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Varshoのトレード、そしてダイヤモンドバックスのこれから

こんにちは。ダニダニです。
ようやく動いたHazen地蔵。対価が妥当かどうかは置いておいて、いいトレードだと思ったので、自分の所感を述べたいと思います。
個人的にはVarshoを出す事は反対でしたが、客観的に見て正解だったと今では思っています。

■D-backsの補強ポイント

トレードを分析するにあたって、現在D-backsが置かれているチームの立場と現有戦力について知っておく必要があると思いますので、確認してみましょう。

・D-backsの現状


                勝 - 負 / 勝率 / 順位
2018年:82-80 / .506 / 3位
2019年:85-77 / .525 / 2位
2020年:25-35 / .417 / 5位
2021年:52-110 / .321 / 5位
2022年:74-88 / .457 / 4位

チームのステイタスは目下再建中で、お世辞にも強いチームでは無いです。

しかし、2022年はGallen, Walker, Varshoが主力に成長し、そこにMcCarthy, Thomas, Carollらの若手外野手も加わり、勝率5割まであともう少し、というところまで来ています。実際、Gallenもインタビューにて、「シーズン後半はチームのアイデンティティが生まれ始めているような気がした」と話していました。そして、その象徴がVarshoであるとGallenが答えていたのが印象的です。選手達も手応えがあったでしょうし、同じような事を感じたファンも多いと思います。

・野手のデプス

太字はある程度来季の活躍が見込める選手を示しています。括弧内は年齢です。

ポジション:fWAR  選手名(投/打, 年齢)
C  :-0.3 / Kelly(R/R,28) , Herrera(26)
1B: 4.1 / Walker(R/R,32), Beer(26)
2B: 1.3 / Marte(R/S,29) [Rojas]
3B: 3.6 / Rojas(R/L,29), Rivera(R/R,27)
SS: 1.1 / Ahmed(R/R, 33), Perdomo(R/R, 23)
LF: 5.1 / Caroll(L/L,22)
CF: 5.1 / Varsho(R/L,26), Thomas(L/L,23)
RF: 7.2 / McCarthy(25L/L)
DH  :0.4 / Lewis(R/R,27), Smith(L/L,27)

全体的に左打者が多く、期待できる右打者がWalkerのみで、バランスが悪いことをHazenGMはインタビューにてたびたび答えています。

WAR比較だとDH/キャッチャー/ショートの層が薄いです。

DHはシアトルマリナーズから2年前の新人王Kyle Lewisを獲得しましたが、怪我が多くここ2年の稼働率はかなり低いです。またP.SmithやS.BeerなどのDHに置きたい大砲タイプは軒並み伸び悩んでおり、DHは休養のためのポジションとなってしまい、迫力不足は明白でした。

キャッチャーはC.Kellyが一人でなんとか凌いでいますが、成績が安定せず、打撃は打率.211 OPS.617 wRC+73と低調に終わり、DRS-1で守備もまあまあと、レギュラーとしては正直物足りないです。Kellyは成績が隔年傾向にあるので、来年バウンスバックを期待してもいいのですが、そのKellyもFAまで残り2年(2024オフ)で、さらにプロスペクトの捕手もいないと焼け野原状態です。
長期的な目線で考えると、一番の補強ポイントだと思います。

ショートは2022年 MLB Pipeline プロスペクトランキング12位のJordan Lawlarの昇格が控えている事もあり、あまり補強をするのは得策ではなく、怪我でパフォーマンスが落ちているとはいえ、実績のあるAhmedと打力不足ではあるが成長が期待できるPerdomoでお茶を濁しながら、待つしかないでしょう。

またファーストとセカンドのバックアップ要因も足りていません。
そのため、外野以外の層はスカスカでKelly, Walker, Marteが怪我をした時点で代わりに出てくる選手は一段も二段も能力が低い選手が出てくる状態でした。

外野手に関してはWARはリーグトップレベルで、若い選手が多く、贅沢にもダブついている状態です。ただし、そんな外野にも2点懸念があります。

一つ目は左打者多すぎ問題です。
上記の外野手は全員左打ちで、右打者は外野が守れるか怪しいK.Lewisのみです。

二つ目は年間通じて活躍した選手がVarshoのみという問題です。
期待値は高いが、安定して成績の残せる可能性が高い選手が少ないという状況にあります。

・まとめ

つらつらと課題を挙げましたが、まとめると以下のようになります。

1.右の強打者不足
2.DH
3.キャッチャー
4.ショート
5.内野のデプスが薄い
6.外野手の右打ちが少ない
7.通年活躍した選手が少ない

捕手と内野の層が薄く、逆に層の厚い外野を整理して、全体の戦力を底上げする必要がある状況にあると私は考えていました。

■今回のトレードを改めて考えてみる

ではここで改めてトレードをついて、深掘りしていきましょう。

・G.Moreno(22)

ポジション: 捕手
右投げ/右打ち

☆過去3年間の主要成績
             AVE / HR / OPS / wRC+ / DRS / UZR / OAA / WAR
2022:  .319 /  1 /  .733 /    113    /   2    /   --    /   --   / 0.7

BlueJaysのトッププロスペクトで、2022シーズン開幕当初はMLB Pipelineで全体7位にランクしていた、超有望株です。MLBデビュー済みでコンタクト能力と肩の強さはすでにMLBレベルであることが成績からもわかるかと思います。

☆獲得の意図
捕手のプロスペクトがいないため、デビュー済みのトッププロスペクトは喉から手が出るほど欲しかったはずです。打撃も期待でき、右打者がいないチームにもフィットします。
いきなりフルシーズンで捕手を任せるのは厳しいですが、サブになってしまったKellyも控えているため、Morenoに無理をさせずに育成できるのも相乗効果で良いと思います。

・L.Gurriel Jr.(29)

ポジション:左翼手/一塁手
右投げ/右打ち

☆過去3年間の主要成績
             AVE / HR / OPS / wRC+ / DRS / UZR / OAA / WAR
2020:  .308 / 11 / .882 /   134   /   -4   /  1.2  /   -2   /   1.0
2021:   .276 / 21 / .785 /   107   /     6    /   0   /   -8   /   1.8
2022:  .291 /  5 /  .743 /   114   /      3    /  -6  /   -2   /    1.0

BlueJaysではソリッドな成績を残してきた選手ですが、来年FAという事で放出されてしまいました。今年は長打が減ってしまいましたが、OPSは7割後半から8割後半は期待できる選手です。来年はFA前最終年ですし、強力なバウンスバックを期待しています。守備はあまり期待できなさそうですが、、、

☆獲得の意図
L.Gurriel Jr.はめちゃくちゃD-backsにフィットしていると思います。
理由を以下に述べます。

1. 強打の右打ちの外野手
→自慢の外野陣だが、左打ちしかおらず、多様性に欠けていた

2. 打力の安定感
→若い選手が多いため、通年で活躍が計算できる選手が欲しかった

3. いざという時ファーストが守れる
→Walkerのいざという時のバックアップを確保

4. FAまで残り1年
→若手の出場機会を奪わないという意味で、短期の契約期間で問題ないと思います。いざ負け込んできたら、TDLで放出して、プロスペクトをさらに充実させてもいいですね。

■まとめ

今回のトレードで上で挙げた課題がある程度解決することが期待できます。

1. 右の強打者不足
2.DH
3.キャッチャー
4.ショート
5.内野のデプスが薄い
6.外野手の右打ちが少ない
7.通年活躍した選手が少ない

Morenoの獲得がメインのトレードだったとは思いますが、地味にLourdes Gurriel Jr.の獲得も大きかったと思います。

・最後に

来年のD-backsは若手を使いつつ、ワンちゃんPS狙いというスタンスで望むと思います。ドジャースやパドレスとの戦力差はまだまだありますので、大手を振ってコンテンドだ!とは言えませんが、LawlarやJonesがコールアップされる再来年以降が本当のコンテンド期になると思いますので、気長に待ちましょう。

そして、まだ補強は終わってないはずなので、更なる補強に期待したいですね。

追記:5の内野のデプスが薄い, についてはEvan Longolia獲得が今日決まりましたね!Rojasをサード兼UTとして使えるため、層が厚くなりました!若手が多い野手をまとめてほしいですね!

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