米国株、ダウ続落し1033ドル安 米景気に警戒感 ナスダック大幅安

米国株、ダウ続落し1033ドル安 米景気に警戒感 ナスダック大幅安

米国・欧州株概況

2024年8月6日 5:48

【NQNニューヨーク=川上純平】5日の米株式市場でダウ工業株30種平均は大幅に3日続落した。前週末比1033ドル99セント(2.60%)安の3万8703ドル27セントと6月中旬以来の安値で終えた。1日の下げ幅としては2022年9月以来の大きさ。米景気の先行き不安を背景に投資家がリスク資産を圧縮する動きを強め、米株に売りが広がった。ハイテク株を中心に売られ、ダウ平均の構成銘柄は全面安だった。

前週末発表の7月の米雇用統計は雇用者数が市場予想ほど伸びず、失業率も上昇した。米景気が想定以上に悪化するとの懸念が広がり、投資家が株売りを急いだ。5日はアジアの株式相場が日本を中心に大幅安となったほか、欧州株も下落。世界的な株安が投資家心理を冷やし、ダウ平均の下げ幅は一時1200ドルを超えた。

人工知能(AI)による業績拡大が期待され、これまで米株高をけん引してきた大型ハイテク株を中心に持ち高を解消する動きが広がった。ダウ平均の構成銘柄ではアップルやアマゾン・ドット・コムマイクロソフトが大きく下げた。市場では「明らかに買われすぎていたなか、24年4〜6月期決算でAIの業績貢献が現時点で限られることが分かったのも売りにつながった」(ケース・キャピタル・アドバイザーズのケニー・ポルカリ氏)との声が聞かれた。

「恐怖指数」とも呼ばれる米株の変動性指数(VIX)は不安心理が高まった状態を示すとされる20を大幅に上回った。一時は65台と新型コロナウイルス禍の20年3月以来の高水準となった。

ダウ平均の構成銘柄は全て下げ、インテルやシスコシステムズ、ビザへの売りが目立った。ナイキやIBMも下落した。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は大幅に3日続落した。前週末比576.082ポイント(3.43%)安の1万6200.082と5月上旬以来の安値で終えた。次世代AI半導体の出荷が遅れると伝わったエヌビディアが大きく下げた。テスラやメタプラットフォームズも下落した。

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