化する
モバイルバッテリーは接続しておくが充電は最小限にする
毎回ボディープロポーションをやった方が良い?
ヨーリセット、フルリセット、マウントリセットの癖をつける
長時間座るときはSlimeVRのPause trackingなどをつかう
9-1. ヨーリセットはずれにくくなったとはいえ、結局は5分ぐらいでヨーリセットが必要でした。立っているだけではわからないですが、足を上げる、しゃがむなどの動作をするとずれていることがわかる
9-2. ChestトラッカーはWaist,Hipと合わせて使うと胸だけずれるようになりました。どうしても治らなかったのでChestトラッカーをオフ(装着するし、トラッカーとして認識させるのですが、アプリへの送信を止める)と当然ですが、ずれなくなりました。ただしオフしても装着位置がずれると胸がずれ始めるので、しっかり固定する必要はあります。
9-3. 過熱防止のため充電は最小限にする。OVA(OVR Advanced Settings)を使っているとバッテリー低下通知があるのでその通知に任せて充電のON/OFFする
9-4. ボディプロポーションは初回一度実施すればトラッカーの構成変更をしない限りそのまま利用できるとなっていますが、毎回やった方がずれにくかったです。時間があるときは起動時に毎回ボディプロポーションを実施しています
9-5. できるだけヨーリセット操作を避けるために以下を心がけています
ワールド移動時のロード時間にヨーリセットを実施
HMDを外した時(飲み物を取りに行くときなど)の後はフルリセット、マウントリセットを実施
9-6. 長時間座ると足が開いてくのは精神衛生上よろしくないです。
素直にPause trackingで固定して戻すときにフルリセットなどを実施する
情報をお持ちの方、より楽に使う方法を教えていただけるとありがたいです
9.今回の散財
Trilancer伸縮ベルト結束バンド、マジック式、滑り止め付き、3サイズコンボ(5パック) : 999円
結束バンド マジック式 幅広 (5x85cm) : 1,200円
100均のケーブルバンド x4 : 440円
計 2,639円
10.変更履歴
2024/06/21 思うがままに書いて初期投稿
11. 次回予告
いろいろ頑張ってみたものの、この辺りが限界のようだ、
おや?次の実験対象が早くも届いたようだ…(次号を待て。)
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