米国株、ダウ反発し683ドル高 景気懸念後退で買い ナスダックも反発

米国株、ダウ反発し683ドル高 景気懸念後退で買い ナスダックも反発

米国・欧州株概況

2024年8月9日 5:39

【NQNニューヨーク=戸部実華】8日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前日比683ドル04セント(1.76%)高の3万9446ドル49セントで終えた。1日の上げ幅としては7月16日(742ドル高)以来の大きさだった。朝発表の米雇用指標が労働市場の底堅さを示し、景気懸念が和らいだ。市場心理が改善し、幅広い銘柄に買いが入った。ダウ平均の上げ幅は一時740ドルを超えた。

8日発表の週間の新規失業保険申請件数は前の週から減少し、23万3000件とダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(24万件)を下回った。前週末発表の7月の米雇用統計をきっかけに景気悪化への警戒感が強まり、ダウ平均は7月末と比べ前日までに2079ドル下げていた。新規失業保険申請件数は「雇用統計の先行指標と位置付けられ、労働市場を巡る懸念を和らげた」(LPLファイナンシャルのクインシー・クロスビー氏)との声が聞かれた。

外国為替市場では円が対ドルで下落し、1ドル=147円台で推移する場面が目立った。週初の株安につながったとされる「円キャリー取引」の急激な巻き戻しが一服したとの見方も安心感につながった。

大型ハイテク株や半導体関連株が持ち直したことも相場を支えた。足元の下げを受け、人工知能(AI)関連で業績の伸びが見込める半導体株の一角には買いの機会との見方を示すアナリストも出てきた。ダウ平均の構成銘柄ではないが、エヌビディアが6%高となり、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)やブロードコムなども上昇した。アマゾン・ドット・コムアップルといった主力株も買われた。

ダウ平均の構成銘柄では、インテルが8%近く上昇し、アムジェンセールスフォースの上げも目立った。ボーイングキャタピラーゴールドマン・サックスなど景気敏感株にも買いが入った。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も反発した。前日比464.215ポイント(2.86%)高の1万6660.021で終えた。アルファベットやメタプラットフォームズといった大型株が上昇した。半導体関連株も軒並み買われ、主要な関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は6.8%高で終えた。

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